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プログラミング教材開発
大阪府高槻市原地区で肥料教室を開いています
検索キーワード:「植生」
 

限りなき旅路

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10年間毎日投稿を続けた筆者が、節目を振り返ります。この10年で最も印象深かったのは「緑色片岩」との出会いです。全国各地を巡り、土の始まりである母岩の理解を深める中で、それが農業生産性、特に稲作の品質と密接に関わることを発見しました。また、緑色の岩石には興味深い地域の伝承や日本の歴史との繋がりがあることも知りました。得られた知見を協力者の田で実践し、米の品質・収量を地域トップクラスに向上させ、講演の機会も得ました。今後は知見を共有し、学びの「限りなき旅路」を続けると結んでいます。

 

蛇紋岩土壌は植物にとって過酷な環境

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蛇紋岩土壌は、貧栄養、高重金属、高pHといった特徴から植物にとって過酷な環境です。特にニッケル過剰が問題で、植物は鉄欠乏に似た症状を示します。ニッケルは鉄の吸収を阻害するのではなく、鉄と同時に吸収され、鉄の本来の場所にニッケルが入り込むことで、植物は鉄欠乏だと錯覚し、更なる鉄とニッケルの吸収を招き、悪循環に陥ります。しかし、蛇紋岩土壌にも適応した植物が存在し、その耐性メカニズムを理解することが、この土壌での栽培攻略につながります。

 

石垣にマツ

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石垣から生えている植物の中にマツの木を見つけ、その成長について疑問を感じています。石垣には草が生えているのはよく見ますが、マツのような木が生えているのは珍しいと感じ、今後の成長が気になっています。以前、山のマツについての記事でアカマツの植生について触れましたが、今回のマツも大きく成長する可能性があるのでしょうか。

 

古墳時代の人々はどのようにして適地を見つけたのか?

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古墳時代の人々は、神聖な場所や果樹の適地を探す際に、緑色岩帯を好んで選んでいました。現代のような道路や地質図がない時代、彼らはどのように適地を見つけていたのでしょうか? 彼らは、断層によってできた谷や川岸、海岸線などの自然の地形を道として利用していました。そして、山中の地質を直接確認するのは難しいため、川や海岸に転がる石に着目していたと考えられます。川の石は、その地域の地質を反映しているからです。 彼らは、川辺を歩きながら石を観察し、緑色岩帯の指標となる特徴的な石を見つけることで、目的の場所へとたどり着いていたのかもしれません。

 

古代史の船の材木は何か?

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古代日本では、船の材木は地域によって異なり、瀬戸内や太平洋側ではクスノキ、日本海側ではスギが用いられました。 クスノキは史前帰化植物で、薬や防虫剤として利用価値が高く、植林された可能性もあります。大きなクスノキは深い森で育つため、古代においては、森と人の生活圏のバランスが重要だったと考えられます。

 

琉球石灰岩帯の森林にて、大きな単葉のシダと出会う

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琉球石灰岩帯の森林で、巨大な単葉を持つシダ植物に出会いました。あまりの大きさに圧倒されましたが、図鑑で調べたところ、オオタニワタリというチャセンシダ科のシダに似ています。亜熱帯に生息するシダですが、温暖化の影響で北上しているとのことで、いつか私の住む大阪でも見られる日が来るかもしれません。

 

荒廃した土に居続けるやばい草

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酷使された土に、強い毒性とアレロパシーを持つ特定外来生物「ナルトサワギク」が繁殖しています。繁殖力の強さから、土壌改善なしに駆除は難しいでしょう。土壌が良くなれば、ナルトサワギクは生育が遅くなり、他の植物が優勢になるため、結果的にナルトサワギクの生育域は狭まります。根本的な解決のためには、土壌改善が必須です。具体的な方法として、物理性の改善とレンゲの栽培が有効です。

 

レンゲ米の田にナズナのタネが大量に落ちた

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レンゲ米の田んぼに、ナズナが大量に種を落とした。ナズナの種は夏期の稲作時に大半が死滅すると言われているが、今年は中干し無しの稲作だったため、例年より多くのナズナが発芽した。中干し無しの環境がナズナの種の生存に影響を与えた可能性があり、酸素不足や温度変化の抑制が休眠打破を妨げた可能性が考えられる。もし稲作の中後期にナズナの種が死滅するなら、イネにリン酸や微量要素を供給してくれるので有益である。

 

レンゲとナズナは共存しているのか?

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レンゲを播種した田んぼで、ナズナが一面に繁茂し、レンゲと共存している様子が観察されています。筆者は、ナズナの旺盛な生育がレンゲにどのような影響を与えるのか、また、レンゲの播種密度を上げると土壌への影響がさらに大きくなるのではないかと考察しています。これは、過去にクローバ畑がエノコログサに覆われた経験から、緑肥の播種によって小規模ながら生態系の遷移が見られると期待しているためです。

 

鉄塔の下の植生

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レンゲの播種と耕耘により、造成地の物理性が改善され、雑草の発生が抑制された。レンゲは土壌中の窒素量を増やし、土壌の硬さを改善する効果があった。しかし、レンゲ以外の植物の侵入は少なく、植生の多様性は低いままだった。今後の課題として、多様な植物の生育を促すための環境整備が必要であることが示唆された。

 

固い土に単子葉の草々

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土壌改良により土壌の物理性が向上すると、特定の単子葉植物の生育が抑制される可能性があるという観察記録です。 筆者は、固い土壌を好むが養分競争に弱い単子葉植物が存在すると推測し、土壌改良によってレンゲやナズナなどの競合植物が旺盛に生育することで、単子葉植物の生育が阻害されると考えています。 この観察から、土壌改良初期にはソルガムやエンバクを、その後は土壌生態系のバランスを整えるために緑肥アブラナを使用するなど、緑肥の種類選定の重要性を指摘しています。

 

物理性の改善 + レンゲの栽培で植生は変化したか?

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筆者は、レンゲ畑がナズナで覆われた理由について、物理性の改善による土壌の変化でレンゲが育ちにくくなった可能性を考察しています。 昨年はレンゲが中心部を占めていたのに対し、今年はナズナが広がりレンゲの勢いが弱いためです。 物理性の改善は稲作にプラスですが、レンゲの生育に影響した可能性があり、今後の観察を通して緑肥としてのレンゲに代わる選択肢も検討する必要性を感じています。

 

農薬や化学肥料を使用して栽培すると野菜が育たない環境になるという意見に対して3

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この記事では、植物性の有機物を土に投入することの重要性を論じています。 植物性の有機物を土に投入しないと、土の物理性が悪化し、スベリヒユやヤブガラシのような除草剤が効きにくい雑草が生えやすくなります。一方、植物性の有機物を投入した土壌では、シロザのような抜きやすい雑草が生え、除草作業が楽になります。 さらに、トラクターや自走式草刈り機などの機械化と組み合わせることで、理想的な植生管理が可能となり、管理コストの削減と利益率の向上につながると結論付けています。

 

ブナ科の幼木の周りのエノコロたち

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街路樹のクヌギの幼木の根元に、エノコロ、メヒシバ、スギナが生えている。これは、スギナをマルチムギが囲む「鉄の吸収とアルミニウムの無毒化」で見た状況に似ている。幼木は健全なので、エノコロなどの草が生える環境は、木の根付きに良い影響を与えるのだろうか?という疑問が生じた。公園の植林木を観察すれば、この疑問を解消できるかもしれない。

 

サクラの根元の草たち

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桜並木の根元の草むらの様子を観察したところ、繁茂している場所とそうでない場所、生えている草の種類が異なる場所があった。桜はアレロパシー作用を持つクマリンを葉に含むため、木の大きさ(樹齢)と根元の植生に関係があるかもしれない、という考察をしている。

 

京都御苑でツクバネガシと出会う

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下鴨神社の糺の森に続き、京都御苑でドングリ探し。マツの多い林で、毛深い殻斗のドングリを発見。高槻の本山寺で見たアカガシに似ているが、京都御苑の標高ではアカガシは生育しない。そこで、アカガシに似たドングリを持つツクバネガシの存在を思い出し、京都御苑の植生情報でツクバネガシの存在を確認。人の手で植えられたと推測しつつ、自身の知識向上を実感。記録として葉と幹の写真も撮影。幹には薬のようなものが塗られていた。

 

糺の森でドングリを拾う

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用事で京都の出町柳へ行った際、下鴨神社の糺の森で木を観察した。泉川沿いでマテバシイ属らしき木を見つけ、足元を探すと殻斗が融合したドングリを発見。ドングリの形状からマテバシイ属の可能性が高いが、葉が馬刀葉ではないためシリブカガシではないかと推測。糺の森の植生情報を確認すると、シリブカガシの存在が記載されていた。以前は毎日近くを歩いていたにも関わらず、最近探していた木に偶然出会えたことに不思議な感慨を抱いた。

 

シイ林の林床にて

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若山神社のシイ林には、カシ林との棲み分け以外に、参道によるギャップダイナミクスが見られる。参道は林冠が途切れて光が差し込むため、周囲とは異なる植生が現れる。具体的には、ツバキ科のサザンカ(おそらく八重咲き)が植えられていた。八重咲きは雄蕊が花弁に変化したもので、自然種ではなく人為的に植えられた可能性が高い。人がサザンカの生育に適した場所として参道を選んだことは、森林生態系の理解に繋がる貴重な知見となる。

 

本山寺の枕状溶岩の上を歩いて土を見る

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高槻の本山寺境内には砂岩頁岩互層と枕状溶岩(玄武岩)が近距離で露出し、土壌形成の違いを観察できる貴重な場所が存在する。アカガシのドングリ拾いの際、旧参道でこの露頭の上を歩き、土壌の違いを確認した。砂岩頁岩互層上の土壌は薄く砂っぽいのに対し、枕状溶岩上の土壌は黒く、肥沃な黒ボク土のようだった。これは母岩の違いによるものと考えられる。緑泥石の風化過程も観察でき、砂岩と玄武岩という異なる母岩による植生の違いも今後の観察課題とした。本山寺は土壌形成と植生の関係を学ぶ上で有益な場所である。

 

若山神社のシイ林を囲むようにカシ林

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縄文時代、温暖化による海面上昇(縄文海進)で大阪平野の大部分は海に沈み、上町台地は半島となった。この海進期に堆積した地層が大阪層群で、砂や粘土、礫などで構成される。闘鶏山古墳はこの上町台地の北端に位置し、大阪層群の上に築造された。古墳時代、海は後退し陸地が広がっていたが、古墳造営には安定した地盤が必要だったため、大阪層群が露出した上町台地が選ばれたと考えられる。つまり、闘鶏山古墳の立地は縄文海進と大阪層群の形成、そしてその後の海退という地球規模の環境変遷と密接に結びついている。

 

ブナを探しに大阪北部の妙見山へ

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大阪北部の妙見山(標高660m)でブナの自生を確認した。妙見山は西南日本のブナ生育の低標高南限地として知られる。冬の訪問だったため葉の観察はできなかったが、殻斗付きの堅果を発見。一つの殻斗に二つの堅果が入っており、シイ属の殻斗に、クリ属の複数堅果の特徴を併せ持つ。ブナはブナ科で古くに分かれた属であり、他属との比較から多くの知見が得られる。妙見山の標高の低さも考察対象となるが、今回はここまでとする。

 

休耕田の草たち

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休耕田の雑草の茂り具合から、耕作放棄地でも草ぼうぼうにならないことを観察した筆者は、土壌の状態について考察している。夏草、スギナ、ロゼット系の秋冬の草が共存する様子から、かつての稲作による土壌への負担が大きかったのではないかと推測し、自然回復には時間がかかると予想する。NPK肥料のみの管理に限界を感じ、土壌改善の必要性を訴えている。関連記事では、レンゲの播種時期について触れ、持続可能な農業への関心を示唆している。

 

川のオギたちがケイ素を吸収している

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川辺に群生するオギは、水からケイ素などを吸収して生育する。著者はかつて師匠が河川敷の刈草を畑に入れ、土壌を改善していたのを想起する。しかし、イネ科作物である稲作では、同じイネ科のオギをそのまま利用しても効果は薄いだろうと推測。そこで、オギの穂が実る前に刈り取り、堆肥化して秋のレンゲ栽培に用いることを提案する。これにより、ケイ素などミネラル分の供給、レンゲの生育促進、ひいては夏の猛暑対策といった複数の課題解決につながると期待している。

 

長崎県諫早市の諫早公園に行ってきた

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仕事で諫早市を訪れ、諫早公園の眼鏡橋を見学。橋を渡った先には露頭があり、700万年前からの火山岩屑なだれの堆積物と判明。地衣類や苔で風化した白い粒子と黒い腐植が露出し、脆く崩れやすい凝灰岩の可能性を考察。木の根が岩に入り込んでいる様子から、風化のしやすさが木の生育に影響を与えていると推測。諫早公園は眼鏡橋だけでなく、国指定天然記念物の暖地性樹叢もあり、樹木の生育と地質の関連性を示唆する興味深い場所だった。

 

ホンモンジゴケ(銅コケ)と出会う

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コケを理解するには、霧吹きが必須である。乾燥したコケに霧吹きをかけると、葉が開き、本来の姿が現れる。これは、コケが維管束を持たず、水分を体表から吸収するため。乾燥時は葉を閉じて休眠状態になり、水分を得ると光合成を再開する。霧吹きは、コケの観察だけでなく、写真撮影にも重要。水分の吸収過程や葉の開閉の様子を鮮明に捉えることができる。また、種類によっては葉の色が変化するものもあり、霧吹きはコケの真の姿や生態を知るための重要なツールとなる。

 

緩やかな傾斜地の芝生にクズ

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六呂師高原の池ケ原湿原の上部の緩斜面は、芝生のような植生で覆われている。しかし、一部でクズが繁茂しているのが確認された。クズは繁殖力が強く、放置すると辺り一面を覆ってしまう。もし牛がこの場所を放牧地として利用し、クズを好んで食べれば、クズの繁茂は抑えられるかもしれない。しかし、実際にはこの場所は放牧地ではないため、牛がクズを食べるかどうかはここでは無意味な問いである。

 

突然の入水が草たちの住処を奪う

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近所の水田で水入れが始まり、それに伴い水路の環境が大きく変化。これまで土が堆積し草が繁茂していた場所は一転して水没し、草たちの生存が危ぶまれている状況です。地域全体の入水が終わるまで水が引くことはなく、多くの植物がその住処を失う危機に直面しています。しかし、厳しい環境の中でも、画面中央のシバは水に浮き、葉の一部を水面に出してたくましく生き残ろうとしている様子が伺えます。この出来事は、自然の営みによる環境変化と、それに適応し力強く生き抜こうとする植物たちの生命力の強さを改めて印象付けるものとなりました。

 

ミカンの栽培跡に現れた草たち

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マルチムギは、劣化した土壌でも生育できる特性から、土壌改良に役立つ可能性を持つ。記事では、マルチムギとエンバクを用いた緑肥栽培の実験を通して、劣悪な環境におけるマルチムギの成長力と土壌への影響を検証している。 粘土質でpHが低く、栄養不足の土壌にマルチムギを播種した結果、他の植物が生育困難な環境でも旺盛に成長し、土壌被覆率を高めた。一方、エンバクは生育不良だった。マルチムギは高い窒素固定能力を持つため、緑肥として土壌に鋤き込むことで窒素供給源となる。また、旺盛な根の成長は土壌の物理性を改善する効果も期待できる。 実験は初期段階だが、マルチムギは劣化土壌の回復に貢献する有望な植物であることが示唆されている。今後の研究で、更なる効果検証と実用化に向けた取り組みが期待される。

 

ヤブガラシは栽培者に何を伝えるのか?

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栽培地に生える草の植生は土作りの段階で変化し、栄養価の高い土壌ではナズナやホトケノザが増加する。これらの草は厄介な雑草の生育を抑えるため、土壌の環境が整うと雑草の種子が発芽しにくい状況になる。 一方、日陰でひっそりと生えるヤブガラシは、土壌の栄養状態に関係なく生育できる。そのため、ヤブガラシの存在は、土壌の栄養状態が悪い、もしくは除草が十分に行われていないことを栽培者に示している可能性がある。 ヤブガラシは、雑草の生育が旺盛な土壌よりも、ナズナやホトケノザなどのより丈夫な草が生える土壌で最後に残る可能性がある。つまり、栽培者が除草を怠っていると、ヤブガラシが土壌の健康状態に関する情報を提供している場合がある。

 

栽培環境は草達が教えてくれる

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土壌改良の指標として、特定の雑草の植生変化が有効である。酸性土壌を好むヤブガラシが減少し、微酸性〜中性の土壌を好むシロザ、ホトケノザ、ナズナ、ハコベが増加した場合、土壌pHが改善され、理想的なpH6.5に近づいている可能性が高い。これは、土壌シードバンクの考え方からも裏付けられる。 土壌pHの安定化は、炭酸塩施肥や植物性堆肥の蓄積によって実現するが、特に後者は土壌改良の他の要素向上にも繋がるため、植生変化は精度の高い指標となる。加えて、シロザは次世代の緑肥としても有望視されている。

 

日本三景松島

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宮城県の松島は、日本三景の一つであり、典型的なリアス式海岸の地形です。多くの小島は、凝灰岩、砂岩、礫岩などの侵食されやすい堆積岩で形成されています。これらの地層が隆起した後、地震による沈降で溺れ谷に海水が入り込み、現在の多島海が形成されました。松島湾の水深が浅いのは、地震による地盤沈降の繰り返しが原因です。他のリアス式海岸も同様に、地殻変動と侵食作用によって形成されたと考えられます。

 

川と木々が巌立を削る

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飛騨小坂の巌立峡では、川による侵食作用が地形形成に大きな影響を与えている。エメラルドグリーンの川は美しく、特に11月は水が澄んでいる。巌立の絶壁下部には土壌と礫が堆積しており、川が岩を削り、土壌を形成した痕跡が見られる。上部では岩の隙間に風化した黒い土が入り込み、植物が生育している。川は下から、植物は上から、長い時間をかけて巌立を侵食している。5万年かけて川が巌立を分断した事実は、川による侵食力の強さを示す。地形変化の主役は川であり、そこにはドラマがある。だからこそ、山だけでなく川にも注目する必要がある。

 

長雨や台風は大切な資源を削っていく

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筆者は巌立峡の展望台を目指したが、超大型台風による土砂崩れで通行止めになっていた。自然災害の威力に落胆しつつ、近年の台風の大型化と人の活動、特にアジア諸国の発展による温暖化の関係についてNHKのニュースで見たことを想起する。PM2.5等の影響にも触れ、台風や長雨による地形への影響を懸念する。自身にできることを模索し、工業製品の使用量を減らす、農薬の使用量を減らす活動などを検討する。現代社会の恩恵を受けている以上、工業製品の使用を完全に断つことは難しいとしながらも、天気と向き合い、できることから取り組む必要性を感じている。

 

高知県立牧野植物園の門の前に立つ

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高知市内で2時間の空き時間を利用し、牧野富太郎博士ゆかりの高知県立牧野植物園を訪れたが、時間の制約で門までしか行けなかった。牧野博士は植物学の父と称される偉人で、その植物園には石灰岩植生園と蛇紋岩植生園があることを知り、植物栽培以外にも役立つ情報があると確信。再訪を誓い、山を降りた。

 

級化層理、どちらが上か?

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城ヶ島の砂岩層に見られる級化層理から地層の上下を判断する方法について解説されています。級化層理とは、水中での粒子の沈降速度の違いにより、粗い粒子から細かい粒子へと粒径が変化する堆積構造です。写真では砂岩層の左(南)側が粒径が細かく、右(北)側が粗いため、級化層理の法則(細かい方が上)に従い、左上が新しい地層と判断できます。この知識は、今後の植生観察にも役立つと述べられています。

 

蛇紋岩地植物群

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蛇紋岩地帯は、マグネシウムと鉄が多く、窒素、リン酸、カリウムが少ない特殊な土壌環境です。蛇紋岩はかんらん岩が水と反応して生成され、この過程で磁鉄鉱と水素も発生します。このため、蛇紋岩の山は磁性を帯びています。 土壌はpHが高く、蛇紋石は粘土鉱物であるものの、腐植蓄積は少ないと予想されます。一般的な植物はマグネシウム過多とカリウム欠乏で吸水障害を起こしますが、一部の植物は適応し「蛇紋岩地植物群」を形成します。水田には利点がある一方、畑作では対策が必要です。また、高pHのため土壌中の鉄が溶脱しにくく、鉄欠乏も起こりやすい環境です。

 

黒ボク土は本当に良い土なのか?前編

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黒ボク土は通気性・保水性に優れる反面、アルミニウム障害という問題を抱えています。本稿では、黒ボク土の形成過程を、粘土鉱物であるアロフェンと非アロフェンに着目して解説しています。黒ボク土は、玄武岩質火山灰を基材とし、アロフェン質と非アロフェン質に分類されます。非アロフェン質はベントナイトなどの2:1型粘土鉱物ですが、アロフェン質は火山ガラスから生成されるアロフェンを含みます。アロフェンの生成には玄武岩質火山灰由来の成分が関与していると考えられています。

 

玄武岩質的な火山灰土壌の色は黒だった

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夜久野高原の宝山付近で赤い土を確認後、周辺の畑の土壌を観察したところ、黒い黒ボク土であった。黒ボク土は玄武岩質火山灰、腐植、冷涼な気候が条件となるが、宝山は冬季に雪が残るため条件を満たす。大陸の赤い土とは異なり、水分豊富な日本では赤い土壌の形成は難しい。奄美大島など一部地域を除き、良質な土壌の条件は局所的である。宝山から車で10分ほど移動すると京都特有の白い土壌に変化し、土壌の違いを改めて実感した。日本シームレス地質図を活用すれば、このような土壌分布の理解が深まる。

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