大阪府と兵庫県の県境に位置する妙見山に行ってきた。
妙見山の山頂付近は植生が夏緑林に分類され、ブナが自生している。
大阪でブナが自生しているのは妙見山と南の方に一箇所の計二箇所となっているらしい。
ブナは冷温な気候(夏緑林)の環境を好み、西南日本では標高が高い山に自生しているとされているが、妙見山は標高660mとあまり高い山ではなく、西南日本において低標高でのブナの生育の南限とされている。
妙見山ではブナの保護を行っていて、立派なブナがたくさん自生していた。
訪れる時期が遅く緑の葉が残っていない状態であったので、葉の観察は諦め、根元に堅果実が落ちているか?探してみると、
殻斗付きの堅果が落ちていた。
一つの殻斗に付き、堅果が二つ入っていて、
他のブナ科の堅果のように丸くない。
ここでブナ科の系統を見るの記事で触れたブナ科の系統を再び持ち出してみると、
ブナ科の進化の長い歴史において、古くに分かれた属であるらしく、ブナと他の属の堅果を比較することで得られる知見が多い。
殻斗の形は、
シイ属の殻斗に似ているし、
一つの殻斗に複数の堅果はクリ属で見た。
妙見山の標高の視点からも得られる事があるが、長くなったので今回はここで終了する。
-続く-