アルコキシドまでの記事でアルコールについて触れてきた。

アルコールについて触れた理由は、アルコールの特徴であるヒドロキシ基(-OH)についての理解の為で、ヒドロキシ基は本題である


Quercetin


ポリフェノールを理解する為に必要となる。


今回はアルコールからポリフェノールに一つ近づくという意味合いで、


Phenol2_1


フェノールについて触れることにする。


先に触れておくが、植物の合成経路でフェノールを合成する経路はなく、フェノールは人工的に生成される。

チロシンとバイオフェノール




フェノールの構造を眺めると、


640px-Phenyl-group


フェニル基と呼ばれる官能基のRにヒドロキシ基(-OH)が入った形をしている。

フェノールの化学式はC6H5OHで示す。


今こそ「わかる」有機化学入門 | SBクリエイティブ 50ページにエタノールとフェノールの大きな違いが記載されていたので、その内容を参考にすると、


Ethanol-2D-skeletal


エタノールの右端にあるヒドロキシ基(-OH)ではOがHを引っ張る力が強く、Hが離れる事がないので、中性を示すが、


Phenol2_1


フェノールはベンゼン環(六角形の箇所)がOを引っ張る力があり、OがHを引っ張る力が弱まる為、


Phenol2_2


水に溶かすとHが離れ、酸性となる。

このHが離れるという特徴が、ポリフェノールの生理的作用で重要になってくるので、頭の片隅に入れておくことにする。




次に触れたいのは植物はフェノールを合成することができないので、ポリフェノールは合成出来るという疑問についてで、植物はポリフェノールを合成する際にフェノールを介さず、他の経路から合成する点についてだけれども、それは話が長くなるので次の話題とする。