柑橘、ニンジンや花の香気物質で重要になるであろうゲラニル二リン酸(GPP)を理解を深める為にGPPの合成経路を見て、メバロン酸経路と非メバロン酸経路があることについて触れた。
前回のメバロン酸経路についての記事でメバロン酸経由の方に触れ、メバロン酸経路の出発物質が
アセチルCoAという内容を記載した。
前回の記事の最後にアセチルCoAの合成の理解を深める必要があると記載したが、その前にどうしても触れたい事がある。
それは、
脂肪酸の生合成の記事で触れた脂肪酸の生合成についてだ。
先に上記URLの記事から脂肪酸の生合成についての内容を引っ張り出してくると、
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アセチルCoAがくり返し付加されることでC2単位で炭素鎖が伸長する
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※羊土社 基礎から学ぶ植物代謝生化学 27ページより引用
であるそうで、アセチルCoAがGPPの合成に必要なイソペンテニル二リン酸(IPP)の合成と脂肪酸の合成の出発物質になっている。
なぜここで脂肪酸を突然出してきたかというと、脂肪族の香気物質についての記事で触れた通り、植物において脂肪酸からも香気物質が合成されるからだ。
この内容で気になっていることとして、もし脂肪酸を豊富に含む肥料を作物に与えたら、本来は脂肪酸の合成に当てようとしていたアセチルCoAをIPPやジメチルアリル二リン酸(DMAPP)等のイソプレノイドの合成に割り当てるのだろうか?ということがある。
もし、イソプレノイド合成の方が強化されるのであれば、ニンジンの香りを強くするといった話にも繋がっていくと思っているし、ニンジンの香りはカロテノイド由来なので、光合成の質の向上により生産性の向上があるか?とも思っている。
※光合成に関与するカロテノイドはキサントフィル
この疑問を解消するためにはメバロン酸で合成されたIPPからカロテノイドが合成されるのか?については知っておきたい。