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京都環境フェスティバル2020「冬でも楽しめる自然探究」のワークショップで話をしました。

カテゴリー : 堆肥・肥料/

電子書籍の販売をはじめました
 

耕起で団粒構造の一部を壊すと言うけれど

トラクターで畑の土を耕すと、たしか団粒構造が20%程壊れるという話題があったはず。化学肥料を使うと土が壊れるということはどういうことかを考える団粒構造が壊れるというのは、腐植層の腐植がなくなることに近いので、土を撹拌するという行為で腐植が消費されるという考え方になるはず。というわけで考えてみた。耕起という行為は複数の刃で土を持ち上げ、それをすぐに落とす操作になる。物理的落下による衝撃で土の塊が割れる。耕起すること、土の中の酸素の濃度が大...

 

化学肥料を使うと土が壊れるということはどういうことかを考える

前回の穴を掘ると黒い層が厚くなっていたの記事で、生ゴミを入れ続けたところに明確な層の分かれ目が出来ていた。上の層は有機物がたくさんあり、黒くなっている。この層を見て、ふと思った事が、この後生ゴミを入れなければ、いずれは下の有機物がない層に近づいていくのか?土壌粒子と繋がった腐植酸のような物質が外れる事を考えてみよう。By NEUROtiker (talk) - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link腐植の方は上のような構造の物質が...

 

除菌剤・消臭剤入りベントナイトを土壌改良材として使用して良いか?

急遽ベントナイトが必要になった方から、すぐに手に入るベントナイトには除菌剤と消臭剤が入っているから、土と混ぜても大丈夫か?という質問があった。除菌剤・消臭剤入りのベントナイトは猫の砂として利用されているので、気にする必要はないと思うが、一応調べておく。件のベントナイトには詳しい成分が記載されていなかったので、一般的に利用されているものを挙げておく。除菌剤にはスギやヒノキから抽出されたヒノキオイルが使用されている事が多く、消臭剤には緑茶カテキンが多かった。Edgar18...

 

今年も観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうです

物理性の向上 + レンゲ栽培 + 中干しなしの稲作の新たに生じた課題までの記事で観測していた田の収穫が無事終了したという報告があったので行ってみた。株が傾いていたので、肥料の効きすぎで株が弱体化したのでは?と不安になったが、収穫機がうまく動作しない箇所があったとのことで、株は硬く穂重があったということなのだろう。今年は穂の形成期の気温が低かったため、中干しなしという選択で低温障害や穂いもちが助長される懸念事項があったけれども、黒ずんだ籾から...

 

イネは水を求めて発根を促進するのか?

前回の物理性の向上 + レンゲ栽培 + 中干しなしの稲作の新たに生じた課題の記事に関して、整理しておきたい内容がある。稲作の中干しで時々見聞きする中干しで水を切ることによってイネは水を求めて発根し、後の登熟時に株全体を支えるようになるという内容だ。田に水を張リ続けると常に水がある状態になり、根は常に水を吸収できて発根を怠けるという人目線で説明されているのが気になっている。上記の話があるということは似たような現象が観測されたからなのだろうけれども、保水性を高めた土壌にお...

 

物理性の向上 + レンゲ栽培 + 中干しなしの稲作の新たに生じた課題

土作り + レンゲ栽培 + 中干しなしの田がそろそろ収穫の時期を迎えようとしているが、若干の倒伏が見られるようになった。ここで栽培している方は例年よりも穂に重みを感じるが、中干しをしていないために夏場に肥料が効き過ぎたことに因るのではないか?という意見が挙がり、やはり中干しは必要ではないか?との事になった。中干しの有無については諸々を整理した後に改めて方針を決める事にしよう。※同じ肥料で栽培している周辺の田冒頭の田は写真ではわかりにくいが、...

 

土壌分析のECを丁寧に見てみる

土壌診断のECの値が話題に挙がったので、改めてECについて見ることにしよう。ECというのは、電気伝導率(electrical conductivity)のことで、溶液中で電気を通しやすいものがどれ程溶けているか?を測定したものになる。土壌のEC値に関与しているものが塩類という水に溶けやすいもので、塩類には食塩(塩化ナトリウム)の他に、硝酸態窒素である硝石(硝酸カリウム)、硝安(硝酸アンモニウム)や硫安(硫酸アンモニウム)等がある。栽培の指導ではECは土壌中にどれ程の窒素肥料が...

 

稲作で窒素肥料の過多で冷害が増える

稲作の冷害は窒素肥料の過多が発生を助長させると言われている。何故だろう?と考えてみた。窒素肥料が過多になることでどんな事が起こるのは?を思い浮かべてみたところ、植物ホルモンから再び牛糞堆肥による土作りの価値を問うの記事に記載したように、発根が停止して、地上部の葉が茂るようになる。地上部の茂り具合に対して、相対的な発根量の少なさはマンガン、亜鉛や銅の吸収量が減ることに繋がるわけで、諸々の生理障害を誘発する。牛糞で土作りをした時の弊害をまとめてみると亜鉛の吸収量が減る...

 

稲作の冷害を緩和させるには土作り

出穂した籾の表面が黒ずむの記事で、籾の表面が黒くなっているものがあった事を記載した。他の籾同様膨らんでいるので、冷害による受粉の障害であるか?判断が難しいところだけれども、低温による何らかの生理現象である可能性が高いので、冷害ということで話を進める。一般論として冷害を回避する方法を探してみると、6. 稲作の冷害回避 - JA全農で堆肥を施用した田では冷害や異常気象下でもあまり減収しないということで、亜炭由来の腐植酸資材を用いる事が紹介されていた。JA全農が田で土作りは大事だと...

 

サツマイモの大産地で基腐病が蔓延しているらしい

サツマイモの大産地で基腐病というものが流行っているらしい。基腐病の大流行により、サツマイモの産地全体で大幅な収入減となっているそうだ。基腐病の写真が手元にないので、文字で説明をすると、サツマイモの可食部のイモの箇所が腐る病気で、Plenodomus destruens Harterという糸状菌に感染すると発症する。寄主植物はヒルガオ科のみ。サツマイモ基腐病の発生生態と防除対策 - 農研機構生研支援センター上記の条件であれば、ほぼ連作障害だと見て間違いな...

 

稲作で殺虫剤の代わりはあるか?

無効分げつの発生を抑える為の中干しは必要なのか?の続きまでの記事で、慣行的に行われている中干しが今後の稲作で足を引っ張る可能性が非常に高い事を記載した。※写真はヒメトビウンカイネの栽培で最も苦戦するウンカを含むカメムシ目の昆虫の食害被害に対して殺虫剤は効かない可能性が高く、天敵に頼らなければならない状態は年々重要度を増していく。カメムシが殺虫剤の抵抗性を得る仕組みトビイロウンカは大陸から季節風にのってやってくるカメムシやウンカは殺虫剤の抵抗性をいとも簡単に獲得...

 

無効分げつの発生を抑える為の中干しは必要なのか?の続き

無効分げつの発生を抑える為の中干しは必要なのか?の続き。今まで持っている知見を合わせて、稲作の前のレンゲ栽培で土作りの効果が最大になるようにレンゲを育てたところ、レンゲ鋤込み後のイネの生育で、例年と同じ施肥量にも関わらず、肥料がよく効いているように見えるようになった。おそらく、レンゲが生合成した有機物量が例年よりも多い状態になったことが要因だろう。成長が旺盛になったことで、田の茂り方で懸念が生じ、成長を抑える為の中干しが必要なのでは?という質問が挙がった。...

 

肥料としてのヤシャブシの葉は養分以上の肥効があるかもしれない

ヤシャブシは水田の肥料として利用されていたらしいや落葉による土作り再びの記事を作成していた時にとある過去記事を思い出した。その過去記事というのが、水田土壌で新たに発見された窒素固定を行う細菌についてで、水田のような水を張る環境において、とある細菌が土壌中の還元された鉄を利用して、空気中の窒素ガスを反応させてアンモニアを合成するというもの。上記の内容の詳細は妹尾啓史 鉄で土を肥やす!低窒素農業がわかりやすい。上記のPDFだと田植え前の田に入水前に鉄資材を...

 

ヤシャブシの実も肥料として利用

ヤシャブシは水田の肥料として利用されていたらしいの記事に引き続き、今回もヤシャブシと栽培の話にする。前回の話でヤシャブシの実にはタンニンが豊富に含まれていると記載した。これは、動物に実というか、タネを食べられないようにするためだろう。ヤシャブシの実には動物が食べるような果肉はないはずで、タネに翼があって風にのって広く散布する仕組みであるらしい。ヤシャブシの実がどんな構造なのか?はマジマジと見たことがないので、実を拾ったらしっかりと見てみることにしよう。話は...

 

ヤシャブシは水田の肥料として利用されていたらしい

前回話題に挙げたヤシャブシだけれども、調べている時に葉を水田の肥料として利用しているという内容を見かけた。ヤシャブシ - 国立研究開発法人 森林総合研究所 九州支所ヤシャブシは先駆植物として、激しく撹乱された場所にいち早く自生する木として有名。一昔前の各地で里山が維持されていた頃で撹乱が多い場所といえば、大雨で土砂崩れした、所謂、山が老化している場所に多く生えている可能性が高く、そういう場所はたくさんあったのでは?と想像できる。山の老化という表現が適切かはわからないけれど...

 

稲作でカリウムの施肥を減らして、二酸化炭素の排出量の削減に貢献

稲作に関して、農研機構から興味深い報告があったので紹介する。(研究成果) カリウムの施肥量を抑えた水稲の栽培方法により土壌中に難分解性炭素が蓄積することを発見 | プレスリリース・広報リンクのタイトル通りで、稲作でカリウムの施肥量を抑えると、土壌中に有機物が蓄積されやすくなるというものだ。有機物が土の材料となるため、土の物理性や化学性が改善されて、翌年以降の秀品率は向上する。仕組みの考察ははカリウムの施肥量を減らすと、土壌中のカリウムの量は当然少なくなるわけで、イネはカリ...

 

トマトの一本仕立てで発根量を抑えることでの懸念

前回のトマトの一本仕立ての記事を踏まえて、今回の内容へと続ける。トマトの木を一本仕立てにすることで、光合成能が高い下の葉に適切に太陽からの光が届き、秀品率が向上すると思いきや、ここで一点気になる事がある。気になることの話題を挙げる為に、高校生物あたりで習う植物ホルモンのオーキシンについて触れる事にする。オーキシンといえば、脇芽の発生は先端が抑えてる地上部の頂点で合成されて、頂点よりも下の脇芽の発生を抑制している。オーキシンの他の働きとして、維管束の形成...

 

グローバック栽培

写真:京都北部の舞鶴全般の土壌の考察の記事より水耕栽培で時々見かけるグローバック栽培というものがある。通路に置いている細長いものの中に、写真:椰子の実の脂肪酸と菌根菌の記事よりヤシガラが詰められている。水耕栽培といえば、By D-Kuru - 投稿者自身による作品, CC BY-SA 3.0 at, Linkロックウール - Wikipediaロックウールをよく聞くけれども、ロックウールよりも栽培しやすいという話をよく聞く。...

 

トマトの栄養価から施肥を考える

たまたまトマトの栄養価について記載されているプリントが目に付いたから読んでみたら、糖や色素のリコペン以外に不飽和脂肪酸のリノール酸やアミノ酸のグルタミン酸が記載されていた。今回の内容からいきなり脱線するけれども、英語版ウィキペディアのEdgar181さん - en.wikipedia からコモンズに移動されました。, パブリック・ドメイン, リンクによるリノール酸に関して、トマトから中性脂肪の燃焼を助ける物質を発見 - 京都大学 - Science Portalという記事...

 

夏の育苗には粉末状のベントナイト

夏の育苗で、培土の上に粉末状のベントナイト(モンモリロナイト)をふりかけるというテクニックがある。何故ゼオライトではなく、モンモリロナイトを推すのか?播種、覆土と水やりを終えた苗に粉末状のベントナイトをふりかけると、培土に付着した粉末状のベントナイトが早速水を吸って培土の隙間に入り込む。培土は排水性がかなり高い状態で、それ故乾燥しやすいという特徴があるが、膨潤したベントナイトが培土の隙間に入り込む事で少しだけ乾燥しにくくなる。実体顕微鏡で土と混...

 

有機栽培で使える可溶性ケイ酸は何処にある?

前回のトマトにどうやってケイ素肥料を効かせるか?の記事で、トマトはケイ素の非集積型の植物に分類されるが、それは根から葉にケイ素を運搬する輸送体の一部に欠損があったためで、本当はケイ素を欲しがっているのではないか?という話題から、葉面散布剤でケイ素(ケイ酸)肥料はないか?という内容を記載した。今回は上記の内容の続きで、実際に葉面散布で使えそうなケイ酸肥料を探してみる。タイトルでは有機栽培で使えるとしているが、有機で使えるものを把握しておけば、それはどんな栽培でも使用できる万能肥料になる...

 

トマトにどうやってケイ素肥料を効かせるか?

前回のトマトとケイ素の記事で、トマトはケイ素が非集積型の植物に分類され、ケイ素(ケイ酸)肥料を寝に与えても、根の周辺に集まったままであるらしいが、それはトマトの根のケイ素の輸送体の一部が欠損していたという理由だった。輸送体が欠損してから相当の時間が経過したので、葉や茎でのケイ素の要求はいくらか変化してしまったかもしれないが、ケイ素がないと奇形になるので、地上部はケイ素を求めているはず。そんなトマトに対して、どのようにケイ素を与えれば良いのだろうか?根からの吸収が期待できないと...

 

石灰過剰の土壌で鉄剤を効かす

前回の施設栽培で軽微な鉄欠乏の症状を見逃すなの記事で、タイトルにある通り、施設栽培での鉄欠乏の話題に触れた。明確な欠乏症があれば楽なのだけれども、鉄に限らず軽微な欠乏症というのは何かと厄介だ。特に微量要素と呼ばれるのは電子の運搬に関わっているので、軽微な欠乏であってもかなり厄介。施設は慢性的に鉄の欠乏症が発生するということで、この問題にどのように対処しているのか?を整理してみると、キレート鉄の施肥という技術で回避しているそうだ。キレート鉄の使いどころ水に溶解した鉄...

 

トマトの果実のヒビ割れ問題に触れてみる

(主に露地栽培で)トマトの果実のヒビ割れがある。これは果実の肥大期に大雨等で根から急速に吸水した時に果実に水が集まり、内側からの膨圧に耐えられるに果実が割れる現象だと言われている。割れた果実は糖濃度が下がってしまうため、割れる直前よりも美味しくなくなる。土作り有りきのトマト栽培で果実のヒビ割れは花落ちと同じレベルの難所になるだろうから整理しておいたい。ヒビが割れるという現象のみに注目すると、果皮が硬ければ内側からの膨圧に耐えられるわけで、果皮自体を丈夫にすればヒビ...

 

トマト栽培の土作り事情

トマト栽培で老化苗を定植したら微量要素の課題が付き纏うの記事で、トマト栽培で木を暴れさせずに収穫する工夫の一つに老化苗を定植するという内容を記載した。老化苗の定植が背景にあるのか?施設栽培に限らず、トマトの栽培では厄介な内容が付き纏う。その内容とは、トマト栽培の土耕において、土作りをほぼせずに株に負荷をかける栽培をするということ。確かに土の物理性を改善しなければ、発根量は減るわけで、発根量が減れば木が暴れるリスクは軽減される。ただ、物理性を改善しな...

 

出荷前に色をのせるという行為

どの業種にも言えることだろうけれども、不思議な慣習というものがある。例えば肥料関連では、出荷の葉色の濃い野菜が好まれるらしく、最後に色をのせるといった意味合いで追肥を行う。葉色が薄い野菜よりも美味しそうであったりお得に見えるのだろうか?最後に過剰施肥を行い品質を落とすという行為が行われている。※おそらく栄養価も落ちている葉の色が濃くなるとどうなるのか?葉色の濃くする要因が酸化力が高いものである可能性が高いので、店側で仕入れた後の棚持ち(鮮度...

 

牛糞で土作りをした時の弊害をまとめてみると

今までも何度も記載してきたが、牛糞を堆肥として捉え土作りをするのは止めた方が良い。理由はいくつかあるのだけれども、それらの理由を感と経験だけで栽培している方にとって、どれもイメージがし難いらしい。ここ数年、栽培が難しくなったと相談を受けた時に、ほぼ全員が牛糞で土作りをしていちえ、牛糞の施肥を止めて、植物性の有機物へ切り替えただけで安定している。牛糞は有機質肥料として優れているかもしれないが、堆肥、つまりは大量に投入するものとしては向いていない。牛糞は有機質肥料としてイメー...

 

土作りのステップアップとしてのエッセンシャル土壌微生物学を薦める

講談社からエッセンシャル土壌微生物学 作物生産のための基礎という本が出版されたので早速読んでみた。土作りを意識した栽培をしたいと考えている方はオススメの内容だった。土壌微生物学というタイトルの通り、菌と細菌といった現場では理解が曖昧な箇所が丁寧に記載している。それ以上にオススメなのが、土壌微生物の住処としての団粒が粘土鉱物の視点から丁寧に記載されているし、酸化還元電位という切り口で肥料の効きや老朽化水田の説明も記載していて、一つ上の思考になれることは間違いない。緑泥石から土の...

 

レンゲの花が咲いた

昨年から引き続き様子を見ている某所のレンゲ米栽培の田だけれども、今年はレンゲのタネを播種する前に土壌改良剤を使用している。土壌改良材は粘土鉱物と黒糖肥料なんだけれども、この田を管理している方曰く、昨年よりもレンゲの背丈が高くなっているらしい。レンゲの播種は稲作収穫後のすぐ後人にとっての旨味成分が植物の発根を促進するか?これから先の話は個人的なメモの内容になるが、田の隅でレンゲの花を咲かせた。端といえば、田の端の草がこんもりしているところを見ての記事...

 

アルカリ性不良土壌向けの肥料について調べてみた

今月中旬に肥料関係で大きなニュースがあった。そのニュースというのがアルカリ性不良土壌向けの肥料を安価且つ環境負荷が少ない形で開発できたというものだ。Development of a mugineic acid family phytosiderophore analog as an iron fertilizer | Nature Communications日本国内ではあまり使用する機会はないだろうけれども、開発に要した先行調査や実際の開発で得られた知見というものは、自身の栽培...

 

兵庫の某進学校に通う高校生に肥料の話をした時のこと

何年前だったかな?兵庫県の某進学校の高校生から肥料の話で質問があるので行っても良いですか?と連絡があり、遠路はるばる京都にきて話をした時の話をしよう。こちらにやってきた高校生は二人で、ニ人共高校三年だった。一人はたしか某国立大学の理科三類に現役合格をしていたはず。そんな彼らがわざわざ京都に来て、何の話をしたいのかな?と思っていたところ、肥料について本やネットでは分からない事を聞きたいとのことだった。先に彼らとの肥料の話に入る前に雑談になるが、彼らが高校の生物の授業のプ...

 

マッシュルームの栽培から温床培土の事を考える

前回のマッシュルームの人工栽培から堆肥の熟成を学ぶの記事で、マッシュルームの栽培の歴史はメロン栽培用の温床から始まった事を知った。温床というのは、落葉等の有機物に米ぬか等を混ぜて適度な水分を加えた後に踏み込むことで、有機物中にいる微生物の発酵熱により周辺が温まる技術の事で、初春の育苗床にも使用されている。前回のマッシュルームの記事で思い出したこととして、有機栽培の技術で発熱が終わった有機物を野積みにし、秋作や来年の春作の育苗培土として利用する。...

 

マッシュルームの人工栽培から堆肥の熟成を学ぶ

キノコの事を網羅的に調べていて、Wikipediaでマッシュルームのページを読んでいた時に興味深い内容が記載されていたので紹介する。紹介の前にマッシュルームそのものの話だけれども、日本でマッシュルームの近縁種について触れておくと、ハラタケになる。一般的に雨の後野原や草地に見つけることができるらしい。ハラタケ - Wikipediaこの内容を踏まえた上で、マッシュルーム - Wikipediaに記載されているマッシュルームの人工栽培についてだけれども、※上の写真は育...

 

トリコデルマと聞いて思い出す師の言葉

知人から下記の論文を教えてもらった。Trichoderma Species: Versatile Plant Symbionts Phytopathology Vol. 109, No. 1 January 2019要約すると、トリコデルマの一種のTrichoderma virens(以後、T.virens)がトマトの根に先に感染(共生)できると後から来た病原性のカビをブロックでき、免疫が増強しつつ、宿主のホルモンの合成を調整して成長も促進する。イネの秀品率を高める為に不定根に着...

 

ブナシメジの廃菌床を活用したい

香りマツタケの香りはどんなもの?の記事の続き。マツタケの香りではないけれども、大﨑久美子著 きのこ由来揮発性物質による作物保護技術の開発 -きのこの香りで作物を病気から守る- 日本農薬学会誌 日本農薬学会誌 44(1), 69-70 (2019)という読み物にキノコの香りで興味深い内容があったので紹介する。キノコ類が生成する揮発性抗菌物質をVolatile antibioticsでVAと呼び、VAのうち作物に与えたらとある病原性の菌の奉仕発芽を抑制したとのこと。この読み物で挙...

 

田の端の草がこんもりしているところを見て

前回のレンゲ米栽培の田の冬の端の様子の記事で、レンゲを育てている田の端に単子葉の草がこんもりしている箇所があるという内容を記載した。おそらくだけれども、田の端、特に入水と出水の箇所がある場所の付近に養分が溜まりやすい場所があるのだろう。しかもこの箇所に溜まりやすい養分は効きのはやい水溶性の成分だろう。水溶性の成分がおおければ、こんもりした見た目に対して発根量は少ないはず。植物ホルモンから再び牛糞堆肥による土作りの価値を問うこのこんもりした草を見た時にふと頭に浮かん...

 

稲作に土作りは不要なのか?

秋の荒起こしから秀品率の向上のポイントを探るの続きの記事で、稲作の収穫後の荒起こしの仕方で翌年の稲作の秀品率が変わるのでは?という着眼点で、荒起こしで土がどのように変化するか?を整理してみた。荒起こしでは、肥料の効きが増す分、土壌の劣化をはやめ、保肥力が下がるのでは?という予想となった。※家畜糞を投入して、硫化水素ガスの発生源を増やすという論外なこともある。これらの内容を踏まえた上で、どうしても書いておきたいことがある。昨年の高槻の原生協コミュニティルームでレンゲ米栽培の観測...

 

秋の荒起こしから秀品率の向上のポイントを探る

乾土効果について考えるの記事に引き続き、今回も冬の水田の作業を見る。秋の米の収穫後に荒く耕す荒起こしをしている田を良く見かける。荒起こしには色々と目的があるが、稲わらを速く分解させることも目的の一つとしてあるらしい。昔は稲わらには利用価値が高かったので、粉砕して鋤き込むなんてことはなかったけれども、収穫後の田のひこばえを見て、稲作の未来を考える最近は収穫時に稲わらを粉砕して土の上に散らすようになったため、稲わら鋤込みが原因の障害が発生するそ...

 

土壌中に硝酸がたくさんあった場合、植物の根は何をする?

家畜糞による土作りの土から収穫した野菜の摂取は健康に繋がるか?までの記事で、土壌中の硝酸濃度(高EC)の状態で、植物にどのような影響があるのか?を見てきたが、更に何かないか?を調べてみることにした。検索してみたら、名古屋大学のプレスリリースで植物の根の窒素栄養吸収を葉から調節するホルモンを発見-変動する土壌栄養環境への植物の適応のしくみ-という研究報告を見かけた。要約すると、植物体のある根で周辺に硝酸イオンが不足している事を感知すると、感知した根から葉にその情報が送られる。葉...

 

家畜糞による土作りの土から収穫した野菜の摂取は健康に繋がるか?

硝酸イオンの人体への影響を知りたいの続きまでの記事で、人が硝酸イオン(実際には硝酸か硝酸塩の形)を摂取した場合、体内でどのような反応があるのか?を見てきた。※硝酸イオンは人体内で合成されるため、摂取したものがどれ程の影響を与えるのか?は不明次に作物に硝酸(硝酸態窒素と呼ばれる)を過剰に与えた時の影響に触れる。家畜糞を熟成させればさせる程、硝酸態窒素の濃度が増えると言われている。これはタンパクを分解した時の最終産物が硝酸といういうことであって、家畜糞も有機質肥料の一...

 

硝酸イオンの人体への影響を知りたいの続き

硝酸イオンの人体への影響を知りたいまでの記事で、野菜に含まれる硝酸は人体に何らかの影響を与える可能性があるらしいということで、硝酸イオンがどのように影響を与えるか?を見た。口腔内の唾液付近で、硝酸イオンから亜硝酸イオンに変わり、亜硝酸イオンが体内で何らかの影響を与える。人体と亜硝酸イオンで更に調べると、ニトロソ化合物という用語にたどり着く。パブリック・ドメイン, リンクニトロソ化合物というのは、反応性の高い亜硝酸がニトロソ基(-NO)になり、何らか(上の図...

 

硝酸イオンの人体への影響を知りたい

前回の硝酸イオン低減化への道の記事で、農業の研究では硝酸イオン低減の栽培体系の確立を目指しているが、実際の栽培では逆になっている。逆になっている要因は家畜糞を堆肥とみなして、有機質肥料と似た成分の家畜糞を堆肥使用時の量(5倍〜数十倍)を投入する傾向がある。硝酸塩に近い成分を豊富に含む家畜糞を大量に投入したら、作物や土壌に何らかの悪影響を与えるのは当たり前の話で、ある年を境に作物の光合成は急激に下がる事に繋がる。※家畜糞の施用の障害はマンガンの吸収が低下することで、マンガンは光合成の要...

 

硝酸イオン低減化への道

少々古い内容ではあるが、独立行政法人 農業・生物系特定産業技術研究機構 野菜茶業研究所の研究成果の野菜の硝酸イオン低減化マニュアルというものを読んだ。この報告の前書きでいくつか気になった箇所があるのでピックアップしてみる。そもそもの話で野菜の硝酸イオン低減化をマニュアルとして報告しているところを見ると、硝酸イオンが人体において何らかの影響を与えつつ、どこかしらで硝酸イオンの濃度が高いのだろうなと予想が付く。それを踏まえた上で・硝酸イオンを摂取しても害にはなりにくいが、体内の微...

 

大寒波がくるまえに出来ること

植物の低温対応としてのグルタチオンの記事までで、冬季の草の低温適応について見てきた。低温への適応は先日の大寒波による野菜の品質の低下の回避の為に絶対に必要な知見になるはず。冬季の野菜を収穫して出荷している栽培者は天気予報で数日後に大寒波という情報を得たら何かしておきたいはずなので、今までの内容から大寒波対策を見ていく事にしよう。大前提として、冬野菜の生産性の向上は地温からの記事で触れたように、栽培開始前に根や土壌の生物らが呼吸しやすい環境を設けて、代謝の熱が適切に発生して...

 

森林生態系の物質循環の続き

前回の森林生態系の物質循環の記事で森林における窒素とリン酸の循環についてを触れた。森林の生態系の制御要因(ある要素によって森林全体の生産性が制御されている)が水と窒素(とリン酸も含むかも)だと考えられている事を知り、ふと頭に浮かんだことがある。牛糞堆肥による土作りを勧めてくる方の腕は確かか?森の土に一次発酵以降の家畜糞を撒いたら森林の生産性は向上するのだろうか?発酵鶏糞ができるまで3:一次発酵編家畜糞の熟成が進む程、硝酸塩等の無機窒素の量が増え、有機態...

 

レンゲの播種は稲作収穫後のすぐ後

稲作の秀品率向上の為のレンゲ米栽培を採用する場合、問題になるのがレンゲの播種時期だろう。レンゲに限らず緑肥全般で言えることとして、都市近郊の緯度であれば播種時期の限界は10月下旬だろうか。レンゲの播種時期を調べてみると、レンゲ|レンゲ|緑肥作物種子|畑作園芸分野|商品情報|雪印種苗株式会社のページによると一般地の播種が10月上旬となっている。高槻の原生協コミュニティルームでレンゲ米栽培の観測の報告会を行いましたで話題の中心となった方の今年の収穫日が10月6日で、収穫から2週間...

 

収穫後の田のひこばえを見て、稲作の未来を考える

地域の中では比較的早めに刈り取られた田で、ひこばえが発生していた。ひこばえが獣を引き寄せるひこばえは作中の施肥が過剰であったため、肥料の使い方に無駄があってダメだ。という意見を度々見かける。施肥が過剰であるため、作中のイネに対しても過剰であった可能性があり、食味を落とすという意見すらある。このひこばえに関しての内容でふと違和感を感じた。観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうですの記事でも触れたが、常に水を張り続ける水田において...

 

観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうです

田植えから定期的に観測していたイネが無事に収穫を迎えたそうだ。驚くべきことに写真に写っている田は今年のウンカの当たり年で周辺も相当の被害を受けている中、殺虫剤を使用せずに収穫までこぎつけたそうだ。高槻某所の水田で坪枯れを見た更に驚くべきことに、すぐ近くにあるもう一つの田では殺虫剤を使用したにも関わらず、ウンカの被害があったそうだ。水稲害虫の天敵のことすぐ近くといえど環境条件は異なるので一概に言えないが、一作を通して見てきたものには多大な価値があることは間違いない。...

 

基肥のリン酸が発根促進であるならば

前回の基肥のリン酸が発根促進である理由を考えてみるの記事で肥料成分のリン酸が発根を促進する理由を考えてみた。発根を促進すると考えられているイノシンが光合成産物であるブドウ糖をリン酸化した後にいくつか反応を経ることで合成されることだと当たりを付けて終了した。イノシンがイノシン酸という核酸からリン酸基が外れ、水酸基が付与されることで合成されるわけで、発根促進剤としてよく見聞きする核酸も有効である可能性が高い。ここで一つ頭に浮かんだ記事がある。それは、栽培と枯草菌の記事で、枯草...

 

基肥のリン酸が発根促進である理由を考えてみる

前回のリン酸欠乏で葉が赤や紫になることを考えてみるの記事でリン酸欠乏で葉が赤や紫になることを今までの知見から考えてみた。これを踏まえた上で、稲作の基肥で話題になる発根促進としてのリン酸に触れてみる。栽培の教科書ではリン酸の説明が発根促進という事を時々書かれているのを見かける。リン酸と発根にどのような関係があるのか?よくわからない。リン酸はエネルギーの貯蔵やDNAの主である核酸の材料の一つで、細胞膜のリン脂質の成分でもあるから成長に重要であるということは自明だけ...


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