
鉄獲得戦略で大事なシデレチンについての記事で、鉄獲得戦略ストラテジーⅠで重要なシデレチンという化合物の構造について見た。
カテコール部位が鉄の還元や強力なキレート捕獲を担い、ラクトン骨格が分子全体の可溶性や生体内での移動・鉄放出に寄与しているという内容で締めた。
シデレチンは今後の栽培にとって非常に重要となる化合物であることは間違いないので、もう少し深く見ていくことにする。
※バイオスティミュラント資材でシデレチンの合成を活発化するものがある。
https://www.affrc.maff.go.jp/docs/innovate/attach/pdf/seika-55.pdfの33ページのAtonik
Biosynthesis of redox-active metabolites in response to iron deficiency in plants - May 2018Nature Chemical Biology 14(5)のFigure5でシデレチンで鉄(Ⅲ)から鉄(Ⅱ)への還元の記載があった。
この内容から判断するに、

C-7とC-8のヒドロキシ基(-OH)でFe3+(鉄(Ⅲ))を挟み、

カテコール構造のベンゼン環(左側の六角形)から電子が鉄(Ⅲ)に移動して、鉄(Ⅲ)は鉄(Ⅱ)に還元される。
キノン型になったシデレチンは鉄(Ⅱ)をキレート結合で掴んでおくことはできないはずなので、鉄は放出されて根で鉄を吸収する。
これで多くの植物が行っている鉄獲得戦略ストラテジーⅠの大まかな流れが見えてきた。
この反応だけれども、リン酸過剰問題に対しても有効であるはずなので、これから何度も出てくるだろう。
難溶性リン酸の一種の鉄型リン酸の吸収は鉄獲得戦略ストラテジーⅠが密接に関わっている可能性が高い。
土壌分析でリン酸の数値が高い結果が返ってきたら次作は気を引き締めた方が良い



