土壌中の微生物は硫黄を含む化合物を合成するか?の記事で土壌中の微生物である放線菌が合成する硫黄を含んだ化合物のマイコチオールについて見た。

マイコチオールは含硫アミノ酸であるシステインを材料として合成される。


マイコチオールを調べるきっかけが、土壌中の微生物は硫酸塩肥料の残留である硫酸根を直接利用できるか?で、放線菌はシステインの合成もできるのか?が気になるところだけれども、一旦置いといて次の化合物について触れることにする。




前回参考にしたNature ハイライト:硫黄を含む生体分子の生合成 | Nature | Nature Portfolioだけれども、もう一つの化合物名が記載されていた。

その化合物というのが、


Ergothioneine


エルゴチオネインになる。

一見複雑そうに見える構造だがよくよく見てみると、


Betain2


右側はグリシンベタインことトリメチルグリシンのような構造になっていて、右側のN⊕のメチル基(-CH3:省略されている)を外したものが、


Amino_Acid_Histidine


塩基性アミノ酸のヒスチジンによく似ている。

エルゴチオネインはイミダゾリル基と呼ばれる左側の環状の箇所をメルカプト化(-SHを付与)し、何らかの反応で硫黄(S)と炭素(C)間の結合を強めた後に、アミノ基をメチル化(-CH3を付与)したといったところか。


上記の記述が正しいとして、そうであればメルカプト化はどのようにするのだろうか?ということが気になってくる。

土壌中の微生物が硫酸根を吸収して、それを還元してそのまま付与といった流れであれば良いなと。

エルゴチオネイン - Wikipedia


エルゴチオネインについて更に調べてみたら、Linking soil health to human health: Arbuscular mycorrhizae play a key role in plant uptake of the antioxidant ergothioneine from soils - Carrara - 2023 - PLANTS, PEOPLE, PLANET - Wiley Online Libraryにたどり着いた。


植物は共生菌を介してエルゴチオネインを蓄積しているようだ。

エルゴチオネインには抗酸化作用があったり、オスモライトのような働きがありそうなので、年々猛暑日が酷くなっていく昨今において重要な化合物になることは間違いない。

オスモライトとは?


追記

エルゴチオネインは2-メルカプトヒスチジントリメチルベタインと呼ばれるそうだ


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