最近、コケ、シダや藻を見ている理由として、地球全体の二酸化炭素の収支を理解する上で光合成を把握する必要があると感じたところが非常に大きい。
他にも大きな理由があるけれども、その内容は後日にして、今は触れないでおく。
先日、塩類集積を起こしているハウスの中で、
陸上で生きる藻である土壌藻に触れた。
水を頻繁に与えているところ、EC過多の土壌でこれらの藻はよく見かける。
慣習的に土壌に藻(コケと呼ばれることが多い)を生やすなということを良く聞く。
藻やコケが生えるところは栽培上不利である環境になるが、もしかしたら藻やコケが作物にとっての高ストレスな環境において、ストレスを緩和することに貢献している可能性があるかもしれない。
コケを理解して環境を把握出来るように、藻を理解することでも環境を理解出来るようになるかもしれない。
新しいことに触れる時、最初は書籍からということが常なので、
株式会社成山堂書店から出版されている応用微細藻類学という本を読んでみた。
応用微細藻類学−食料からエネルギーまで− | 海事・水産・交通・気象の専門書籍出版社の成山堂書店
最初に藻類についての定義について触れておくと、藻類とは酸素を発生するタイプの光合成を行う生物のうち、陸上植物以外の生物の総称となっている。
陸上生物以外ということになっているので、コケ、シダや種子植物以外の光合成を行う生物すべてを指す為、シアノバクテリアやミドリムシといった肉眼では見えない生物を指す。
海藻等の大きなものも(大型)藻類として扱われる。
この定義になると、
水中で生育が旺盛なキンポウゲ科の梅花藻(バイカモ)は藻類なの?
という疑問が生じるけれども、おそらくバイカモは藻類として扱われない気がする。
となると、
こんな感じの茎や葉が明確な水草はどうなるのだろう?
ここらへんの話は一旦置いとくことにする。
藻類の中でも肉眼で見えないような小さい藻を微細藻類とし、
海の浅いところや川でゆらゆらと漂いながら光合成を行っている。
藻類による光合成の総量は陸上にいる植物らの光合成の総量に近いという推定がある。
藻類の振る舞いも気象に大きな影響を与えているだろう。
冒頭の土壌表面の土壌藻を影響を知る為には、遠回りかもしれないけれども、海のことを知る必要があるのかもしれない。