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前回のハードチーズの美味しさの目安のチロシンの結晶の記事で長期熟成のハードチーズで美味しさの指標としてチロシンの結晶があると記載した。

チロシンの結晶はハードチーズに限らず、味噌、納豆やタケノコあたりでもあるらしい。


更なる知見を得るためにチロシンの結晶を検索してみたら、前田正道 - 麦味噌のチロシン析出とその防止法 - 醸協(1991)という小論に行き着いた。


要約すると、梱包味噌を低温保管すると味噌表面にチロシンが析出し、それがカビの発生や異物の混入のように思われ、商品のイメージが損なわれることがある。

チロシンの析出はL-アスコルビン酸を添加することによってある程度抑えられるとのこと。


古い小論であるので、真剣に探したら更に解明されているだろうけれども、今回はチロシンの析出と抑制までにしておく。


上記の内容を読んだ時、ふと無添加味噌の表面にカビが生えたの記事を思い出した。


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今思えば、無添加味噌の表面にカビが生えたと思ったけれども、もしかしたらこれはチロシンの析出だったのかもしれない。

せっかくマクロレンズがあるんだし、分生子が形成されているかとかまで踏み込んでみておけばよかった。


こういうちょっとした後悔をする度に学部生の頃に教授から「気になる事以上に物事を気にしなさい」という助言を思い出す。


今回紹介した小論の最後に記載されているが、チロシンはL-DOPA(L-ドパ)の合成で超重要なので、ハードチーズや味噌の表面には幸せな気持ちが詰まっていたのかもしれない。

とあるマメのアレロケミカルの話