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カテゴリー : 土壌環境/page-7

電子書籍の販売をはじめました
 

ススキの名所の曽爾高原

奈良県宇陀市にある曽爾高原(そにこうげん)に行ってきた。この時期はとても混むという情報があったので、周辺に前泊して霧がかかった時間帯に到着した。曽爾高原というのは、倶留尊山(くろそやま:写真の左側)と亀山の西斜面から麓に広がる高原で、曽爾高原 - Wikipedia秋のススキで有名な場所である。今まで曽爾高原を知らなくて、生物学を勉強したことがある人であればここまで読んで気が付くことがあるだろう。毎年ススキの草原にするためには人為的な景

 

バナナの皮は速やかに土に馴染む

庭付きの家に引っ越してきて、少しでも有機物の焼却量を減らし、二酸化炭素の排出量の削減に貢献すべく、生ごみは庭の土に混ぜている。混ぜるのであれば、有機物の分解の速さというのは意識しておく必要があって、様々な生ごみを見ている。そんな中で、バナナの皮が気になっている。土と混ぜて一週間程でぱっとみどこにバナナの皮がどこにあるのか?わからなくなる上、バナナの皮の裏側が黒くなったところに土の小石がくっついている。このまま分解が進んだ

 

落ち葉の下のワラジムシ

東海大学出版 耐性の昆虫学の6章で昆虫ではないが、ワラジムシの冬越しと積雪という話題があった。ワラジムシというのはダンゴムシをより平べったくした足の多い節足動物だ。刈草の下に大量のワラジムシたちこの本では積雪の多い北海道において、積雪の下のワラジムシは雪の下であろうとも摂食を続けている可能性があるそうだ。雪の下は0℃前後の温度であるため、節足動物であれば活動を止めるような気がする温度帯でも活動を続けている可能性があるというのは驚きだ。この内容を

 

土壌消毒の前に土壌改良材を使用すべきか?

土壌消毒を行う際、土壌改良材を使用してから消毒を行う方が良いのか?もしくは土壌消毒を行ってから土壌改良材を施用した方が良いのか?そんな質問を受けた。質問をされた方は、土壌改良材を施用したら土壌の微生物相が豊かになるけれども、土壌消毒を行うとせっかく豊かにした微生物相がなくなってしまうのではないか?確かにその不安はあるかもしれない。だけれども、現時点での知見であれば、断然前者の土壌改良材を使用してから土壌消毒を行うことを薦める。ちなみにここで言う土壌改良

 

食害虫防除としての草生栽培の可能性を探る

チョウ目昆虫の幼虫の休眠の記事までで昆虫の事を色々と見てきて思ったことがある。それは前にも触れた草生栽培の食害虫の防除の可能性だ。草生栽培は課題を明確化するかもしれない地域のお年寄り達は畑に草を生やしたら虫が多くなるから畑を綺麗にしておけというけれども、虫に対する防除というのは株を健康に育てた上で抵抗性誘導することだ。周辺の畑が抵抗性誘導をしていたとしたら、腕の無い栽培者の畑が集中砲火を食らうわけで技術力がないことが露呈される。病害虫の予防は御早めに

 

年々勢いが増すと予想される台風に対して出来ることはあるか?

何年前だったか、農研機構の研究報告会の案内がきて参加してみた時の事、米の育種(品種改良)の話題で、温暖化により米の秀品率が落ちると予想される為、高温耐性のイネの品種の開発が急務という報告があった。この話は高温耐性だけで話が終わらず、台風の被害の軽減の話題にも繋がっていった。演者は気象学は専門ではないということを添えた上で、izu3さんによる写真ACからの写真今後の台風は年々数が減る代わりに一つずつの台風は大型化する為、台風軽減の対策は急務であると報告していた。

 

グリーンタフはどこにある?

シリケイトメルト内の水による反応までの記事でグリーンタフの形成に関連する現象を見てきた。粘土鉱物の話題になると時々聞かれることとして、秋田で採掘できる粘土鉱物が土壌改良効果が高いという話題が挙がる。昨日の記事までを参考にすると、各地のグリーンタフの肥料としての質を判断できるようになったかもしれない。現時点での知識で秋田で採掘できる粘土鉱物を判断してみよう。…とその前に、そもそも日本列島でグリーンタフ(Green Tuff)が分

 

粘土鉱物が出来る場所

前回の記事では、粘性の高い流紋岩質の岩の中の石英に注目して、石英に凍結しない水を含んでいる強度の低下に関与している可能性があることが分かった。土を理解する為に石英を見詰めるこの現象は石英に限らず、珪酸塩鉱物に言え、これこそが、ベントナイト資材の白っぽい方に当たるのではないかと。ちなみに株式会社誠文堂新光社から出版されている増補版 鉱物・岩石入門の126ページの人間が利用する鉱物の章で、沸石凝灰岩の紹介があり、流紋岩質の凝灰岩が地

 

土を理解する為に石英を見詰める

栽培の本によると、鳥取砂丘で花崗岩質の砂を見た土壌中の石英の含有量は栽培方法を検討する上で重要な要因となっている。石英は風化しにくく、保肥力にならなければ、養分の溶脱もない。下流に向かえば向かうほど土壌中に占める割合が増えてくる。石英は粘性の高い花崗岩や流紋岩に多く含まれている。これらの内容を踏まえ、流紋岩質のグリーンタフが分布している地域で採掘したベントナイトは土壌改良材として果して有効なのだろうか?という疑問が生じてくるが、上記のベントナイトをマジマジと見

 

竹野のグリーンタフを見ながら土の形成に思いを馳せる

山陰海岸ジオパークの竹野町田久日のグリーンタフの記事で兵庫県の竹野海岸付近で、とても綺麗なグリーンタフを見た。あまりの綺麗さに感動したし、それ以上に今まで栽培面で疑問に思っていた事に対して何らかの突破口が見えた気がした。グリーンタフに抱いていた疑問が何だったのか?の前に、改めてグリーンタフに触れると、タフという用語には凝灰岩という意味があり、凝灰岩の採石場跡に行ってきたグリーンタフは火山岩が形成される際に水を含む事で、火山岩中の輝石や角閃石といった

 

青枯病対策としてのDIMBOA

昨日、某SNSに環境に優しい土壌消毒ダゾメットの記事をシェアしたら、下記のコメントがあった。/*********************************************************/アブラナ科ベビーリーフ残渣をすきこみ続けると果菜類のあとのひどい土壌も徐々に復活するのは、今回の内容と関係あるのだろうか、とか考えました。/*********************************************************/このコメントを

 

虫にかじられやすい株とそうでない株の違いは何だ?

前回のダゾメットによる土壌消毒はチョウ目の幼虫に有効であるか?の記事で、アブラナ科植物の防御反応であるイソチオシアネートがチョウ目に効かないというのは、イソチオシアネートに対して耐性があるわけではなく、イソチオシアネートを合成させないということだった。つまりはまだチョウ目の幼虫にイソチオシアネートが効く可能性があるということだ。イソチオシアネートはアブラナ科植物が虫による食害(傷害)を受けた時に合成される。ここで疑問が生じる。コマツナ等のアブラナ科植物で、葉脈付近だけ

 

土壌消毒について見直す時期ではないだろうか?

耕土の深い層に潜伏した病原菌の記事で、病原菌が耕土の深いところに潜伏していて、深く耕すことによって病原菌が上がってくることはどうなの?という疑問を考えてみた。※ここではグラム陰性細菌の青枯病菌について触れているそもそもの話で、各種土壌消毒法による青枯病菌密度抑制効果の事例解析 - 農研機構機関リポジトリによると、深い層にいる病原菌は薬剤による土壌消毒の効果が届かない深さにいただけの可能性がある。更に上記の解析結果によると、土壌消毒に糖蜜やエタノールを利用すると深い層にいる

 

米ぬかを利用した土壌還元消毒

以前、ダニの防除を調べていた時、農文協から出版されているハダニ防除ハンドブックに米ぬかによる土壌還元消毒という手法が紹介されていた。『ハダニ防除ハンドブック』國本佳範編著 - 田舎の本屋さん有機質肥料としての米ぬか主にハウスで1〜2トン/反の米ぬかを施用し、土壌を潅水して酸素の少ない状態にする。潅水状態で土と米ぬかを撹拌して静置する。土を乾かしビニールで覆うことによって酸素が入らない状態にして、20日近く静置する。米ぬかを使用した土壌還元消毒における土壌窒素量

 

病害虫の予防は御早めに

ヨトウ対策は植物ホルモンの視点からの記事を作成している際にふと思ったことがある。非病原性の土壌微生物が活発になる環境に導けたとして、作物がそれらの微生物と共生すると葉において食害する虫が忌避するようになる。※赤い矢印はAの畑で虫対策をした場合の虫の移動を示すすべての植物食の虫が忌避するわけではないだろうけれども、大半の虫は弱っている作物が植わっている畑に向かうことになるはず。殺虫剤で問題を凌ぐことを主している栽培者の畑に更に食害性の昆虫が集まるということだ。その畑

 

ヨトウ対策は植物ホルモンの視点から

栽培でヨトウに困っているという話をよく聞く。ヨトウというのはヨトウガの幼虫で、所謂イモムシだ。チョウを含む鱗翅目の幼虫の中で夜行性の部類に入る。ヨトウガ - Wikipedia前回のカリバチとミツバチの誕生の誕生の話を踏まえると、カリバチは暗くなったら巣に帰るので、その後に活動する夜行性の幼虫というのはニッチを狙ってきたなと感心する。ヨトウガを防除するために殺虫剤を利用する方が多いけれども、昼は地中に潜っている為、防除の時間帯を遅くしなければ効かないとこれまた厄介。

 

殺菌剤に病原菌の滅菌作用があると期待することが問題だ

どこで見たかは定かではないが、農薬の開発者の言葉で、畑で病気が発生し、畑全体に蔓延した状態になったら、殺菌剤で進行を止めることは難しいというものがある。とは言え、日々の作業が忙しくて、病気の出始めを発見(早期発見)は難しい。だから後手にまわって、畑全体で病気が蔓延した時に殺菌剤を使用してしまうといった話を良く聞く。ここでふと気になったことがある。こと京都株式会社さんで病気の話をしましたで触れた内容になるが、殺菌剤を文字通り、病原菌が液体に触れたら消

 

栽培中に作物が感じているストレスとは何だろう?

肥料に関しての質問で、収穫時期をはやめたいや葉物野菜をなるべく長く収穫できるようにしたい。といった内容が挙がることがある。これは作物の成長ははやくしつつ、開花は遅くしたいということで、肥料で実現できるとすれば、健康に育った野菜は人の健康へと繋がるはずの記事の内容に繋がっていく。実際に上記のようなことは肥料で可能であるのか?が気になるところだけれども、この話に関して興味深い内容がある。葉面散布等の追肥では、アミノサンプロ - 株式会社京都農販アミ

 

野菜の美味しさとは何だろう?

随分前の話で写真がないので、文章のみになってしまうのだが、栽培の師の畑で魔法のような現象を見た。栽培の中心にはいつも化学農薬を使用しないで栽培していた師の畑で最も環境が良かった土壌で、夏に畝を立て、ダイコンのタネを直播して栽培を開始した。元肥は米ぬかボカシ肥のみだった。米ぬかボカシを作ろう!仕込んでみる!他の畑と比較して、はやい成長ですぐに間引き菜としての収穫を開始した。間引きが一通り終わった後、嫌気性米ぬかボカシ肥を一回追肥として与え、そのまま成長を

 

草生栽培は課題を明確化するかもしれない

肥料とはまったく関係ない所用で、トウガラシを栽培している方の畑に行き、興味深い現象と出会った。この畑では秀品率と効率化を高める為に試行錯誤し、草生栽培のような形になりつつある畑で、畝幅と通路を大きくとり、除草作業を集約化させていた。トウガラシは肥料を多く必要とする作物で、多く肥料を与えつつ、余剰は通路の草に吸収させ、有機物にして土に還元するスタイルが確立しつつあった。※この畑は無農薬で栽培されている今年になってエノコロがちらほらと生え始めているということな

 

硫酸塩系肥料の残留物がある土を緑肥で解決したい

植物にとって硫黄は超重要な物質であって、再利用の仕組みを発達させた。硫黄が超重要な物質でありながら、根が硫酸イオンをあまり吸収できないのは、おそらく土壌中に硫酸イオンが少なかったのだろう。基肥で硫酸苦土肥料を仕込む前に昨今、土壌に硫酸イオンが多い状態が多いという話題が挙がりやすいのは、By Edgar181 - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link硫安という工業的に製造された肥料が現れたからだろう。ハーバー・ボッシュ法と緑の革命

 

基肥で硫酸苦土肥料を仕込む前に

天然の硫酸苦土肥料を基肥で使用しているケースを良く見かける。硫酸と繋がった苦土(マグネシウム)の肥料でマグネシウムは光合成(生産性)に関与した要素ではやくに成果が出るので使用量が増えているように思える。苦土と書いてクド。マグネシウムのこと肥料名の接頭語で速さを知る塩(えん)の肥料を使用する時は肥効よりも残留性に意識しないと後々面倒なことになるわけで、塩と書いて、「しお」と読みたいけどここでは「えん」で天然とはいえ硫酸苦土肥料を基肥で使用する場合、残留する硫酸根(硫

 

鉄の吸収とアルミニウムの無毒化

ある用語についてなんとなく現象を捉えていたとしても、ある一つの説明が追加されることで見えるものが変わってくるもの。緑肥の活用として注目しているMATE輸送体というものがあり、ソルゴーのアルミニウム耐性でMATE輸送体について触れた。酸性土壌で生きる植物たち※写真はソルガム(ソルゴー:モロコシ)ではなく、トウモロコシかもしれない強力な結合力を持ち、植物の根に毒性のあるアルミニウムを、根から分泌したクエン酸によりキレートさせて無毒化させる作用で、劣化した土壌を栽培しやすく

 

土壌が酸性でないところでもスギナが繁茂した

昨日、下記のような話題が挙がった。スギナは酸性土壌を好むらしい畑のど真ん中にスギナが繁茂している畑がある。スギナは酸性土壌の指標だと言われているけれども、栽培終了後の土壌分析のpHの値を確認すると理想値で、おそらく栽培中でもpHは下がらなかったのに何で?スギナはpHは関係ないんじゃないの?という話題になった。統計データを扱う時は最初に数字、その後にその数字の要因は何か?の手順で考察しなければ真実に近づかないのは常ということで、スギナの発生の要因から

 

強力な温室効果ガスの一酸化二窒素

昨年のちょうど今頃、大気中の温室効果ガスを減らしたいという記事で地球の温暖化により台風の被害は年々増す可能性があるという内容を紹介した。昨今の地球温暖化は地球の周期で暑くなっているという説もあるけれども、温室効果ガスの方が騒がれていて、騒がれている内容を解決しつつ物事をシンプルにしながら前進するのが常なので、温室効果ガスの削減に貢献出来ることはないか?と模索してみる。温室効果ガスは二酸化炭素や牛のゲップ等で発生するメタンだと言われているが、今一度温室効果ガスについて触れてみると、

 

安満遺跡公園で高槻の土についての話をしました

高槻の安満遺跡公園の工作室で高槻の土を攻略するという題で土についてわかっていることの話をしました。話はセミナーの一日前に戻って、前日にファームプロさんを高槻の本山寺まで案内しました。株式会社ファームプロ – 消費者と農業者とが関わり合う社会を目指し、 「農」の価値向上のために様々なサービスを開発していきます本山寺といえば、砂岩や泥岩の層の間に海底火山の跡である枕状溶岩が観察できる場所で、母岩によって風化した後に形成される土の差が

 

梅雨の時期のキノコたち

梅雨真っ最中。激しい雨が降ったと思ったら雨が止み、時々小雨が降るといった日が続く。気温は高く湿気も高い。そんな中、落ち葉が堆積して、その上にコケが生えているところにキノコが目立つ。フェアリーリング(菌輪)のような生え方だけれども、この個所は狭いから四角になるようにキノコが生えている。菌輪 - WIkipediaコケは水を含み、コケの下の有機物は湿った状態で、キノコの菌は活発になっているのだろう。コケを理解したければ霧吹きを持てというけれ

 

風化して崩れた斜面にキノコ

久しぶりに高槻のポンポン山の山頂付近に行った。山頂の手前にある本山寺の更にちょっと手前に海底火山の痕跡である枕状溶岩がある。枕状溶岩と出会いに高槻の本山寺へ今回は栽培に興味がある方にこの枕状溶岩から得られる知見を紹介する為に本山寺に向かったわけだけれども、途中の露頭というか風化して崩れた個所の一部に目が行った。地表から1m付近にキノコが生えていた。この露頭は木の根がしっかりと生えていることも確認出来る個所なわけで、おそらくこ

 

殺菌剤とブドウの品質

地形と土壌とテロワールに引き続き、ワインの原料となるブドウの品質について。河出書房新社から出版されている新しいワインの科学という本に農薬とブドウの品質の話題があった。農薬を使用するとワインの品質に影響があるか?というもので、ボルドー液を例に話が進んでいた。ボルドー液といえば、硫酸銅と消石灰を混合して作成した殺菌剤の事で、銅の強い結合力に期待した農薬となっている。銅の機能を活かした農薬、ボルドー液チョコクロワッサンさんによる写真ACからの写真この

 

地形と土壌とテロワール

cheetahさんによる写真ACからの写真前回のテロワールとミネラル感の記事でワインの品質の地域性について触れた。テロワールとミネラル感は抽象度合いが高くて難しい概念であって賛否両論がある。ミネラル感についても同様だ。そんな中で、河出書房新社から出版されている新しいワインの科学という本にテロワールに関して興味深い文面があった。apfelさんによる写真ACからの写真/********************************

 

テロワールとミネラル感

cheetahさんによる写真ACからの写真ワインの熟成から土の形成を考えるまでの記事でワインの醸造からポリフェノールの化学反応の話題を見てきた。その時に参考にした本は、河出書房新社から出版されている新しいワインの科学という本だ。赤いブドウの色素この本は大きく分けて3部構成になっていて、最初の部がワインの原料となるブドウの栽培に関すること次の部がワインの発酵と熟成最後の部がワインの健康効果となっている。このブログでは最初に二部の内容か

 

ワインの熟成から土の形成を考える

cheetahさんによる写真ACからの写真ワイン栓のコルクと熟成の記事まででポリフェノールが酸化により重合していくことをみた。ワインは絶妙な酸素の管理によってポリフェノールを適度な変化に留めるが、熟成に糸状菌あたりが酸化が進み入り込むとそうはいかないらしい。※赤ワインの酸化が進むと褐変するらしい。これらの反応を見て、ワインの熟成は土の形成を制限したもののように見えてきた。アルミニウムの結合力とポリフェノールの吸着性土の形成を制限したものであるとする

 

田の水が濁り続ける原因を探る

前回の水田の水が濁ったままだの記事で畑作の連作を行った畑で土を休ませる目的で水田を行う田で、入水後に水が全然澄まないという状況になったそうだ。濁るというのは泥がなかなか沈殿しないからというのが真先に思いつくことだけれども、もう少し丁寧に考えると何らかの物質がコロイド化していて、コロイド化しているものが非常に小さくてちょっとした水の流れでも再び浮上しているということが考えられる。先にコロイドについて触れておきたいところだけれども、コロイドについては過

 

水田の水が濁ったままだ

某水田にて、田に入水した後、しばらく待っても、水が一行に澄まず、底が見えないという話題になった。一般的には入水後は一時濁って、田によっては表面が緑になって、春の入水後に緑藻が繁茂したしばらくすると水が澄んで底の泥が見えるようになる。今回は田の水がいつまで経っても澄まない理由について考えてみることにする。はじめに話題に挙がっている水田の栽培履歴を確認すると、水田から畑作に転換したところで、とある作物を長年連作し

 

刈草の下に大量のワラジムシたち

土に穴を掘って、穴に生ゴミを入れて土を被せ、その上に刈り草を被せた。数日後に刈り草の下を見てみると、ダンゴムシとワラジムシが土を埋め尽くすように大量に増殖していた。これらの虫はデトリタスなので土に埋めた生ゴミが急速に減っていく。ラッカセイは何故子葉を低いところで展開するのだろう※上記の虫が大量にいるところの写真は控えた前回の土壌中にメラニンを分解する菌は居るのか?までの記事で気になることといえば、ダンゴムシやワラジムシの殻の色素だろう。

 

土壌中にメラニンを分解する菌は居るのか?

キイロイトリさんによる写真ACからの写真カブトムシの黒色は何の色素?の記事でカブトムシを含む昆虫の黒色はメラニンに因るものだと記載した。メラニンといえば、美容におけるシミやそばかすの類で増えたら困るというイメージがある。シミ消しという言葉があるように、おそらくメラニンを分解するということは盛んに行われているはず。分解と言えば酵素なので、酵素系の研究といえば土壌中に微生物からの探索が主なので、メラニン分解の研究を辿ればメラニンが土壌に還る仕組みのヒントが

 

露地野菜の連作の間に稲作をかます意義

京都市内で営農されている方の間で、ネギの連作で土が疲弊してきたら、一度水田にしてイネの栽培をかますことで土を回復させるという話が時々挙がる。回復という表現はおそらく春の入水畑に入水することによって、水に溶けているミネラルやコロイド化した粘土鉱物が入ってきて、土壌粒子の構成を変える意味合いもあるだろうけれども、土壌に残留していた肥料分を水に溶かして排出するという意味合いもあるだろう。…と思っていたけれども、残留していた肥料分を水に溶

 

アルミニウムの結合力とポリフェノールの吸着性

これは先日道端で落ちていた落ち葉。この葉が緑色だった時に合成されたポリフェノールが落葉の前後で変化後、葉にあった色素が落ちて褐色が目立つようになったのだろう。これは熟成した腐葉土で、葉が真っ黒くなっている。土壌の糸状菌あたりに葉に含まれていたポリフェノールが酸化重合を繰り返して、様々な光を吸収してしまうような物質へと変化したのだろう。ニセアカシアのアレロパシーの記事で記載した/**************************************

 

昔、京都南部に巨椋池という大きな池があったらしい

京都市南部に巨椋池(おぐらいけ)という地名がある。池という文字が含まれているが、宇治川が東西に流れるだけで、池らしきものが見当たらない。所謂、干拓事業によって池はなくなり農地となった歴史がある。Wikipediaによると、京都競馬場にある池が巨椋池の名残だという話があるらしい。巨椋池 - Wikipedia干拓というのは、山から海へ川という名で水が流れる際に、どこかしらでせき止めて山からの土砂を堆積させる手法で、佐賀平野は元々海だったかもしれな

 

春の入水

近所の田が水を入れ始めている。入水を知ってか、※持っていたデジカメのズームではこれが限界田の周りに鳥が飛び交っている。これはこの時期の風物詩みたいなもの。きっと、突然水が入り込んだ環境で、土壌中にいた虫たちが急いで地表に現れたのだろう。それを鳥が食べる。土壌中の虫にとっては今まで更地だったのが、突然沼のような環境に変わるなんて天変地異並の変化だろう。虫の視点になってみると、今まで住んでいた場所が突然沈む。沈む前に急い

 

スギナは酸性土壌を好むらしい

前回のハーブティーSUGINAの記事で、スギナ茶を購入して飲んだことを記載した。栽培でのスギナといえば、酸性指標植物で栽培しにくい土で繁茂するということ、一度生えたら除草が大変ということも合わさり、栽培者から厄介な草として認識されることが多い。土壌の酸性具合に気を付けろ酸性土壌の障害といえば、土壌の粘土鉱物から活性アルミナ(水酸化アルミニウム)が溶出し、それが周辺の植物の根を痛め伸長を止めることがあり、スギナはこの手の土壌環境に強いから目立つ。可溶性ケイ酸

 

苦土が多い不思議な砂質土

福岡県糸島市で一緒に来て欲しいと言われた畑に行ってきた。この土壌分析の結果は事前に渡されたものだ。測定の方法が正しいとして、苦土(マグネシウム)の量が人為的に施肥していくものではない。この手のパターンは京都北部の舞鶴の蛇紋岩の地域に似ているが、それにしてはカリウムが多い気がする。京都北部の舞鶴全般の土壌の考察事前に見ておいた地質図を挙げておくと、20万分の1日本シームレス地質図辺り一面花崗岩(ピンク)の地域であって、南の方に少しだけ超苦

 

佐賀平野は元々海だったかもしれない

佐賀平野に黄金色の麦畑が広がる前回の記事で佐賀平野に訪れ、辺り一面、収穫期を迎えたムギ畑が広がっていたという記事を記載した。このムギの用途はわからないけれども、知人の知人が大麦を麦茶の原料にしているということだった。辺り一面のムギ畑は近々収穫され、直後にイネの栽培を開始するそうだ。所謂イネとムギの二毛作だ。ここまでムギが盛んに栽培されているのは、佐賀平野がムギの栽培に適しているからなのだろうか?佐賀平野で栽培されている方から、昔、この辺りは

 

落ち葉のハンバーグ

食品残渣系の堆肥にダニが湧いたから始まったダニの話。ダニは他の八本足の節足動物と異なり、様々な食性があって多様性がある。人の社会に有害だとされるダニは今の所全体の1割程とされ、今後のダニ学の発展によって、有害のダニの割合は下がっていくものと思われる。その中で有害で割る目立ちするダニとして、ホウレンソウとダニの話とナスの施設栽培に迫りくる脅威を紹介した。これらを踏まえた上で、バークの下の落ち葉たち最初の話題であった。ハウスミカンのハウス内で試しに

 

酸素供給剤についての可能性に迫る

先日の京都八幡のとらこ株式会社さんで堆肥の有効活用の話をしましたの際にこれからの栽培には酸素供給剤が重要な要素になるだろうという話題になった。今まで投稿して記事を改めてみると、酸素供給剤は酸素の放出以外にも価値があるように思えてきて、今一度酸素供給剤についてまとめてみることにする。酸素供給剤というのはその名の通り、酸素が発生する肥料のことを指す。酸素供給剤は過酸化石灰(CaO2)というもので水に触れると下記の反応になる。CaO2 + 2H2O → C

 

食品残渣系の堆肥にダニが湧いた

バークの下の落ち葉たち先月訪れた佐賀のハウスみかんのハウス内で、様々の堆肥を試しているが、食品残渣からダニが大量に発生した。これらのダニは問題ないのでしょうか?という話題が挙がった。この話題の後にダニって何なのだろう?と検索してみたが、総論的なものが見つからなかったので、朝倉書店から出版されているダニのはなし -人間との関わり-という本を購入して読んでみた。ダニというのは何なのか?から整理すると、ダニはクモと近縁でクモとの大きな違いは頭、胸と腹の区

 

植物生育促進根圏細菌(PGPR)のこと

植物の病気に関する本を読んでいたら、とある文章が目についた。/******************************************************/植物病原細菌を含む多くの細菌はその増殖に必要な鉄イオンFe3+を菌体内に取り込むために、シデロフォアと呼ばれる低分子のキレート物質を菌体外に分泌する。菌体外に分泌されたシデロフォアは鉄イオンと結合するが、この複合体は細胞壁にあるレセプターを経由して菌体内に輸送される。その結果、シデロフォアを多く生産する植物生育促進

 

木の根の下の土は自然に去っていった

近所の山を登ると、木の根が露出している箇所がある。この山に限らず、上の写真のような木の根が露出している箇所は良く見かける。いくつかの木の根の下の土はボロボロと崩れ落ち、木の根は木化して注に浮いている。おそらくこの場所の数十年前は、これらの根は露出せず土に埋まっていたのだろうな。山は時間が経つと低く平らの形状に近づくというけれども、木の根が土を風化しつつ養分を取ることで山の形状を変えるのだろうな。お

 

エノコロと師の言葉とアレロパシー

エノコロを見て思い出した師の言葉の先にあるもの栽培の師は休ませている畑でエノコロを見て思い出す師の言葉エノコログサ(ネコジャラシ)が人の背丈程に伸長してあたり一面に広がったら、次の栽培ではとても良い作物が収穫出来ると言っていた。エノコログサは単子葉のイネ科で根が強く、C4型光合成を行うので夏の暑い日に周辺の植物よりも多くの光合成を行う。C4型光合成の二酸化炭素濃縮もしかしたら、酸性土壌にも強いかもしれない。植物由来のケイ酸塩鉱物、プラント・オパ

 

イネ科緑肥の再考のアレロパシー編

エンバクのアレロパシー前回、イネ科の緑肥のエンバクのアレロパシーを見た。緑肥という言葉で連想するのが、マルチムギが劣化土壌に果敢に挑む昨年、素晴らしい成果を挙げたネギの間にマルチムギの混作だろう。スギナが繁茂するような土壌を改善しつつ、アザミウマの防除とネギの生育が同時に良くなったという結果があった。イネ科緑肥の効果、再考の再考この時はコムギにある活性アルミナ耐性を挙げて話を進めたけれども、もしかしたらアレロパシー物質の方を見ても面白いことがあ


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