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カテゴリー : 堆肥・肥料/page-1

 

魚粉肥料を施肥すると作物の食味が向上するのは何故だろう?

ヒトはタウリンを生合成できるのか?までの記事で、(脱線はしたが)魚粉肥料についてを見てきた。有機態窒素多めでリン酸も多く使い勝手の良い有機質肥料と思いきや、石灰(カルシウム)の量が不明確で地雷も多い有機質肥料であることがわかった。施設栽培で軽微な鉄欠乏の症状を見逃すな果菜の施設栽培で食味の向上として魚粉肥料を用いられることが多いが、細心の注意を払って施肥設計を行わな

 

硫酸リグニンは施設栽培の慢性的な鉄欠乏を解決できるか?

土壌中でタウリンを資化する微生物は存在するか?までの記事でタウリンについてを調べていたのだけれども、その時に興味深い研究報告を見かけた。それは〔2023年8月24日リリース〕樹木の主要成分であるリグニンから植物の成長促進剤の開発に成功~鉄欠乏土壌を救う環境に優しい金属キレート剤~ | 2023年度 プレスリリース一覧 | プレスリリース | 広報・社会連携 | 大学案内 | 国立大学法人 東京

 

魚粉肥料についてを細かく見てみる4

魚粉肥料についてを細かく見てみる3までの記事でカツオを原料とした魚粉肥料についてを見てきた。水産加工品の残渣を肥料にする限り、石灰問題の回避は難しいというのが前回までの感想。魚油加工用のイワシ由来のフィッシュミールは油分のみ抽出なので、石灰の含有量は多くないかもしれないが、濃度圧縮して骨由来の石灰の影響が大きくなっていることは間違いない。フィッシュミールとは? | 石巻魚糧

 

魚粉肥料についてを細かく見てみる3

魚粉肥料についてを細かく見てみる2の記事でイワシを乾燥して粉砕した魚粉肥料について見た。その際にイワシの栄養価も合わせてみて、魚粉肥料の肥効に関する内容も触れた。イワシを乾燥して粉砕した魚粉肥料はN:P:KのN(窒素)に当たる有機態窒素の含有量が圧倒的に多い肥料であった。上記内容を踏まえた上で、現在一般的に売られている魚粉肥料について見てみる。魚粉肥料のN:P:Kは窒素 7 〜

 

魚粉肥料についてを細かく見てみる2

魚粉肥料についてを細かく見てみるの記事で魚粉(魚粕)肥料の定義に触れた。定義を見る限りでも、赤身魚系(ブラウンミール)と白身魚系(ホワイトミール)に分けられたり、加工方法に違いがあったりすることがわかった。上記のような違いがあれば、当然養分の構成にも違いが出てくるのは当然なので、魚粉肥料について深堀してみる。最初に農水省のサイトで見つけた魚粉肥料についての資料を

 

魚粉肥料についてを細かく見てみる

塩化カリを施肥する上で金属の腐食を意識すべきか?までの記事で有機質の肥料や補填系の天然素材の肥料を見てみた。この話の発端は、大規模栽培をしている某生産法人の話題になり、そこが有機質の肥料を主に栽培をしているのだけれども、有機質の肥料といった不安定な肥効を示すもので計画的な栽培は可能なのか?という話題に落ち着いた。先に結論を書いておくと、話題に挙がった某生産法人の地域には、至るところで緑

 

海水由来の塩化カリ

硝石の製造方法についての記事で硝石こと硝酸カリ(KNO3)は熟成した家畜糞と草木灰を混ぜて加熱した後に得られた絞り汁に含まれていることがわかった。黒色火薬として用いるのであれば、この方法は適していたかもしれないが、農業利用といった大量消費の際にはこの方法は手間過ぎるので現実的ではない。硝酸カリの工業的な精製方法はあるかもしれないが、その話は触れずに今回はもう一つのカリ肥料である塩化カリ

 

硝石の製造方法について

NHKのブラタモリという番組で白川郷の話題があって、便所の横で硝石を製造していたという内容が放送された。「白川郷〜白川郷はなぜ美しい?〜」 - ブラタモリ - NHK硝石というのは黒色火薬の材料の一つになる。余談になるが講談社から発売されているもやしもんという漫画で大学の先生が学生の大便から大砲作ろうぜという話題があることで、大便から硝石が出来ることを知った人も多いはず。

 

有機質肥料メインの栽培でカリの施肥の難しさ

山形の北部の盆地の更に北で緑泥石と出会ったの記事で山形に行った際、カリの施肥はどのようにすれば良いか?という話題になった。なぜ、上記のような話題になったのか?といえば、山形県全体で地質的に慢性的なカリ不足に陥る可能性が高く、それをどうにか回避したいというのが発端だ。すぐに挙がったカリ肥料の候補としては、By Luis Miguel Bugallo Sánche

 

植物は地力窒素をどのように活用するか?

タンニンのタンパク質凝集モデルは地力窒素の理解に繋がるか?の記事で、地力窒素とは、タンニンのタンパク分解酵素を抑制しつつタンパクを凝集させる作用に拠るものなのか?という内容を記載した。上記の話題が正しいとして、次に気になるのはタンニンによって凝集したタンパクの肥効についてだ。肥効の順番はタンパクの分散 → タンパクを切断 → ペプチド → アミノ酸 &ra

 

窒素肥料の複雑さの続き

窒素肥料の複雑さの続き。今回は前回触れなかった核酸について触れる。パブリック・ドメイン, Linkイノシン酸  Wikipedia核酸には色々とあるが、発根促進の効果があるとされるイノシンの前段階のイノシン酸から見ていく。人にとっての旨味成分が植物の発根を促進するか?イノシン酸の左にあるリン酸基(H2PO4-)が外れると、By Calv

 

窒素肥料の複雑さ

今回は稲作の地力窒素を考えるの記事で触れた各種窒素肥料のうち、一般的に言われている肥効と異なる作用を示すものについて触れてみる。上記の記事で窒素肥料を○無機態窒素・硝酸態窒素(硝安、硝酸カリや硝酸石灰等)・アンモニア態窒素(硫安、硝安や尿素等)※名称に安(アンモニア)が付くものがアンモニア態窒素なので、硝安(硝酸アンモニウム)はどちらにも分類される○有機態窒素・アミ

 

稲作の地力窒素を考えるの続き

今回は稲作の地力窒素を考えるの続き。前回の記事で窒素肥料についてを分類して、有機態の窒素のタンパクが地力窒素に該当するのでは?と記載したが、タンパクの分解の早さを考えると難しいという内容を記載した。稲作には乾土効果という地力窒素の肥効を前倒しする手法があり、そこから地力窒素は土壌粒子に吸着している有機物であることが予想出来る。であれば、地力窒素の形状はある程度絞られることに

 

稲作の地力窒素を考える

米の粒を大きくしたいという相談があったの続きまでの記事で、稲作と米の加工を行っている方から米の粒を大きくするにはどうすれば良いのか?について整理してきた。これに対して、実の形成時の養分転流を意識することが大切だと触れ、植物ホルモンの観点から養分転流が最大になるようにすることを考えた。養分転流を最大にする件に関する一点目は、初期生育時の発根を活発にする事で、栽培後期の養分転流を活

 

栽培者の求める最高の肥料は地下深くで形成される

青い石を理解するために鉱物の緑泥石化作用を見るの記事で栽培者にとって重要な青い石のうち、青い要素である緑泥石化について見た。長野の栄村小滝集落の米づくり玄武岩に含まれる黒雲母が熱水という弱い変成作用によって、枕状溶岩の空隙にはゼオライトが充填されている緑泥石となり、岩全体が緑色になることがわかった。緑泥石を中心にしてただ、これでは冒頭で触

 

青い石を理解するために鉱物の緑泥石化作用を見る

地球の窓は栽培者にとっての栽培の教材でもあるの記事で、埼玉県の長瀞という地域は地下深いところでつくられた岩が地表で見ることが出来、地球の窓と呼ばれているそうで、日本の地質学発祥の地でもある。青い石が出る園地は良いミカンが出来るという言い伝えここで見られる岩は栽培者にとって重要な青い石であって、地球の窓は地質学だけでなく、栽培にとっても教材と成り得る可能性があると考えるこ

 

今年の稲作でも一発肥料が意図通りに効いていない

昨日、隣の市で最高気温の39.8℃を観測したそうだ。この猛暑は植物の葉温にも多大な影響を与えているのだろうなと。こんな猛暑日だからこそ、日々の日課である中干し無しの田の様子を見に行った。中干し無しの田でジャンボタニシが減った気がする上の写真は中干し無しで栽培をしているところ。俯瞰になるが、葉の色が全体的に薄緑であった。一方、隣の慣行的な栽培をして

 

稲作でカドミウムの吸収を抑制する栽培方法

カドミウム除去という観点の緑肥の記事から引き続き、カドミウム関連の話題を記載する。文中で記載した長谷川功 植物とカドミウムに関する研究の変遷と課題 - 肥料科学,第42号,35~79(2020)を読み進めていたら、水稲でカドミウムの吸収を抑制する栽培方法についての記載があった。出穂前後3週間にわたり水田を湛水状態に保ち還元状態にすることで、カドミウムを溶解を抑制しイネの根からの

 

イネがカドミウムを吸収したら?

今回は汚泥肥料に含まれる可能性がある有害金属のことの続きタイトルからは汚泥肥料には常に有害金属は含まれているのではないか?と思ってしまうが、分析の話題が挙がっているものなので、実際には有害金属が含まれているものは市場に出回らないとして、仮に有害金属が過剰に含まれていたら?という前提で話を進めている。汚泥肥料で話題に挙がっている有害金属はカドミウムで、公害のイタイイタイ病

 

汚泥肥料に含まれる可能性がある有害金属のこと

先日、菌体リン酸肥料の話題になった。「汚泥資源を利用した肥料成分を保証可能な新たな公定規格案(菌体りん酸肥料)に関する説明会」について:農林水産省菌体リン酸肥料というのは、汚泥資源由来のリン酸肥料であるため、汚泥肥料の特徴を把握しておく必要はあるだろうの記事で触れた汚泥肥料も含まれるだろう。上記の記事で汚泥肥料の生成方法によってはカドミウム(Cd)等の望まない成分が

 

中干し無しの田でジャンボタニシが減った気がする

いつも見ている物理性の改善 + レンゲ + 中干し無しの稲作の田で中干し無しの稲作から米の品質向上のヒントを得た気のせいか?今年はあまりジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)を見かけない。ジャンボタニシのピンクの卵も田んぼを見回しても、ひと塊ぐらいしか見つからない。今年は他の田でも少ないのか?と思い、周辺の田を見回ってみると、ジャンボタニシがうじゃう

 

生ごみを埋めているところで濃い黒い層ができていた

土に生ゴミを埋めるという日課等の記事で触れているが、庭の土で穴を掘って生ごみを入れて埋めている。今の時期であれば大体1週間程で大半の生ごみは消える。土が黒くフカフカになったところ程、生ごみが消えるまでの時間が短くなっている。こんな感じで生ごみを入れて続けているわけなのだけれども、先日、新たな生ごみを埋める為に穴を掘ってみたら、※上の写真は右側が土

 

意外なところからマンガン過剰

栽培中のマンガン欠乏症を見かけたら、興味深い内容の記事を見かけたので紹介する。どうやって見分けるの? 植物の生理障害7 ~生理障害の診断・マンガンによる障害~ 2010. タキイ最前線 夏号で殺菌剤を使用したマンガン過剰になる事があると記載があった。この背景を理解する為に、植物のマンガンの利用について記載したい。マンガンは 2 〜 7 価までの原子価を取り得る。

 

使用前の脱酸素材の鉄粉は肥料として使えるか?

Dr. Stoneという漫画で砂鉄から発電機や刀を作るシーンから我が家では磁鉄鉱が流行っている。脱酸素材の中の鉄脱酸素材から鉄粉を取り出して遊んでる。磁鉄鉱は鉄器造り以外で何に使えるのか?という質問があったので、使い終わった脱酸素剤や使い捨てカイロだったら肥料として使えるはずだと伝えた。稲作で使い捨てカイロ由来の鉄剤の肥料があれば良い使い

 

緑泥石を中心にして

好きな石を一つ挙げる。地質学の専門でもないのに、こんな話題が時々挙がる。その背景には肥料は様々な鉱物を粉砕したり、化学的な処理を加えて製造されることがあるからだ。そんな背景の中、好きな石を一つ挙げるとするならば、粘土鉱物の中に入っている緑の石の緑泥石(クロライド)だろう。緑泥石は2:1:1型粘土鉱物に分類される粘土鉱物で、栽培で使用すると優れた機能を有すると説明

 

リン酸過剰な土壌で腐植酸の施肥は有効か?

土壌分析でリン酸の数値が高い結果が返ってきたら次作は気を引き締めた方が良いの話を伝えた方から、リン酸過剰問題に対して腐植酸の施肥が有効ではないか?と仮設を立て栽培に腐植酸を取り入れてから栽培しやすくなったような気がするという話を聞いた。この話は実際に栽培が楽になっているのか?それとも気の所為であるのか?他の方が懐疑的であったので丁寧に考えていきたい。まずは腐植酸肥料

 

OKINAWA CACAO

国頭マージという土とウマゴヤシまでの記事で沖縄の事についてを触れてきたので、そろそろ沖縄に行った目的を書いていく事にする。今回、沖縄に訪れた理由は、沖縄のヤンバルでカカオの木の栽培に挑戦している方がいて、栽培している畑の土を見に行く事だった。OKINAWA CACAO | Bean to Bar OKINAWA CHOCOLATEカカオの栽培は下記ページ

 

石灰過剰問題に対して海水を活用できるか?

沖縄本島で入手できる有機物を考えるまでの記事で、沖縄本島における土作りについてを考えてみた。土に有機物を定着させる為の粘土鉱物は(可能かどうかの有無は無しにして)北部の地質の玄武岩地帯と南部の土質のジャーガル周辺にあることがわかった。有機物に関してはサトウキビの絞り粕が産業廃棄物としてたくさん出るけれども、成分的には望むものは少ないので、他の有機物を探す必要がある。まぁ、沖縄なので

 

沖縄本島で入手できる有機物を考える

ジャーガルとサトウキビまでの記事で、実現可能の有無はなしにして沖縄本島で有機物と結合する粘土鉱物を得られることはわかった。次に必要となることは粘土鉱物と結合するための有機物の調達だろう。沖縄 + 有機物のワードで真っ先に思いつくのが、Ji-Elle - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, リンクによるバガスではないだろうか。農学の栽培系を学んだ

 

廃菌床とカブトムシと魚の養殖

子供の科学 2023年4月号を読んでいたら、魚の養殖の餌(マイワシの代替)としてカブトムシが検討されているという内容を見かけた。内容の主旨は異なるけれども、高温発酵食がカブトムシの成長の秘訣!?―メス幼虫の大型化に微生物の働きが関与している可能性を確認―|ニュース・イベント情報|国立大学法人 千葉大学|Chiba Universityに詳しい記載がある。ビジネスプランの話題なの

 

ABC粉末消化器の消火原理を把握したい

最近我が家では消防車がブームになっていて、消防車のおもちゃに粉末消火剤が模倣されたオブジェクトが付いていて、火に消火剤の粉を振りかけると何故消えるの?という話題になった。粉というのは、上記の写真のことで、主成分はリン酸第二アンモニウム(NH4H2PO4)のものがある。リン酸第二アンモニウムといえば、廃菌床堆肥の恩恵を得る為に無機リン酸の使用を見直すの記事で私が今

 

昨今の社会問題に対して、大浦牛蒡の持つ可能性に期待する

ゴボウの連作障害の要因は何か?の記事まででキク科のゴボウという作物の可能性を見てきた。ゴボウは感染性の病気や生活習慣病の予防の効果が高い可能性があり、これから増加し続けるであろう社会保険の問題に一矢報いる事ができる可能性があるとふんでいる。そんなゴボウだけれども、栽培の師がゴボウの栽培を得意としていて、師のゴボウは人気が高かった。師の畑は作土層が浅かったにも関わらず&hel

 

今年はリン酸施肥について考えた一年であった

生物系の今年一年の振り返りをしてみる。今年で一番大きな事といえば、秀品率が高い畑の土のリン酸値は低かった等の記事で触れた土壌分析における無機リン酸の量の話だろう。当サイトでは無機リン酸の量に関して話を曖昧にしていたが、この話は技術顧問で関与している株式会社京都農販の事業で得られた知見を元に再検証したものとなっている。※詳しい内容は下記のページに記載あり。

 

米ぬか土壌還元消毒でどれ程の有機態リン酸が投入されるか?

秀品率が高い畑の土のリン酸値は低かったまでの記事でリン酸の蓄積を見てきた。土壌分析では可視化されない有機態リン酸の意識を向ける事ができれば、秀品率は向上するだろうといった内容。この話を背景にして最近話題に挙がった内容を紹介しておく。最近注目されているハウス栽培での米ぬか土壌還元消毒という方法だ。詳しい内容は米ぬかを利用した土壌還元消毒の記事に記載されているが、改めて

 

秀品率が高い畑の土のリン酸値は低かった

廃菌床堆肥の恩恵を得る為に無機リン酸の使用を見直すまでの記事で栽培中のリン酸についての様々なことを見てきた。リン酸肥料は残留性が高く、土壌中に過剰に蓄積している場合は秀品率が低下しつつ、農薬散布のコストが上がり、利益率が下がる恐れがあることを記載した。土壌分析でリン酸の数値が高い結果が返ってきたら次作は気を引き締めた方が良い肥料におけるリン酸は必須要素として扱われているが、残留性の

 

廃菌床堆肥の恩恵を得る為に無機リン酸の使用を見直す

土壌中の有機態リン酸の利用を促したいの記事で、作物による有機態リン酸ことフィチン酸の利用について見てきた。最近一番注視しているのが土壌中に残留したフィチン酸で、この活用が急務だと捉えている。何故かというと、フィチン酸は強いキレートを持ち、作物の微量要素の吸収を阻害しつつ、既存の土壌分析の方法では測定されず。これらを踏まえて、どうしても活用していきたい資材に廃菌床

 

有機態リン酸の過剰蓄積についてを考える

糸状菌が分泌するシュウ酸の役割の記事までで、土壌に過剰に蓄積したリン酸の問題と利用について触れてきた。土壌に蓄積するリン酸は主にCa型リン酸、Fe型リン酸、Al型リン酸と有機態リン酸の4種と記載して、そのうちAl型リン酸までの3種について触れてきた。これから有機態リン酸について触れていくことにしよう。以下の内容は武田容枝 土壌リンの存在形態と生物循環 - 土と微生物 (

 

ラッカセイの真価を発揮するために石灰施肥に注意する必要がありそうだ

国内でラッカセイの需要はどれ程あるのか?までの記事で、低リン酸耐性作物であるラッカセイについてを見てきた。ラッカセイはpHが低い(5前後)で難溶性のリン酸(Al型リン酸)の吸収が盛んになるという真価を発揮する。ここで一点程気になることがある。一般定説としてラッカセイは実の形成時にカルシウム(石灰)が不足すると空莢が増えて収量が減るという事。収量を減らさない為に苦土石灰を

 

汚泥肥料の特徴を把握しておく必要はあるだろう

前回の消化汚泥から得られる溶解性リン酸態リンの記事で、汚泥からリン酸の回収を見た。今回は汚泥自体を利用する汚泥肥料について見ていくことにする。※写真は現物のものがないので、素材サイトから似たようなものを探してきた汚泥肥料は肥料の原料が高騰している中で注目されている肥料で、安価で入手できて良いものが育つと評判になっている。ただ、この手の内容で不安なこととして、汚泥

 

消化汚泥から得られる溶解性リン酸態リン

前回のリン鉱石は何処にある?の記事で、肥料の原料であるリン鉱石がどのような条件で産出されるのか?を記載した。日本にもリン鉱石を産出する地質の条件はあるだろうけれども、産業レベルでたくさん産出出来る地域というのは限られるらしく、輸出に頼っているという現状がある。更にはリン鉱石は数十年以内に枯渇すると言われている。迫り来るリン資源の危機 - 日経サイエンス上記問題に加えて、日本の栽

 

リン鉱石は何処にある?

稲作のリン酸肥料としてBMようりんについて触れておくの記事までで、リン酸の化成肥料の製造方法について触れてきた。どちらの話題でもリン鉱石(燐灰石)が共通していた。燐灰石といえば、輸入に頼っている資源として有名で、高騰しやすい資源としても有名である。以前、リン鉱石から考える未来のことの記事でリン鉱石は生物の骨等の生物由来のリン酸が石灰岩に含まれることによって形成された鉱物

 

稲作のリン酸肥料としてBMようりんについて触れておく

速効性のリン酸肥料はどんな形?の記事で速効性のリン酸として燐安と過リン酸石灰について触れた。速効性というのは水溶性(W-P2O5と表記する)であって、この用語で速攻で頭に浮かぶのが、稲作で使えるの?ということだろうか。ここで元JAの職員に話題を振ってみると、「稲作のリン酸を含んだ肥料といえばBMようりんあたりかな」なんて返答が返ってくる。そんなわけで、BMようり

 

速効性のリン酸肥料はどんな形?

畑作の輪作の稲作ではリン酸はどのようにして減っていくのか?の記事で、畑作の輪作として水田で稲作をした場合、土壌中のリン酸の量が減ることについて触れた。リン酸の量について気にする理由は、土壌中の無機リン酸の量が多い状態で栽培を開始すると、病気の発症率が高くなる可能性があり、リン酸自体が土壌中の金属と結合して、難溶性になり蓄積しやすいという特徴があることに拠る。リン酸は難溶性になり

 

畑作の輪作の稲作ではリン酸はどのようにして減っていくのか?

最近、栽培のリン酸の話題が増えている。きっかけは土壌分析でリン酸の数値が高い結果が返ってきたら次作は気を引き締めた方が良いの記事周辺の内容になっている。リン酸は肥料学において主要な要素の位置付けになっているので、感と経験で栽培をしている方が収穫できない不安を和らげる為に過剰使用になる傾向がある。一方、リン酸は世界的にみて有限の資源で使用制限のある国もあるらしく、日本の栽培は逆行して

 

田の抑草効果のある膨軟層の形成にイトミミズが関与する

イトミミズ類が形成する膨軟層(トロトロ層)による抑草効果 - 鳥取県の研究報告を読んだ。タイトルの通りで、稲作でイトミミズが形成するトロトロ層(実際は膨軟層と呼ぶらしい)によりコナギ等の難防除の雑草の抑草効果があるらしい。報告では早期湛水であったけれども、毎年観測している物理性の改善 + レンゲ米 + 中干し無しの田でも同様の現象が見られているので、同じような現象であると見てい

 

田の酸化還元電位の続き

田の酸化還元電位の記事で酸化還元電位の視点から田の物質の変化を見てきた。前回の内容で重要なのが、鉄(Ⅲ)は硫酸根よりも還元されやすいので、鉄(Ⅲ)がある時は鉄(Ⅲ)から還元されるで、硫酸根よりも還元されやすいものが常にあれば、田の潅水時に硫化水素は発生しないことになる。時々見聞きする話で、田の土の物理性が改善されていれば厄介なガスは発生しないという話題があるが、酸化還元電位の切

 

田の酸化還元電位

BB肥料を使う時は被覆材に気をつけた方が良いの記事で硫黄コーティングで被覆している肥料の殻が土壌微生物の作用によって硫酸イオンとして溶脱するという内容に触れ、これが稲作においてガス発生要因になる可能性があるという内容を記載したので、そろそろ水田における酸化還元電位(Eh)について触れる必要があるかなと。酸化還元電位自体については最近の肥料でよく見かける酸化還元電位の記事で触れたので

 

BB肥料を使う時は被覆材に気をつけた方が良い

ネギ作の間の稲作では老朽化水田化に気をつけろの記事に引き続き、ネギの連作に関する話題を続ける。ネギに限らず特定の作物を連作すると、連作障害というものを受ける。連作障害の最大の要因は特定の養分(カルシウムやリン酸等)が蓄積していくことで、それらの要素を意識的に減らして、作物の収穫時の畑からの持ち出し時に合わせて持ち出せばいい。連作に限らずで畑作で不調になる要因として土壌鉱物の

 

ネギ作の間に稲作でネギの秀品率を上げるつもりが…

ネギの周年栽培をされている地域で、ネギの生育が不調になったら、時々、稲作をして再びネギの栽培に戻るということをしている。栽培が不要になる原因はほぼすべてが一部の養分(リンや石灰)が溜まり過ぎで、それらを潅水して溶かして流すという効果を狙っている。土壌分析でリン酸の数値が高い結果が返ってきたら次作は気を引き締めた方が良いカルシウム過剰によるカルシウム欠乏

 

稲作の大規模化に向けた土壌の物理性の向上の技法の確立は急務の続き

今年も観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうです2022の記事で触れた通り、観測している田で今年も米を無事収穫できたので、改めて、稲作の大規模化に向けた土壌の物理性の向上の技法の確立は急務の記事で課題として挙げた稲作の大規模化の技術開発について触れていきたい。稲作の大規模化は一見すると米の利益率の改善に有効な手段に見えるけれども、土の管理がずさんになり、大雨一回で


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