ハウスミカンを栽培されている方から、年々ミカンの落葉が土に還りにくくなっている気がするという意見が挙がった。
ミカンに限らず果樹全般の話になるとは思うが、
果樹の秀品率を決める上で重要な要因として細根の発生がある。
事前に読んだ栽培マニュアル等に記載されている内容から、おそらく樹木の細根は季節的な要素で発生と分解を繰り返すのだろうと捉えているけれども、細根はおそらく土壌の物理性の高いところで発根しやすい傾向にあるはず。
物理性を前提にすると、ミカンの落ち葉がなかなか土に還らないのは果樹にとって相当痛いはず。
話は変わって好調のミカンの木をいくつか紹介して頂いた。
好調の木の根の下に
牛糞堆肥が施用されていて、その牛糞堆肥の更に下の層からキノコが生えていた。
この牛糞堆肥をどけて、キノコの根元を確認してみると、
落ち葉は脱色していて、土に還っているように見えるものも多く見られた。
好調の木の下に必ずキノコがあったわけではなく、2本の木の下のみキノコが生えていたのを確認出来ただけなので、好調の木 = キノコが生えやすいという関係は成り立たない。
ここから先はふと思ったことなので、適当に流してもらっても良いのだけれども、
ハウス内に落ち葉を分解する菌が根本的に少なくなっているのではないだろうか?
先日の白色腐朽菌とトリコデルマの戦いに記載した上、
ベレ出版 生き物はどのように土にかえるのか
上記の本でも記載されていたが、動物系の糞というのは落ち葉を分解する白色腐朽菌にとってマイナスの影響を与えるのでは?とあるので落ち葉の分解と牛糞堆肥の関係はよろしくないにも関わらず、
※上記で紹介した本ではカワウの糞で落ち葉の分解が遅くなっているという話題があった
大きなキノコが生えたということは、ハウスの外環境から腐朽菌が持ち込まれたということになるのでは?
となると、
なかなか分解されない落ち葉の上に、バーク等の木質系の堆肥で覆うことによって落ち葉は分解されやすくなるのでは?
なんてことを思った。
ハウスを覆う資材が発達して、ハウスの屋根を剥がすという機会が大幅に減ったことで、ハウス内の菌類の生態系というものが単一化してしまったのかもしれない。
そういえば以前、
リンゴの木の根元に一面シロクローバのところがあったけれども、落ち葉の上に木質系の堆肥、その上にクローバというのは落ち葉の分解という視点で言えば案外有効かもしれない。
※クローバを挙げた理由の詳細は下記の記事で
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