リノール酸の過剰摂取問題について触れてみるの記事で必須脂肪酸の過剰摂取問題について見た。
リノール酸の過剰摂取といっても、リノール酸自体が悪というわけではなく、もう一つの必須脂肪酸であるα-リノレン酸との摂取のバランスが崩れると、α-リノレン酸の方の良い効果がいまいち発揮しないという内容であった。
リノール酸の過剰摂取問題の方をよく見るということは、α-リノレン酸と比較してリノール酸の方が摂取が簡単だという解釈になるわけで、α-リノレン酸の方に意識を向ければ、リノール酸の過剰摂取問題を回避できるようになる。
というわけで、まずは植物の方でα-リノレン酸の働きを見ながら、栽培でα-リノレン酸の量を増やす方法を模索する。
羊土社 基礎から学ぶ植物代謝生化学を本棚から取り出し、α-リノレン酸についての説明を探した。
α-リノレン酸から合成されるものとして紹介されているものに、
パブリック・ドメイン, リンク
植物ホルモンであるジャスモン酸と、
Edgar181 - 投稿者自身による著作物, パブリック・ドメイン, リンクによる
ヘキサナール等のみどりの香り(GLV)があった。
ちなみにこれらの不飽和脂肪酸の酸化によって生じる化学物群のことをオキシリピンと呼ぶらしい。
ジャスモン酸とみどりの香りはどちらも葉などの組織が損傷した際に合成されるもので、環境ストレスへの耐性に関与している。
今回の内容を整理していて、そういえば植物が共生性糸状菌に感染された時に体内の脂肪酸の量が増えたという話があったような気がする。
この話が正しいとすると、殺菌剤を使用しなければならない畑で収穫した野菜の健康効果は低いことになる。
人が必須脂肪酸を摂取すると美味しいと感じていたはずなので、美味しい野菜 ≒ 健康効果が高いという話題に一つ近づきそうだ。