前回のエンドウの寒さへの強さの秘密はどこにあるのかい?の記事を作成している時にふと思ったことがある。
前回の草は○○エンドウという名前が付いている草だと思うけれども、
緑肥でこの草の仲間にヘアリーベッチという草がある。
このヘアリーベッチという緑肥はマメ科で根粒菌との共生で窒素固定が出来るだけでなく、
根から分泌されるアレロパシーで周辺の草を抑え込む。
アレロパシーの仕組みは
どうやら周辺の草のタネの休眠を早期に打破し、
適切な時期でない時の発芽ですぐに枯らすという説がある。
アレロパシーの要因となる物質はシアナミドとされ、
栽培後の土壌消毒として利用されている石灰窒素の成分だ。
石灰窒素は作物の根の病気の原因となる土壌微生物に対して有効とされる。
ヘアリーベッチは11月あたりに発芽して、越冬しながら伸長する。
3月あたりの暖かくなったあたりで繁茂する。
これはちょうど果菜類等の大型の作物の露地栽培の裏作にあたる。
ベッチは土作りを兼ねた土壌消毒という意味合いを持つので、
栽培暦にベッチを組み込むだけで、
秀品率は大きく向上するのではないだろうか?
今までの経験上、
クローバのように粗い木質資材が漉き込まれた環境で旺盛に伸長しつつ、
木質資材が速く土に馴染むことを見ることができた緑肥であるので、
栽培後のベッチの播種前に
質は低いが安価に入手出来る木質資材をすき込み、
その環境でベッチを育てれば、
土が良くなりつつ、根量が増えてシアナミドも多く分泌されるようになるはず。
これはもしかしたら、
よくある太陽光 + 石灰窒素による土壌消毒よりも効果が高いかもしれない。
この話をより確実なものにするために、
シアナミドがどのような作用点を持つのか?
土壌微生物の種類によって効かない種がいるか?
等の情報を集めなければならない。
関連記事