米ぬか嫌気ボカシ肥の失敗のサインの悪臭化合物についての続きまでの記事で、米ぬか嫌気ボカシ肥作りの成功や失敗のサインになる香り化合物について見てきた。
良い香りに関して、米ぬか嫌気ボカシ肥の成功のサインの香り化合物についてで見たようなエステル類の他に
米ぬかが褐色になる要因のメイラード反応も重要となる。
せっかくの機会なので、メイラード反応について丁寧に見ていく。
メイラード反応(Maillard reaction)とは、還元糖とアミノ化合物(アミノ酸、ペプチドおよびタンパク)を加熱したときなどに見られる、褐色物質(メラノイジン)を生み出す反応を指す。
還元糖という用語が久しぶりに出てきたので、この用語も整理しておく。
これは還元糖のうち、最も話題に挙がるであろうグルコースをいす形配座(環状の表記)で表したものだ。
これをアルデヒド型という鎖状構造で書いたものが、
になる。
自然環境下では、グルコースのほとんどが環状構造になっていて、鎖状構造になっているものほほぼない。
鎖状構造を示したのは、グルコースの構造がわかりやすくなる為なので、先に鎖状構造の方で話を進める。
グルコースの1の箇所の炭素(C)は-CHOでアルデヒド基と呼ばれ、還元性を持つ。
還元性というのは、自身が酸化され、周囲の化合物を還元する。
この反応がメイラード反応に際に重要となる。
メイラード反応でもう一つ重要になるのが、アミノ酸なのでそちらも見ておく。
これはアミノ酸の一般構造式になる。
左側にアミノ基(-NH2)があり、右側にカルボキシ基(-COOH)がある。
※ Rには何らかの形が入り、入った形によって異なるアミノ酸として扱われる
メイラード反応では、アミノ基が重要となる。
これらを踏まえた上でメイラード反応を見ていきたいところだが、長くなるので今回はここまでにしておく。
-続く-