ラクトン化について2までの記事で香気物質について見てきた。
上記のリンクの先の記事から少し日が空いたが、その間に酵素により生成されるフレーバーの最後の分類である含窒素、含硫香気物質について整理していたので、その内容を記載していくことにする。
含窒素香気物質で真っ先に話題に挙がるのが、
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インドールだ。
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3の箇所の水素(H)がメチル基(-CH3)に置き換わったものが、哺乳類の大便の臭いのスカトールになり、インドール自体も臭気に分類される。
臭気を香気として扱って良いのか?という問題が生じるが、インドールは大量に感知すると臭気で、少量であれば香気として認識されるそうだ。
インドールは柑橘等の花の香気物質に含まれている。
インドールに関してすぐに触れておきたい事があるので、駆け足気味でインドールの合成についても見ておく。
インドールは芳香族アミノ酸であるトリプトファンが脱アミノ化(NH2周辺が外れる)と脱炭酸(右端の-COOHが外れる)が起こり、右側の炭素鎖が短くなり、
インドール酢酸等を経て、インドールに変わっていく。
インドール酢酸といえば、高校生物の植物ホルモンで触れるオーキシンを指す。
インドールの合成の中間の化合物にオーキシンがあることと、インドールはベンゼン環(上の図の六角形の箇所)を持つ化合物であることで、ふと頭に浮かんだ事があるが、それは次回に触れることにする。
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