土壌中で過酸化水素が自然発生する仕組みを知りたいの記事で土壌中で酸化剤や還元剤として働く過酸化水素(H2O2)の発生について触れた。


この内容を踏まえて、


Manganese_4_oxide


土壌中でマンガンはどのように還元されるか?の続きで触れてきた不可給態のマンガンを可給態マンガンに変える反応についてを再び触れることにしよう。


前回何故シュウ酸について触れておきたかったか?というと、上記の記事で

/***********************************/

風乾に伴う二価鉄の酸化または有機酸の生成(遊離)等で生じた水素イオン(H+)はマンガン酸化物の溶解により消費され、見かけ上pHの低下が抑制されている可能性がある

/***********************************/

牧野知之著 土壌中におけるマンガンの酸化還元機能と動態 - 農業環境技術研究所報告 第20号(2001)の135ページより引用

という記述があったことと、今回新たに触れる

/***********************************/

微生物の代謝産物としてシュウ酸とピルビン酸を用いたマンガン酸化物の溶解が報告されている

/***********************************/

牧野知之著 土壌中におけるマンガンの酸化還元機能と動態 - 農業環境技術研究所報告 第20号(2001)の135ページより引用

という記述があるからだ。


土壌の微生物が分泌するシュウ酸は強酸で有るため、鉄と一緒に働いてマンガンを可溶化する他、シュウ酸自体が酸化剤や還元剤の過酸化水素の発生要因になる。


微生物、特にキノコ等の土壌中に炭素化合物が多いところで優位になる糸状菌でシュウ酸分泌の報告をよく見かけるわけで、マンガンの肥効を安定させるには土壌改良が有効であるという内容に繋がっていく。


この内容を踏まえて改めて糸状菌が分泌するシュウ酸の役割の記事を読み返してみたら、

Mn3+ + C2O42-(シュウ酸イオン) → Mn2+ + CO2・-(ギ酸ラジカル) + CO2

という反応式を書いていた。


三年程前に不可給態マンガンのMn(Ⅲ)から可給態マンガンのMn(Ⅱ)への還元について触れていたのね。


ギ酸ラジカルの方も酸化剤としての反応の他に何かありそうだから、これも丁寧に見ていきたい。


関連記事

シュウ酸から続く無農薬栽培への道