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フライドチキンの衣の粉の構成を考えるの記事で、薄力粉に片栗粉を混ぜる事の意味を考えた。

この内容を踏まえ、


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薄力粉に卵を混ぜることについても考えてみよう。




衣用の薄力粉に卵を混ぜる場合、全卵(黄身と白身)を混ぜることが一般的であるそうだ。

卵を混ぜることに期待する効果は卵のタンパク質が加熱することによって薄力粉と他の材料を繋ぎ止める役割であるそうだ。


この内容を読んだ時に、小麦粉に含まれるグルテンと同じ効果を期待しているのか?

であれば、中力粉で良くないか?という疑問が生じる。


ここで小麦粉に含まれるグルテンと、卵に含まれるタンパクを熱した時の反応を考えてみる。




グルテンの方の加熱で一番わかりやすいのが、


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パンのクラムにある気泡になる。

クラムというのは、パンの内側の部分で、クラム内の隙間を気泡と呼ぶことにする。


気泡周辺は生地が引き伸ばされたようになっていて、これこそがグルテンを加熱した時の特性だと思う。




一方、卵を加熱すると、


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主に白身だけれども、ガチガチに固まる。

これは卵白に含まれるアルブミンというタンパクが熱変性によって形が崩れ(?)、タンパクの内側との結合が強固になるという反応に因るもので、この反応自体を凝固と呼ぶ。


グルテンも凝固するが、卵白程ガチガチにはならない。


この凝固時の硬さをイメージすることで、衣中のタンパクの繋ぎのイメージがしやすくなるのだろう。