
肥料としてのニガリの記事で苦土(マグネシウム)の肥料としてのニガリとして見た時の成分と形について見た。
食品添加物としてのニガリの成分を見た時に確かにマグネシウムの含有量は多いが、石灰(塩化カルシウム)や食塩(塩化ナトリウム)の含有量もそれなりに多いことが気になった。
リンクの掲載は控えるが、市販のニガリ由来の肥料を調べていたら、塩化マグネシウムが95%以上と表記されたものを見かけた。
この含有量から、塩化マグネシウムを選別的に抽出できる手法がある可能性があると考えられるので、分離について考えてみることにする。
この手の話を考える時に真先に思い付くのが、各成分の加熱した時の溶解度の変化だろうか。
とりあえず金属塩化物の溶解度を参考に各温度における塩化ナトリウムと塩化マグネシウムの溶解度の比較の表を作成した。
| 温度(℃) | 塩化ナトリウム(NaCl)[wt%] | 塩化マグネシウム(MgCl₂)[wt%] |
|---|---|---|
| 0 | 26.28 | 34.6 |
| 20 | 26.38 | 35.3 |
| 40 | 26.65 | 36.5 |
| 60 | 27.05 | 37.9 |
| 80 | 27.54 | 39.8 |
| 100 | 28.2 | 42.3 |
除去したい塩化ナトリウムの方は溶媒(水)の温度を上げても溶解度はほぼ変わらないのに対して、塩化マグネシウムは温度が上がるにつれ溶解度は上がっていく。
加熱をすることで溶媒(水)は揮発して濃度は濃くなっていくので、比較的溶けにくい塩化ナトリウムは析出していく。
後は上澄みをろ過すれば塩化ナトリウムの濃度が下がった溶液を得ることができる。
次に気になるのが、塩化カルシウムの濃度だ。
食塩(塩化ナトリウム)を除去してもカルシウムの濃度が上がってしまうのはマグネシウム肥料としては問題だ。
というわけで、塩化カルシウムの溶解度も見てみることにする。
| 温度(℃) | 塩化マグネシウム(MgCl₂)[wt%] | 塩化カルシウム(CaCl₂)[wt%] |
|---|---|---|
| 0 | 34.6 | 37.3 |
| 20 | 35.3 | 42.7 |
| 40 | 36.5 | 53.4 |
| 60 | 37.9 | 57.8 |
| 80 | 39.8 | 59.5 |
| 100 | 42.3 | 61.4 |
塩化カルシウムの方が塩化マグネシウムより溶解度の上がり方が大きいので、塩化ナトリウムの析出が一通り済んだら土は塩化マグネシウムの析出が始まると見て良いはず。
ここのさじ加減は難しいところ。
もし、良い感じに塩化ナトリウムのみを除去できたとしても、ニガリの成分比が
カルシウム : マグネシウム : カリウム ≒ 1 : 3 : 1
であるため、マグネシウムが60%で、冒頭で見たマグネシウム含有量が95%とは程遠い。
他にも方法があるはずだから引き続き調べることにする。



