昨年、新宿御苑というところで、丁子菊(ちょうしぎく)という菊を見た。


PB146196


PB146199


PB146200


今まで書いてきた菊とは違って、真ん中の部分が目立っている菊だ。

この丁子菊、真ん中の部分をまじまじと見てみると、


PB1462001


雄蕊、雌蕊だと判断しそうなところが、何となく個々が花のような形状に見えてくる。


菊というのは、


PB146200


一つの花に見えるけれども、これは複数の花の集合で、頭状花序(とうじょうかじょ)という集合花である。

頭状花序 - Wikipedia


PB1462002


真ん中の筒状になっているものが筒状花と呼び、外側の装飾している花弁っぽいものを舌状花と呼ぶ。

この写真だけ見ると、全然花っぽく見えないけれども、実際、一つ抜いてみると花だなと感じられる形状になっている。


一つずつ抜いてみたものは今は手元にはないので、個々の花の形状はおいおいにして、この視点を得た上で、


PA298027

肥後菊は細くしなやかで美しい


肥後菊、


PB031221

京都の嵯峨菊


嵯峨菊、


PB146222

江戸菊は江戸の華


江戸菊を改めて見てみると、これらの花は舌状花の美を求めたけど、丁子菊は筒状花の美を求めた様に見えてくる。

集合花の育種と言うのは、どちらの花に意識を向けるか?によって、こんなにも変わるのだなと古典菊を見る度に思う。