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ポインセチアは矮化して小さくすることによって園芸品種としてこんなにも愛される様になった。

ポインセチアはなぜそんなに高い位置で開花する?


唐突に「矮化」という話が出てきたけど、矮化こそが農業の歴史において最重要な要因だと思っている。


その矮化というのが何かと言えば、


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植物の大半は上のイラストの様に、葉が生える箇所が決まっていて、赤丸の葉の付け根の箇所がそれである。


この赤丸の箇所は原基(げんき)と呼ばれ、葉の他に


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morph_sho


原基からは根や枝が発生する。


で、原基から原基までのことを節間(せっかん)と呼び、この節間が短くなった変異のことを矮化と呼ぶ。


この矮化のどこが重要かと言えば、


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例えば、ダイズ。

味噌や醤油の原料としてなくてはならない作物。


収穫時は背丈が大体50cmぐらいかな?

1mはいかなかったと思う。


このダイズ、原種をツルマメと言い、


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(写真:ツルマメ - 重井薬用植物園 | 園内花アルバムより引用)


見ての通り、何かに巻き付いて高く伸長する植物で、背丈は4m近くになるらしい。

ツルマメ - Wikipedia


想像してほしい。

4m近くの作物からマメの莢を収穫する労力を。


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背丈の低い株のみを残して、背丈の低い株だけで栽培、収穫し、他の箇所で後で莢を取り外す作業とするだけで作業の効率は格段に変わる。


これで高栄養、高たんぱくの作物を少ない労力でたくさん収穫出来るようになったわけだ。

といっても、あくまでダイズの原種がツルマメだと考えられているだけだから、実際のところは違うかもしれないけれど。


それを除いたとしても、他の作物で節間を短くすることで労力が軽減された話をちらほらと聞く。