京都舞鶴の大江山超塩基性岩体地域で超苦鉄質の石らしきものが落ちていた。
話を進める前に簡単に復習すると、
京都舞鶴の大江山はかんらん岩や蛇紋岩といった超苦鉄質の岩石で有名な場所。
読んで字の如く、
苦土(マグネシウム)と鉄が多く含まれた超塩基性の岩で形成されている地域である。
※塩基性と書かれているけれども、岩の場合はpHではなく二酸化ケイ素の含有量のこと。塩基性は二酸化ケイ素が少ない。
塩基性がpHに関係ないとはいえ、
かんらん岩や蛇紋岩のある場所ではく溶性苦土が産出されるため、
おそらく大江山付近にある土壌ではpHや苦土周りで他地域とは異なる特徴があるはずだ。
というわけで、
以前、大江山の麓の畑を借りていた方から土壌分析の結果を見せてもらった。
※土壌分析の結果だけで具体的にどの場所とか土の色がどうなのか?はわからない。
ざっと見せていただいただけなので、グラフ等はないけれど、
大きく目立った箇所はpHが8付近であったこと。
更にマグネシウムが標準より高く、カリウムが少ない。
栽培中に強い生理的酸性の肥料を使ったにも関わらず、
栽培後の土壌分析ではやはりpHは7以上と高く、
栽培があまりにも困難で、この土地は返したとのこと。
大江山はかんらん岩が多いので、生理的塩基性肥料と似た鉱物が多いため、
pHが高く、マグネシウムが多いのは納得できる。
更に酸性岩にあるようなカリを含む鉱物がかんらん岩にはおそらく少ないと予想できるので、
カリウムが少ないということも予想できる。
カルシウムについては良くわからない。
保肥力に関しては超塩基性岩と腐植はこれといって関係がないので、
特に何もしていなければ、CECのところで目立った数値は出てこないはず。
となると、
土壌の周辺で超苦鉄質の岩で形成されている山があって、
川の水が土壌方面に流れている場合はカリ肥料が重宝するのかな?
pH8だとカリはほとんど効かないし。
カリが効かないと、吸水と養分吸収が落ちるので、
施肥設計が想定通りにならずに苦戦する。
今回のような情報はまだ一つなので、
信憑性が増すために周辺地域のことをもっと知る必要がある。
ちなみに、
超苦鉄質の地域の土は鉄が多いため、真っ赤な土が特徴になるのだろうなと。