

酢酸の殺菌性の記事で酢酸の殺菌性について見た。
殺菌作用を目的として有機酸を散布した時、pHが下がることが重要であるらしいが、細胞膜への浸透のし易さ等も重要になってくるそうだ。
単純にpHだけを下げたい場合は、クエン酸の方が効きが強そうに見えるが、メチル基(-CH3)があることや構造が小さいことが重要になってきて、ちょうど良い塩梅が酢酸になるそうだ。
前回は菌に対しての浸透性の話だったけれども、植物の細胞膜に対しても同様の浸透性を発揮するそうで、そうなると酢酸が植物に対して悪さをするのでは?と心配になる。
この点に関して興味深い研究報告があったので紹介する。
共同発表:植物に酢酸を与えると乾燥に強くなるメカニズムを発見~遺伝子組み換え植物に頼らない干ばつ被害軽減に期待~ですが、表題にあるようにモデル植物のシロイヌナズナや主要作物に酢酸を与えたら耐乾性が向上したという報告になっている。
明記されていないが、おそらく根に酢酸を与えたということだろうけれども、酢酸の作用を考えると葉面散布でも有効だと思う。
浸透性の高い酢酸が植物体内に入り込んで何らかを刺激することで、

抵抗性に関与する植物ホルモンのジャスモン酸の合成が活発化したそうだ。
ジャスモン酸といえば、食害性昆虫の天敵を誘引する化合物としても有名であるため、酢酸を与えることで食害性昆虫からの被害を軽減できる可能性も見えてくる。
であれば、酢酸の散布は下記のようなことが考えられる。
・作物に食害性昆虫がやってくる前に定期的に酢酸を散布しておく
・天敵誘引により食害性昆虫の被害を軽減する
・病気は食害性昆虫が開けた穴から入り込むことが多いので、酢酸の定期的な散布は病気の予防に繋がる
いつもの如くの内容だけれども、酢酸の散布をしただけではおそらくジャスモン酸の合成は活発にならず、ジャスモン酸を合成する為のツールのようなものが必要になるわけで、亜鉛等の微量要素が土壌中に十分にありつつ、適宜吸収できるような環境を用意しておく必要がある。
粘土鉱物 + 植物性堆肥 + EFポリマーで土の物理性を高めた上で酢酸の散布で効果を発揮するといったところかな。
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