NHKでブラタモリという番組がある。
このブログでも時々話題に挙げているけど、この番組は素晴らしい。
何が素晴らしいって、
歴史と地形という観点から地域が発展した過程を簡潔に紐解いているところで、
仕事上のヒントになるような情報が頻繁に出てくる。
ブラタモリがあるから受信料を快く払えると言っても過言ではない。
仕事で地域をぶらぶらしつつ、良質な情報を得ているタモリさんが羨ましい。
そんな余談はここまでにしておいて、
前回のブラタモリは別府温泉だった。
大分県の別府がなぜ温泉日本一の町なのか?を、
断層、扇状地と火山から理解していくものだったのだけれど、
最後に温泉の大元である由布の火口に行った。
(画像:塚原温泉 火口乃泉(かこうのいずみ)について | 【公式】大分県由布市湯布院町・源泉掛け流しの天然温泉「塚原温泉・火口乃泉(かこうのいずみ)」より引用)
火口はこんなところだった。
見ての通り、土は真っ白だった。
最近、岩石と鉱物について勉強していて、
このような場所は火山の影響で風化しやすい鉱物は地表からなくなり、
風化しにくい石英(無色・白色)の鉱物ばかり残ったから白色なんだ。
石英ばかり残ってしまったから植物が育ちにくい環境になっている。
ということを、
株式会社誠文堂新光社 / 年代で見る 日本の地質と地形という本で知った。
※この本では長野の地獄谷で説明していたけど
この山は標高は植物の生育の限界よりは全然低く、
それであっても土質が合っていないのでほとんど植物は見られない。
そんな中、番組中で気になったことがある。
それは、
火口近くでススキっぽいものが映っていた!ということ。
ススキは個人的には日本を代表する強い植物の一つだと勝手に思っている。
そのススキが石英多めの真っ白な土の上で、
それなりの高さにまで成長していて穂をつけていた。
石英多めの土壌では栽培は不利では?と以前記載した。
不利なところでは緑肥が重要な技術となるんだけど、
その緑肥も植物であるから、生育が不利な環境では緑肥の効果は思った程期待出来ない。
そんな中、
相当不利な環境でも育っていたススキっぽい植物。
ススキに似た植物こそが収量を上げるための秘策になるのではないか?
番組を見ながらそんなことを思った。
そのうち、由布の火口に行かなきゃいけないな。