活性炭素種と鉄剤は反応して、反応性が高い活性種になるのか?の記事で、アサヒバイオサイクル社のX-RCSの技術である活性炭素種についての理解を深めるために色々と調べている最中にX-RCSの製造中にメイラード反応が起こる可能性があり、それについて気になったので脱線した。
今回はとりあえず拙い知識をフル動員して、考えていくことにする。
酵母の細胞壁のβ-グルカンを水熱処理をすることで、

還元糖であるグルコースを大量に得たとする。
砂糖水との大きな違いは砂糖水の方は糖が二個繋がったショ糖が多いとして、水熱処理で得られた方は単糖が多いとする。
溶液中のグルコースは上の図のような環状構造と

開裂した鎖状構造のどちらかをとる。
水熱処理後の溶液では単糖の量が多いため、鎖状構造の状態も当然多いと考えられる。
糖の還元性の記事で記載したが、鎖状構造の一番上の炭素(C-1)を含んだアルデヒド基(-CHO)は還元性を持つ。
鎖状構造のグルコースに酸化した鉄粉が触れると、C-1の左側の水素が外れて、酸化鉄に電子が一つ移り、鉄を還元する。
書き方には自信はないが、

こんな感じになるのかな。
アルデヒド基(-CHO)は酸化することでカルボキシ基(-COOH)になるので、還元剤として作用したグルコースが更に酸化されると何になるのか気になったので検索をしてみたら、

グルコン酸という化合物があるそうだ。
還元糖としてのグルコースと、酸化された状態のグルコン酸という関係から、活性炭素種(炭素ラジカル)が二価鉄から電子を受け取ったとしても、過酸化水素から強力な酸化作用を有するヒドロキシラジカルが発生するような事はないのだろうなとイメージできる。
最後にWikipediaに記載されている内容を読んでみたら、グルコン酸は強力なキレート剤になるそうだ。
X-RCSが優秀な鉄剤としても扱われる理由が薄っすらと見えてみた。
参考にした資料
植田光洋 有機分子触媒を用いた反応開発:炭素ラジカル種の生成と活用 - 化学と教育 64巻10号(2016 年)



