アルコールとフェノールの違いの記事で、フェノールについて見た。
フェノールについて見た理由は、栽培にとって重要なポリフェノールを理解する為なのだけれども、植物はフェノールを合成することができない。
なので今回は
ベンゼン環(上の図の六角形の箇所)を含む化合物(以後、芳香族化合物と表記する)の合成について触れることにする。
植物が芳香族化合物の合成で最初に合成するのが、
芳香族アミノ酸のフェニルアラニンである。
フェニルアラニンは光合成で合成している糖の中間物質のホスホエノールピルビン酸と呼ばれるカルボン酸からシキミ酸経路を経て、
プレフェン酸が合成され、二酸化炭素やヒドロキシ基を外し(フェニルピルビン酸)、
グルタミン酸からアミノ基を頂くことでフェニルアラニンが合成される。
このフェニルアラニンを基に様々な芳香族化合物が合成されるのだけれども、それは次回以降に触れることにする。
余談だけれども、有名な除草剤のラウンドアップ(有効成分:グリホサートイソプロピルアミン塩)はシキミ酸経路の一部に作用して、芳香族化合物の合成を止める。