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カテゴリー : 堆肥・肥料/page-1

 

汚泥肥料の特徴を把握しておく必要はあるだろう

前回の消化汚泥から得られる溶解性リン酸態リンの記事で、汚泥からリン酸の回収を見た。今回は汚泥自体を利用する汚泥肥料について見ていくことにする。※写真は現物のものがないので、素材サイトから似たようなものを探してきた汚泥肥料は肥料の原料が高騰している中で注目されている肥料で、安価で入手できて良いものが育つと評判になっている。ただ、この手の内容で不安なこととして、汚泥肥料に含まれている養分が不明確なまま使用すると家畜糞と同じような症状に陥らないか?ということがある。尿素...

 

消化汚泥から得られる溶解性リン酸態リン

前回のリン鉱石は何処にある?の記事で、肥料の原料であるリン鉱石がどのような条件で産出されるのか?を記載した。日本にもリン鉱石を産出する地質の条件はあるだろうけれども、産業レベルでたくさん産出出来る地域というのは限られるらしく、輸出に頼っているという現状がある。更にはリン鉱石は数十年以内に枯渇すると言われている。迫り来るリン資源の危機 - 日経サイエンス上記問題に加えて、日本の栽培ではリン酸肥料の使用の制限は特になく、感と経験に頼る栽培者が多く入れておかないと不安だからと、リン...

 

リン鉱石は何処にある?

稲作のリン酸肥料としてBMようりんについて触れておくの記事までで、リン酸の化成肥料の製造方法について触れてきた。どちらの話題でもリン鉱石(燐灰石)が共通していた。燐灰石といえば、輸入に頼っている資源として有名で、高騰しやすい資源としても有名である。以前、リン鉱石から考える未来のことの記事でリン鉱石は生物の骨等の生物由来のリン酸が石灰岩に含まれることによって形成された鉱物だと記載したが、それだと腑に落ちないことがあるので、今回は更に調べることにする。腑に落ちない...

 

稲作のリン酸肥料としてBMようりんについて触れておく

速効性のリン酸肥料はどんな形?の記事で速効性のリン酸として燐安と過リン酸石灰について触れた。速効性というのは水溶性(W-P2O5と表記する)であって、この用語で速攻で頭に浮かぶのが、稲作で使えるの?ということだろうか。ここで元JAの職員に話題を振ってみると、「稲作のリン酸を含んだ肥料といえばBMようりんあたりかな」なんて返答が返ってくる。そんなわけで、BMようりんについて触れてみる。唐突だけれども、最初にBMようりん(よう成リン肥)の製造方法について触...

 

速効性のリン酸肥料はどんな形?

畑作の輪作の稲作ではリン酸はどのようにして減っていくのか?の記事で、畑作の輪作として水田で稲作をした場合、土壌中のリン酸の量が減ることについて触れた。リン酸の量について気にする理由は、土壌中の無機リン酸の量が多い状態で栽培を開始すると、病気の発症率が高くなる可能性があり、リン酸自体が土壌中の金属と結合して、難溶性になり蓄積しやすいという特徴があることに拠る。リン酸は難溶性になり、土壌中に蓄積しやすい、つまりは肥効が遅い傾向にあるということになり、速効性のリン酸肥料とは一体何なのか?と...

 

畑作の輪作の稲作ではリン酸はどのようにして減っていくのか?

最近、栽培のリン酸の話題が増えている。きっかけは土壌分析でリン酸の数値が高い結果が返ってきたら次作は気を引き締めた方が良いの記事周辺の内容になっている。リン酸は肥料学において主要な要素の位置付けになっているので、感と経験で栽培をしている方が収穫できない不安を和らげる為に過剰使用になる傾向がある。一方、リン酸は世界的にみて有限の資源で使用制限のある国もあるらしく、日本の栽培は逆行している面もある。冒頭の話はここまでにしておいて、最近あった話題を載せてみる。...

 

田の抑草効果のある膨軟層の形成にイトミミズが関与する

イトミミズ類が形成する膨軟層(トロトロ層)による抑草効果 - 鳥取県の研究報告を読んだ。タイトルの通りで、稲作でイトミミズが形成するトロトロ層(実際は膨軟層と呼ぶらしい)によりコナギ等の難防除の雑草の抑草効果があるらしい。報告では早期湛水であったけれども、毎年観測している物理性の改善 + レンゲ米 + 中干し無しの田でも同様の現象が見られているので、同じような現象であると見ていい。※イトミミズの写真はなし報告中では慣行の三ヶ月前に田に入水で中干しの期間まで水を張る...

 

田の酸化還元電位の続き

田の酸化還元電位の記事で酸化還元電位の視点から田の物質の変化を見てきた。前回の内容で重要なのが、鉄(Ⅲ)は硫酸根よりも還元されやすいので、鉄(Ⅲ)がある時は鉄(Ⅲ)から還元されるで、硫酸根よりも還元されやすいものが常にあれば、田の潅水時に硫化水素は発生しないことになる。時々見聞きする話で、田の土の物理性が改善されていれば厄介なガスは発生しないという話題があるが、酸化還元電位の切り口で見てみることにする。土の物理性の改善で電子受容体になりそうなものを挙げてみると、腐植酸...

 

田の酸化還元電位

BB肥料を使う時は被覆材に気をつけた方が良いの記事で硫黄コーティングで被覆している肥料の殻が土壌微生物の作用によって硫酸イオンとして溶脱するという内容に触れ、これが稲作においてガス発生要因になる可能性があるという内容を記載したので、そろそろ水田における酸化還元電位(Eh)について触れる必要があるかなと。酸化還元電位自体については最近の肥料でよく見かける酸化還元電位の記事で触れたので概要だけ。電子を放出しやすい物質(電子供与体)と電子を放出し難い(受け取りやすい:電子受容体)があった場...

 

BB肥料を使う時は被覆材に気をつけた方が良い

ネギ作の間の稲作では老朽化水田化に気をつけろの記事に引き続き、ネギの連作に関する話題を続ける。ネギに限らず特定の作物を連作すると、連作障害というものを受ける。連作障害の最大の要因は特定の養分(カルシウムやリン酸等)が蓄積していくことで、それらの要素を意識的に減らして、作物の収穫時の畑からの持ち出し時に合わせて持ち出せばいい。連作に限らずで畑作で不調になる要因として土壌鉱物の劣化がある。土壌分析でリン酸の数値が高い結果が返ってきたら次作は気を引き締めた方が良いカルシ...

 

ネギ作の間に稲作でネギの秀品率を上げるつもりが…

ネギの周年栽培をされている地域で、ネギの生育が不調になったら、時々、稲作をして再びネギの栽培に戻るということをしている。栽培が不要になる原因はほぼすべてが一部の養分(リンや石灰)が溜まり過ぎで、それらを潅水して溶かして流すという効果を狙っている。土壌分析でリン酸の数値が高い結果が返ってきたら次作は気を引き締めた方が良いカルシウム過剰によるカルシウム欠乏ただ、近年はネギ作の間に稲作を入れても、狙ったような効果は得られず、ネギ作の不調が続いているそうだ。溜...

 

稲作の大規模化に向けた土壌の物理性の向上の技法の確立は急務の続き

今年も観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうです2022の記事で触れた通り、観測している田で今年も米を無事収穫できたので、改めて、稲作の大規模化に向けた土壌の物理性の向上の技法の確立は急務の記事で課題として挙げた稲作の大規模化の技術開発について触れていきたい。稲作の大規模化は一見すると米の利益率の改善に有効な手段に見えるけれども、土の管理がずさんになり、大雨一回で壊滅的な状況に追い込まれるリスクが増大する恐れがある。※稲作を辞める大きな要因の一つに田に土砂が...

 

稲作のごま葉枯病は土壌劣化に因るものだと考えるとしっくりくる

とある地域にて、稲作でごま葉枯病が蔓延していて困っているという相談を受けた。ごま葉枯病というのは、※写真 水稲病害判定シート|滋賀県ホームページより引用葉の表面にゴマ粒みたいな模様が付いた症状で、収量に大きな影響を与える。ごま葉枯病はCochliobolus miyabeanusと呼ばれる糸状菌に感染することで発症する。Cochliobolus miyabeanus (日本産糸状菌類図鑑) - 農研機構土壌中の糸状菌が植物に対して病原菌となるか共生菌となるか?...

 

栽培でいう国内資源の活用とは何を指す?

最近、ちらほらと見かけるようになった国内の資源を有効活用した有機栽培の面積を増やすという意見がある。これは経済の専門家辺りが言っているようなイメージがあるけれども、国内資源というのは何を指しているだろうか?といつも思う。この手の話題が挙がる時、工業的な過程で製造された人工肥料の代替を指すことが多い。尿素の代替として鶏糞を使用する際の注意点代替で真っ先に浮かぶのが、米ぬか、油かす、ふすま、魚粉や貝殻石灰辺りの食品残渣だろうか?まさか家畜糞ではない...

 

土壌の物理性の向上に合わせた減肥は難しい

物理性を高めた田のイネが先日の大型の台風で倒伏した。暴風でイネが倒伏する要因を挙げると施肥設計で肥料が多く穂重になったと考えられているが、この田は周辺の田や昨年よりも減肥(2割減)した上、追肥もしていないところなので、意図的に与えた肥料分は少ない状態になっている。今年は稲作で追肥をしている方をよく見かける土壌の物理性を高めることで地力が増しているか?肥効が良くなっているのか?おそらく両方だろうけれども、来年は更なる減肥が必要だという結論に至った。興味深いこ...

 

対流圏と成層圏

今回の記事では前回の隕石由来のエアロゾルの記事に記載した内容を深く理解するために気象の用語に触れていくが、あくまでも自身の理解の為なのであまり参考にしないように。前回の記事では成層圏で隕石由来のエアロゾルが出来て、それが対流圏に流れてきているという内容を記載した。エアロゾルは雲のタネのようなもので、鉄やマグネシウムを含んでいる可能性があるわけで、栽培に直結する可能性も高い。だから、用語を一つずつ整理しながら理解を深める必要がある。というわけで対流圏について触れてみる。...

 

今年は稲作で追肥をしている方をよく見かけるの続き

今年は稲作で追肥をしている方をよく見かけるの記事で、タイトルの通り、一発肥料 + 追肥(穂肥)をしている方をよく見かけるという内容を記載した。先日、比較的若手の稲作をされている方が、家業の稲作を継いでからはじめて追肥(穂肥)を行ったという話を聞いた。10年以上も稲作を行っていてはじめての追肥。それだけ一発肥料の設計が秀逸であった事がわかるのだけれども、その一発肥料が意図通りの肥効を示さず、追肥を行う状況になってしまった事は深刻視すべきだと思った。一発肥料は穂肥も加味した設計に...

 

今年は稲作で追肥をしている方をよく見かける

近所の田付近を歩いていると、今年は追肥をしている方がよく目に付く。この地域では、大体の田で同じ一発肥料を同じように施肥していて、施肥設計で工夫されている方はほぼいないらしい。稲作でよく見かける一発肥料についてそれにも関わらず、追肥をしている方が多いのを見ると、一発肥料の設計が通用しなくなっているという不安が生じてくる。通用しなくなっているのは年々劣化が進む土壌に因るものか?それとも猛暑日が増えてしまったことに因るものか?ここで興味深い事として、いつ...

 

昨今の肥料不足に関して改善する余地は大きい

昨今の社会情勢から深刻な肥料と飼料不足が深刻化し、来年は作物や畜産物の購入が困難になるという話題をちらほらと見かける。カリ肥料の代替を探すこれに合わせて、減肥や有機質肥料への移行推進の話題も頻繁に挙がってきた。稲作のポテンシャルと飼料米上記の内容を踏まえて、今後の日本の農業は深刻であるのか?を考えて諸々を整理すると、改善の余地が大量にあることに気が付く。というわけで今回は改善の余地を挙げてみることにする。一番最初に挙げるべきことは、土の劣化に対...

 

有機質肥料と飼料は似ている

昨今の社会情勢からか、肥料と飼料の高騰の話題を頻繁に見かけるようになった。飼料不足の方が肥料の方に影響を与える可能性が多いので、飼料についての理解を深めておく必要があると感じた。なぜそう感じるか?というと、栽培と畜産の間にある糞詰り問題の記事に記載したような内容に触れていた頃、同級生の養鶏を営む方から飼料を見せてもらい、飼料と有機質肥料がとてもよく似ていることを知った。※油かす等似ているが故に良質な肥料や飼料の製造方法は似ているし、課題も似ている。...

 

飼料米の品種選定は何を意識する?

ゴールデンライスにはどんな遺伝子を導入したのだろう?までの記事で飼料米についてを見てきた。飼料米についてを調べていて、気になってきたのが米の品種で、負担食べている品種は確か食味の向上の為に低タンパク、高デンプンの品種を用いていたはず。この特徴により、収量が減っているかもしれず、畜産で用いるには贅沢過ぎるような気がしている。というわけで、早速飼料米の品種について検索をしてみたら、農林水産省のサイトの多収品種に取り組むに当たって-多収品種の栽培マニュアル-:農林水産省にたどり着いた。...

 

カリ肥料の代替を探す

社会情勢により肥料不足が深刻化しているという報道を頻繁に見かけるようになった。先日の報道で、カリ肥料の入手が困難になり、カリを多く必要とするダイコンやニンジンといった根菜類を主に栽培している方への影響が大きいという内容があった。※カリ=カリウム(K) 根肥として扱われるその時に挙がっていた肥料というのが、塩化カリだった。塩化カリといえば、強酸と強塩基で構成された塩で、比較的速効性で施肥後に土壌のpHに影響を与えないカリ肥料として重宝されているが、陰イオンの方の...

 

養液栽培の養液の交換回数を減らすことは可能か?の続き

今回は養液栽培の養液の交換回数を減らすことは可能か?の記事の続き。昨今の社会情勢により肥料が手に入らなくなり、水耕栽培で養液を交換できずに収穫できなくなっているという話題を投稿した。収穫できなくなった最大の要因は養液中に根腐れを誘発する菌や細菌が増殖したと考えられている。前回の記事では、古くなった養液では溶存酸素の不足を挙げたが、今回は作物の根から分泌されるものを見てみる。根の分泌物といえば、植物の根と枯草菌のバイオフィルムの記事で見た図で、図:植物の生育...

 

養液栽培の養液の交換回数を減らすことは可能か?

養液栽培(水耕栽培)をしている方から、養液を交換せずに栽培を続ける方法はないか?と相談を受けた。この相談の背景には昨今の肥料不足で交換用の養液が入手できず、新しい養液を入れ替える事ができないそうだ。結果として、根腐れが発生してまともなものが収穫できない状態になっている。水耕栽培は土耕と比較して、海外依存率が非常に高い栽培であったため、いずれはこうなるだろうと予想はしていたけれども、こんなにも早く訪れるのは意外だった。変化というものは突然訪れるようだ。栽培と畜産の未来のため...

 

生分解性プラスチックのポリ乳酸の処分法を調べてみた

※上の写真のマルチはおそらくビニールマルチだけれども、ポリ乳酸のマルチだと過程して見てほしい。生分解性プラスチックのポリ乳酸とは何か?の記事で生分解性マルチの一種であるポリ乳酸についてを見たけれども、上の写真のように土と接して分解が開始されないのだろうか?と疑問が生じたので、ポリ乳酸の処分こと堆肥内での発酵について調べてみることにした。早速検索してみたところ、ユニチカ株式会社 望月政嗣著 ポリ乳酸繊維の特徴と応用 -植物から生まれた環境調和型次世代合成繊維- 繊消誌 Vol.47...

 

土壌分析でリン酸の数値が高い結果が返ってきたら次作は気を引き締めた方が良い

先日人前で栽培におけるリン酸過剰問題の話をした。土壌分析の結果でリン酸の値が少しでも既定値よりも大きかった場合は糸状菌由来の病気の発生に気を付けろ。農薬の使用量が増えることは確定だと捉えておいた方が良い。という内容を強調した。何故このような話をしたのか?といえば、昨年に知り合った生態学者の言葉がある。作物に寄生して養分を取る糸状菌がいたとする。この糸状菌は土壌中に豊富に吸収しやすいリン酸があれば、自身のみで積極的にリン酸を吸収して増殖して作物に感染を始める。 ...

 

ホウレンソウの良さは石灰のさじ加減

前回のホウレンソウの根元の赤色は何だ?の記事でホウレンソウの根元の赤色の箇所にはマンガンが豊富に含まれているという内容を見かけた事を記載した。ここで一つ疑問が生じる。土壌中のマンガンはpHが酸性に傾けば肥効を示す要素であるが、ホウレンソウは酸性土壌を好まないという話がある。ホウレンソウの栽培時に石灰でpHの調整を行うのはよく聞く話ではあるが、石灰を効かせ過ぎるとホウレンソウの品質の低下に繋がるのではないかと。石灰だからといってpHを調整できるわけではない石灰過剰の土壌で鉄...

 

OpenStreetMap API版Soil & Geoロガー

以前、Soil & Geoロガーで現在地の土質と地質を調べようの記事で、スマホでボタンを押したら、土質と地質を調べる為の緯度経度を自動で取得する機能を設けた。Google Maps APIのジオコーディングのコードをOpenStreetMapのNominatimで書き換えてみたの記事でも紹介したOpenStreetMap APIを使う事が多く慣れてきたので、Soil & Geoロガーの改修を行ってみた。今回の改修は下記の通りOpenStreet...

 

泥炭土の地域のハウス栽培は難易度が高い

知人とのやり取りでふと考えさせられる案件があった。とある地域のハウス栽培で緑肥をかました後に作物を定植したら、葉が黄化したというもの。緑肥を鋤き込んだ後、すぐに定植して窒素飢餓になったのか?といえばそうではない。緑肥の後に緑肥の効果に甘えて施肥設計を控えめにしたのか?といえばそうではない。だから頭を悩ませていた。これに対して、一つ頭に浮かんだ。話題の箇所は泥炭土でハウス栽培をしていたなと。そして、緑肥の肥料として鶏糞を使っていたなと。葉の黄化は...

 

作物の花弁の脱色が金属要素の欠乏のサインになるかもしれない

農道を歩いていた時に目についた作物がある。おそらくナバナだろうけれども、気になった箇所というのが、花弁の一部が脱色していたことだ。花弁の黄色い色素といえば、フラボノイドかカロテノイドで、どちらの色素にも言えることだけれども、色素を合成する為には金属酵素が重要となる。花の色を決める4大色素リグニン合成と関与する多くの金属たちカリウム、銅や亜鉛が欠乏しているのでは?と予想をしていて、このまま放っておくと、作物はまともに育たないのに農薬の使用...

 

割れたドングリを栽培用の土の再生に活用できないか?

割れたシラカシのドングリを見かける。割れたことでタネとしての機能はもうなく、個体として死の状態であるが、少し前までタネであった事に変わりはなく、発芽するための栄養が豊富に含まれている。例えば亜鉛とか。割れたドングリを集めれば、栽培で酷使した土の再生に繋がるのではないか?と常々思っていて、それを試す為に割れたドングリを集めて、栽培で固くなった土に入れてみることにした。秀品率向上の新たな課題は亜鉛をどう加えるか?とその前に、ドングリの栄養価を調べてみる。どんぐ...

 

菌耕再び

今回は生ゴミを埋めた後に素焼き鉢で覆うの記事の続き。前回の記事でカビは酸素は欲しいけれども紫外線に弱いと記載したが、この内容には続きがある。※落葉の裏にあった菌糸っぽいもの。蜘蛛の糸ではないと信じたい菌を研究している方からカビこと糸状菌は、糸状に広がっている菌糸の先端のみ有機物を分解する分解能があり、それ以外は先端に水や空気を送る通気口のようなものだと聞いた。この話を聞いて今までモヤっとしていたものが一気に晴れたように感じた。世界で最も大きな生物個体は...

 

環境保全型栽培を謳うならば、家畜糞による土作りを止めることから始めるべきだ

前回のアブラムシが排出する甘露にネオニコチノイドの記事で、アブラムシの尻から排出される甘露にネオニコチノイドが含まれていたという内容を記載した。アブラムシと聞いて真先に頭に浮かぶ事として、草生栽培は課題を明確化するかもしれないの記事で記載した牛糞を入れ過ぎたであろう箇所にアブラムシが集まるということ。上記の記事ではあくまでヒアリング程度の確認だけれども、実は同様の内容を師のハウス栽培で実際に見たことがある。トリコデルマと聞いて思い出す師の言葉牛糞で土作...

 

アブラムシが排出する甘露にネオニコチノイド

誠文堂新光社が出版している子供の科学という雑誌を定期購読している。子供の科学のWEBサイト「コカネット」│コカネットのページを開くとすぐに目に付くのが、プログラミングのコンテンツに注力を注いでいることで、プログラミング教育の何らかのヒントを求めて読んでいる。プログラミング教育で注目すべきはARM + Debian + Pythonであるはずだ子供の科学はプログラミングに関する事だけではなく、最近の科学的なトピックも掲載していて、普段読まないようなジャンルもあるので読んでみたら、2...

 

リン酸肥料を求めて海へ向かうその前に

昨今の社会情勢から日本の食糧事情が如何に脆弱かを痛感するの記事で、最近の社会情勢から肥料の三大要素であるカリの供給状況が危ういという内容を記載した。ただし、火山の国且つ島国である日本では山と水の資源をうまく活用すれば、鉱物系の要素の供給はなんとかなるのでは?という内容も合わせて記載した。次に気にすべき内容はリン酸だろう。ただ、リン酸は土壌中に埋蔵している有機態リン酸量が不明で、作物のリン酸の吸収効率を高めれば、実は必須ではないのでは?と考えられている要素であるため、もしかしたら気...

 

昨今の社会情勢から日本の食糧事情が如何に脆弱かを痛感する

SNSを眺めていたら、農学博士の方が昨今の社会情勢により塩化カリの入手が困難になるかもしれないと投稿していた。尿素と塩化カリウムの肥料のとしての使いどころ農林水産省の平成21年の発表によると、/**************************************************/塩化加里はカナダ、ロシア、ベラルーシ等の4か国で世界の7割以上を産出/**************************************************/肥料...

 

最近の肥料でよく見かける酸化還元電位

前回のボルタ電池の記事でボルタ電池について触れた。ボルタ電池について、Wikipediaの記述を読むと、/*****************************************************/正極に銅板を、負極には亜鉛板を用いる。電解液には硫酸を用いる。負極の亜鉛は、硫酸に含まれる水素イオンより金属のイオン化傾向が大きいため電子を失って2価の陽イオンとなる (Zn2+)。電子は導線を伝わって銅板に流れ、水素イオン (2H+) と反応して水素 (H2) となって放...

 

今年最大の出来事は物理性の改善 + レンゲ + 中干しなしの稲作によるインパクトを感じたこと

植物系の方の今年一年の振り返りをしてみたい。今年最大のトピックといえばなんと言っても、大阪府高槻市の清水っ粉の製造と普及に取り組んでいる方が私の仮説を信じて行った物理性の改善 + レンゲ + 中干しなしの稲作のインパクトだった。中干しをしないことが稲作の利益率を高める確信を得た用水路が整備された田で中干しを行うことが慣習であった稲作において、昨年の栽培で中干しは不要だと当たりを付けての挑戦は予想を遥かに超える成果へと繋がった。中干しを行わないという選択...

 

栽培し終わったしいたけ栽培キットの培地を割ってみた

これは家でシイタケを育てられるキットのシイタケが出終わった?もの。一般の方へ | きのこの種から食品まで商品の企画・開発・販売 | 森産業株式会社シイタケ栽培をしていた時は、シイタケがたくさん生えてきた。どれ程シイタケが生えたら終了かわからないが、寒い時期になったあたりでシイタケが出なくなった。シイタケが生えてこなくなったので、培地を庭の生ゴミを埋めているところに埋める事にした。培地を割ってみた。表面は褐色になっていたが、...

 

尿素の代替として鶏糞を使用する際の注意点

尿素水不足のニュースから稲作への影響を考えるの記事で記載した内容が現実味を帯びてきて、鶏糞の注目度が高まっているそうだ。鶏糞には窒素系の成分が豊富に含まれているので、尿素の代替になるかもしれないと。この流れに対して、懸念していることが二点程ある。石灰過剰とリン酸過剰だ。鶏糞には鶏の餌由来の炭酸石灰、リン酸石灰と穀物内で消化が難しい有機態リン酸が無視できない程の量が含まれている。もう、鶏糞で土作りなんて止めようよ尿素の代替として鶏糞を利用...

 

今年もひこばえをちらほらと見かける

ひこばえを見かけた。ひこばえは米の収穫後に田を耕さずに株を放置したことと、栽培中の肥料分の残りによって再生した株が再び実を付ける現象で、農村では重大な問題の一つになっている。ひこばえが獣を引き寄せる今年、ひこばえを見て思ったことがある。ひこばえ形成に使われる肥料をレンゲ等の緑肥の生育に利用できれば良いのになと。物理性の向上を徹底的に行った田では、一雨から得られる安心感が圧倒的に違う米の収穫後に耕起するのは大変なので放置するという流れになるだろうけれども、中干しをし...

 

尿素水不足のニュースから稲作への影響を考える

NHKのニュースを見ると、時々尿素水の話題が挙がる。日本ではないが、尿素水の入手が困難になり、産業に影響を与えているとか。韓国で排ガスの浄化に必要な尿素水が不足 物流への影響懸念 | 環境 | NHKニュースこの影響は近いうちに日本にも影響を与えるかもしれない。この情勢を見て、懸念すべき内容がある。もし何らかの理由により肥料で尿素が使えなくなったらどうなるのだろうか?と尿素と聞いて連想するのが、稲作等で利用する一発肥料に含まれている被覆尿素があ...

 

中干し無しの稲作をするに当たって、レンゲの播種が間に合わなかった時にすべきこと

稲作をされている方に中干しをしないことが稲作の利益率を高める確信を得たの記事内容にある物理性の改善 + 中干しなしの栽培で見られた現象と考察を伝えたところ、詳細を知りたいとのことで検討会の資料を渡した。当ブログに記載されている事がすべてなので、資料ではなくこの記事から過去記事にさかのぼってもらえば良いのだけれども、まぁ、良しとする。資料を踏まえた上で一つ挙がった意見に、今から(時期的な話)ではレンゲの播種は間に合わないので物理性の改善はできないというものだった。レンゲは安価に土の...

 

稲作で使い捨てカイロ由来の鉄剤の肥料があれば良い

中干し無しの稲作でリン酸第二鉄を組み込むべきか?の記事にちょっと関連すること。ジャンボタニシの防除として散布するリン酸第二鉄の残りは土壌の微生物の作用によって消費される。その際に鉄が土壌に還元されるわけだけれども、それに関連して頭に浮かんだことがある。東南アジアの稲作事情を聞いたの記事で触れたけれども、田に水を張りっぱなしにすると、二酸化炭素よりも強烈な温室効果ガスであるメタンと一酸化二窒素が生成される。強力な温室効果ガスの一酸化二窒素他に懸念される事として、...

 

中干し無しの稲作でリン酸第二鉄を組み込むべきか?

中干しをしないことが稲作の利益率を高める確信を得たの記事で乾田での稲作では土壌の物理性を高めた上で中干しをしないことが環境負荷が少なくしつつ利益率を高める上で有効であるとアタリを付けている。中干しをしない事での課題の一つに収穫前の肥料の効きが強くなってしまう状態になり、田植え前の減肥が重要になる。中干しをしないことで、田の窒素固定能が高まりつつ、入水に因り金属系の養分は確保できるが、相対的にリン酸の量が減ってしまうのでは?という懸念がある。※リン酸も入水により得られるが、他の金属...

 

落葉樹の葉は晩秋にタンニンを溜め込み、土へと旅立つ

ほぼ毎日歩いている道の横にブナ科のアベマキの木があって、落葉前の様子に目がいった。落葉前の様子を丁寧に見るのははじめてかもしれない。この葉を見ると、どうやら葉は緑から黄色を経て、徐々に茶褐色になっていくようだ。色素を整理すると、緑は葉緑素で、黄色はカロテノイドで、茶褐色はタンニンだろう。葉緑素の分解産物が根の抵抗性を高めるらしいカロテノイドの生合成苦味や渋みのタンニン11月に入り、気候が徐々に寒くなっていく中で葉緑素はオートファジーによ...

 

厳しい冬に向けて作物の耐寒性を高めておきたい

前回の寒さが厳しい冬になると予想されている中で出来ることの記事で、温暖化とラニーニャ現象の合わせ技で、今年から来年の春にかけての冬の寒さが厳しくなるという話題に対して、地温の視点からの対策を考えてみた。今回は作物側の耐寒性の視点で考えてみる。耐寒性で有名なのは、葉物野菜は寒さに触れて甘くなるの記事で記載したような葉の細胞に糖やアミノ酸を溜め込み、細胞内の水の融点を下げることで凍結を回避する方法だけれども、これまた融点が低い不飽和脂肪酸の含有量を下げるという内容も時々見かける。...

 

寒さが厳しい冬になると予想されている中で出来ること

昨日のニュースで、南米付近の海域の海水温が平年よりも低いラニーニャ現象が観測され、今年から来年の春までの日本は積雪が多く寒くなるという予想が発表されていた。地球が温暖化すると、日本では夏の猛暑日が増え、台風も増えると言われているが、合わせて冬の冷え込みが厳しくなるという話題も頻繁に見かける。温暖化したら暖冬になるのでは?と思いたくなるけれども、気候の変動が極端になるため、冬の寒さは更に増すという考えになるらしい。南米の海域の海水温が冷えると、西側にあるインドネシア辺り...

 

コオロギの餌は何だ?

コオロギを飼育する場合、餌は何だろう?ということでネットサーフィンしていろんな方の飼育の投稿を読んでみた。野菜くず + タンパク質が豊富なもの( + 貝殻)を与えていることが多く、タンパク質が豊富なものとしてキャットフードを調達している人も見かける。ここで面白かったのが、タンパク源、栽培でいうところの窒素源として、ナタネ油かすに含まれる脂肪酸は何か?植物性であれば油かすや、有機質肥料としての米ぬか米ぬか、野菜の美味しさとは何だろう?...

 

秋の七草と十五夜

秋の七草に話を戻す。秋の七草としてのクズはどんな草?今年の記事で触れてきた秋の七草は、ハギ、フジバカマ、オミナエシ、カワラナデシコとクズで、残りはススキとキキョウがある。ススキといえば、理科の教科書で草原から林に遷移する際の草原と林のちょうど間にあって、ススキの次から成長の早い陽樹が生え始める。落葉高木の下のドングリたちススキの名所の曽爾高原ススキの景観で有名な奈良県の曽爾高原は、定期的に火入れを行い、ススキの草原から林にならないように維持している。 ...


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