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カテゴリー : 堆肥・肥料/page-6

 

シイタケの老菌から考える廃菌床堆肥の質

シイタケが老いる前回までのあらすじキノコ展にいってシイタケの原木栽培と菌床栽培を見たが、菌床栽培の方のキノコ(子実体)が私のイメージするシイタケではなかった。イメージするシイタケというのは、こんな感じで、イメージと異なる理由というのが菌床栽培の方が老菌であったから。これで私の中にあった一つの大きな疑問が解消された。それは、キノコの栽培者が菌床でキノコが生え尽くしたからではなく菌床全体に菌糸が回った時に栽培を止めることで、

 

シイタケが老いる

シイタケの原木栽培と菌床栽培を見て前回の記事で上の写真のキノコがシイタケなのか?迷ってしまって、記事作成中にキーボードでシイタケと打つ手が止まってしまった。記憶を辿って、これがシイタケだとラベリングされていたことを必死に思い出し、勇気を振り絞ってシイタケと打った。シイタケといえば、これだろう。この迷いが大事なことに気が付く要因となった。先日、新ヤマケイポケットガイド きのこ | 山と溪谷社を購入した。先日公園で見かけ

 

シイタケの原木栽培と菌床栽培を見て

2018年10月27日(土)〜28日(日)で京都府立植物園内でキノコ展が催されていた。京都府立植物園 Kyoto Botanical Gardens/京都府ホームページキノコ見習いの立場として是非とも行かねばということで行ってみた。木の根元にサルノコシカケキノコ展には顕微鏡が数台置かれていて、キノコの菌糸体が観察できるようになっている他、道端で見かけることが出来るキノコや食べたら危ない猛毒のキノコが展示されていた。他に

 

稲作からダイズ転作へ

過ぎたるは猶及ばざるが如しに引き続き、ヤマケイ新書 大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち | 山と溪谷社国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所/大地の五億年 せめぎあう土と生き物たちこの本からの話題。減反政策の一つとして、水田で米の栽培を止めて、ダイズやソバの栽培を始めるのであれば補助金を出すよというものがある。畑作の間に稲作をかますということ米、つまるところは稲作は想像通り、定期的に田に水は入れて栽培する。水が漏れないよう

 

過ぎたるは猶及ばざるが如し

ヤマケイ新書 大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち | 山と溪谷社国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所/大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち先日の記事で土壌学の研究者が書いた本を紹介した。地質時代から土壌の形成に触れることでpHのことを知るこの本では、土壌の成り立ちから、研究者は栽培においての土壌でどの点を意識しているのか?という流れから世界のマーケットに潜む問題まで書いている。中盤の土壌でどの点を意識しているのか?は前

 

地質時代から土壌の形成に触れることでpHのことを知る

前にこんな話を聞いた。土壌分析でpHの項目があるけれども、指導員の誰に聞いても明確なことを答えてくれる人はいなかった。この話は、とある地域ではかなりの有名な生産法人からの話だった。pHが低い、つまりは土壌の酸性化は栽培指導書に必ずといって良い程掲載されている肥料成分の溶解性の図によって丁寧に説明されている。適正のpHを考える作物が肥料の各成分を適切に吸収できなくなったら、それは生理障害に繋がるわけで、生理障害から虫や病気に対しても弱くなる。光合成の明反応

 

風よけとしての緑肥

近所でソルガム(ソルゴー、モロコシ)で四方囲っている畑を見かける。ソルガムと言えば栽培終了後の土壌の団粒構造の形成が最も多いとされる緑肥で、緑肥を使いこなす前に支柱根は株を浮かせる程強靭な根強靭な根によってしっかりと根付き、この根付きによって地上部の背丈も高くなる。背丈が高いことに合わせ、C4型光合成を行うので、CO2の固定量も非常に多いのが特徴である。C4型光合成の二酸化炭素濃縮更に酸性土壌にも強く、残留肥料も貪欲に吸収するか

 

イネ科緑肥の効果、再考の再考

良い土にはふんだんに酸素が入るもの前回の記事で、良い土にふんだんに酸素が入るのは、良い土によって発根量が増えた草の根から酸素が漏れることに因るものではないか?という内容を記載した。仮にこの内容が正しいとすると、マルチムギが劣化土壌に果敢に挑む京都市内の某法人で様々な良い効果をもたらしたネギの通路でのマルチムギの緑肥が、土壌中の酸素の面でも素晴らしい効果を発揮しているように見えてくる。先に今までの良い結果が下記の記事に記載されているので、そちらを読ん

 

C4型光合成の二酸化炭素濃縮

前回の光合成速度の高い植物はどこにいる?の記事で、C4型光合成回路(以下、C4回路と略す)を持つ植物らの光合成量が抜群に高いという内容を記載した。先日からの光合成による大気中のCO2を固定する量を増やしたいという流れにおいてC4回路は外せないので、今回の記事で改めてみることにした。以前、夏に活躍!C4回路の植物たちという記事で、C4植物はC3植物が行うような光合成を行いつつ、吸収した二酸化炭素の一部を有機酸の形にして貯蔵するという内容を記載した。今回の話に入る前に簡単

 

重要だけど扱いにくいものでもある二価鉄

光合成の明反応-後編までの記事で、植物は太陽光を受光することで光合成を行うわけだけれども、その光合成という反応において最も注目されているのが電子の移動であって、その電子の移動には多くの鉄(特に二価鉄)が必要とされることがわかった。※実際には鉄を含むタンパク質鉄はFe2+とFe3+の状態をとり、二価鉄は前者のFe2+の方を指す。プラスが一つ少ない、つまりは電子e-が一つ多い。鉄は電子を受け取りやすく離しやすいという特徴があるため、鉄は電子の運搬に関わる。電子を受け取

 

光合成の明反応-後編

光合成の明反応-前編前回、光合成の明反応の詳細を見て、水から電子を取り出して、その電子の動きを見つつ、各所で動いている物質のことを見た。とはいっても、すべてを見たわけではないので、今回は残りを見ていく。はじめに図の中央にあるシトクロムb6fを見ると、この個所はシトクロムがたくさんある場所で、シトクロムというのは、酸化還元機能を持つヘム鉄を含有するヘムタンパク質である。シトクロム - WikipediaヘムはBy NEUROtiker - 投稿者自身

 

光合成の明反応-前編

先日の畑作を続けることは難しいという記事の前編と後編で、畑作を続けることで起こりうる秀品率の低下を光合成の生産量の低下と免疫の低下の2つの要素に分け、後者の免疫(防御も含む)の方を触れた。免疫や防御は芳香族のアミノ酸が重要な要素になっていて、芳香族のアミノ酸を活用する為にいくつかの金属酵素を挙げた。この時挙げた金属酵素は、あまりに微量なため、施肥時に気にすることはないけれども、土壌にある量は地質に大きく依存しているため、場所によってはやくになくなるのでは?ということを記載した。

 

畑作を続けることは難しい-後編

畑作を続けることは難しい-前編で土の良さに気を付けていても、畑作を続ける限り、秀品率が落ち続けることがあるということを記載した。秀品率が落ちたと感じる要因は何だろうか?収穫までの期間が長くなったとか、防除に入らなければならない回数が増えたとか。収穫までの期間が長くなるというのは光合成が落ちることによるので、光合成に関する要素が減ったことになる。光合成についてはそのうち触れることにするので、今回はこれ以上触れない。後者の防除の入る回数が増えたというのは、防御

 

畑作を続けることは難しい-前編

施肥設計の見直しで農薬防除の回数は確実に減らせるで紹介した施肥方法をされているほ場で、ネギの連作をし続けたところ、極度な連作であればやはり徐々に調子が悪くなっていく。話を聞くに、調子が悪くなったからということで途中で緑肥をかましても、調子が戻るということはなさそうだ。これは土を理解する上で大きなチャンスだということで、現状を考察してみる。施肥設計の見直しで一番改善したい個所というのは、作物の発根量の向上で、発根量の向上は土壌中の酸素量と病原性を

 

発根に関することをまとめてみると

前回の酵母エキス入り肥料の効果の記事で酵母の細胞壁であるβ-グルカンの断片を植物が根から吸収すると発根が促進される。という研究結果を見た。酵母というのは単細胞のように振る舞っているが、実際のところは細菌ではなく菌として扱われ、ざっくりとしたまとめ方になるけれども、大腸菌のような細菌ではなく、キノコのような菌類の方に分類されている。菌と細菌についてそれを踏まえた上で、今まで挙がってきた発根に関する内容をまとめてみる。酸素供給剤を試した方

 

酵母エキス入り肥料の効果

酸素供給剤を試した方からを投稿した時、SNS経由でビール酵母でも同じ効果がありますというコメントがありました。実際には前者は酸素の供給で、後者は何らかの発根促進であるはずだから、本質的には違うことを見ていることになるのだけれども、それはまぁ良しとしておこう。この話以外でも酵母入りの肥料を使って秀品率が高くなったという話を時々聞く。酵母肥料がハマった時は作物の発根量が増える。これは一体どういうことなのだろう?と背景を調べてみたところ、

 

キノコの廃培地は再利用せずに焼却している

前回の記事に引き続き、とある農村を変えたキノコたち農文協の現代農業9月号の廃菌床の特集で紹介していただきました今回の話も現代農業9月号の原稿を作成した時に知った話。先に前回の内容を軽く触れておくと、クレジット:photolibrary木質系の資材で堆肥を作りたければキノコ栽培から学べこれといった産業がない村において、キノコの栽培を行ったことで外貨を稼げるようになった。外貨というのは自身の村以外の地域で売れたということで、キノコの栽培は集

 

火山灰に含まれる粘土鉱物たち

写真:高アルカリ性の温泉から土を考える先日、肥料として売られている粘土鉱物の中に黒っぽい砂が入っているけれども、この黒っぽい粒子は一体何なのだろう?という話題があった。粘土鉱物肥料は2:1型の粘土鉱物で、これらは火山灰が海に堆積して含水鉱物として変成したものである。注目の資材、ベントナイトについて知ろうブルカノ式火山の火山灰の土としてのポテンシャル火山灰は玄武岩質から安山岩質と粘性が比較的低い火山から火山灰で形成されている。玄武岩を磨くと中は黒でし

 

農文協の現代農業9月号の廃菌床の特集で紹介していただきました

明日、2018年8月5日発売の農文協の現代農業9月号で執行役員として関わらせていただいている京都農販の紹介をしていただきました。具体的な内容は、廃菌床堆肥を薦める根拠と廃菌床堆肥を利用した方の土壌の変化のレポートで、根拠の方のたたき台を私の方で作成しました。栽培の何らかのヒントになれば幸いです。書店で見かけた際はぜひ手にとって、よろしければ購入してご覧ください。廃菌床堆肥以外でもキノコを食す方の記事でも面白い記事がありますの

 

廃菌床の堆肥としての利用の注意点2

前回の廃菌床の堆肥としての利用の注意点の続き。キノコ栽培を終えた直後の廃菌床を作物栽培の土と混ぜ込むことについてで、前回は糸状菌と植物の根の養分の吸収の効率という観点から、作物が菌に養分の競合で負けて弱体化する可能性があると記載した。もう一点注意点がある。それは生長中の菌糸の吸収ゾーンでの養分吸収の仕組みだ。話は端折って端的に書くと、菌糸は細胞外から養分を吸収する際にプロトン(H+)を排出しつつカリウムを細胞内に取り込み、その際に発生する勾配を利用して伸長しつつ他

 

廃菌床の堆肥としての利用の注意点

銅を中心にして、リグニンを廻る植物とキノコたちの活動廃菌床の話の時に下記のような意見が挙がった。廃菌床を使った時に障害が発生することはないのか?答えは廃菌床の質によって深刻な障害が発生することがあるというところだろうか。深刻な障害というのは窒素飢餓だろう。山の木々の間にあるとある切り株でここでもう一つ話題に挙がるのが、最近のキノコ栽培の培地はC/N比が低いコーンコブだろう?コーンコブで窒素飢餓が発生するわけがない。というところだろうか菌

 

台風・大雨の自然災害の被害を軽減するために

先週、西日本豪雨という自然災害があり、広島を中心に西日本で多大な被害があった。平成30年7月豪雨 - Wikipedia今回の豪雨で京都では、福知山や舞鶴といった京都北部でトウガラシのハウスに水が入り込んで浸水したというニュースが流れ、今年の野菜の価格が高騰するのでは?と話題に挙がることが多い。そんな中、豪雨が止んでから農作物の被害を確認しに行った方から興味深い話を聞いた。それは、豪雨の前から速効性の酸素供給剤を畝の上にバラマキだろうが出来たところでは、被害の割合が0

 

イネ科とマメ科の緑肥の混播

ハウスミカンの木の下には腐朽菌がいないのか?の最後で師と播種した緑肥のことを思い出したと記載した。今回の話は写真が無いのだけれども、前に某所で切り開いた際の土砂を畑に大量に入れたことで秀品率が激減してしまったところがあって、その畑での栽培は諦め、半年間全面緑肥にしたところがあった。その時に選んだ緑肥というのが、エンバクと(アルサイ)クローバの混播だった。アルサイクローバというのは、シロクローバとアカクローバのちょうど中間あたりのクロ

 

エンドファイトと呼ばれる菌たち

ハウスミカンの木の下には腐朽菌がいないのか?前回の話で、ハウスミカンの栽培はハウス内で数年に渡って栽培、除草管理等でハウス内に生える草は年々単一化に向かい、単一化するが故に土壌の微生物の多様性は低下すると考えられている。そこで緑肥で単一化を避ける話題に触れかかったけれども、その前に、農文協 エンドファイトの働きと使い方前回ちらっと出てきたエンドファイトについて触れておきたい。エンドファイトというのはエンドが内で、ファイトが植物という意味があ

 

ハウスミカン栽培の銅欠乏

ミカンの木の落ち葉がなかなか土へと還らないから話は戻って、不調なミカンの木からの漂白の落ち葉での(おそらく)銅欠乏の話をする。ミカンの栽培マニュアルに目を通した時頻繁に挙がったこととして、・ミカンは石灰を好む・ミカンは弱酸性域の土質を好む・水はけの良い場所を好むミカンではなく果樹について調べた時、たまに・お礼肥(収穫後に与える肥料)では硫酸銅を与えるとあった。これらの内容が目についた時にふと(JA全農 肥料農薬部 施

 

ミカンの木の落ち葉がなかなか土へと還らない

不調なミカンの木からの漂白の落ち葉の続き。ハウスミカンを栽培されている方から、年々ミカンの落葉が土に還りにくくなっている気がするという意見が挙がった。ミカンに限らず果樹全般の話になるとは思うが、果樹の秀品率を決める上で重要な要因として細根の発生がある。事前に読んだ栽培マニュアル等に記載されている内容から、おそらく樹木の細根は季節的な要素で発生と分解を繰り返すのだろうと捉えているけれども、細根はおそらく土壌の物理性の高いところで発根しやすい傾向に

 

おがくずは堆肥として利用できるか?

先日、おがくずが大量にあって、これを堆肥化したいという話が挙がった。おがくずはC/N比が高く、そのまま土に鋤き込むとよろしくないと解釈されている木質資材で、出来ることであれば、白色腐朽菌の分解を経た上で使用したい資材である。リグニンの分解に関与する白色腐朽菌おがくずというのもを見ておくと、木材を加工する際にノコギリで切るわけだけれども、ノコギリで切断する際に細かい木の屑が発生する。これがおがくずなわけで、幹の断面でいうところの中心部(芯材:写真でいうと

 

褐色腐朽菌のいるところではリグニンはどうなるか?

水耕栽培の培地は露地栽培の堆肥として再利用できるか?で表題の通り、水耕栽培の培地であるヤシガラにキノコが生えたものは堆肥として利用できるか?という疑問に対して、前回は上の写真のキノコの特定から始めた。生育環境等からこのキノコは褐色腐朽菌に分類されるのではないか?とアタリを付けた。堆肥として活用したいのは、木質成分であるリグニンが酸化されて断片化したものであれば、土とよく混ざるという前提で話を進めている。枝は腐植になるか?この前提に対して

 

水耕栽培の培地は露地栽培の堆肥として再利用できるか?

ブログの読者の方と大きなキノコを見て思い出す師の言葉の話をしていて、下記のような質問を受けた。トマトの水耕栽培で利用しているヤシガラで、使用期限が迫ってくると、こんな感じで黄色いキノコが生えてくるけれども、もしかしてベンチで利用しているヤシガラは良質な廃菌床堆肥になるのでは?と堆肥に求める成分として土壌の有機物の蓄積モデルを元にアタリを付けると、木質成分が腐朽菌によって分解された時の(ポリ)フェ二ルプロパノイドの可能性が高く

 

とある籾殻が敷かれた通路の上での戦い

有機栽培等でよく見かける通路を籾殻で覆うことで、草抑えをしつつ保水させる。上から降ってくる雨水を直接土に当てないことで土を締めないようにする。おがくず堆肥を利用している畑の土を籾殻で覆うと、冒頭の写真のようなキノコを早朝に時々見かける。白色腐朽菌とトリコデルマの戦いの記事を意識して見ると、このキノコは今まさに他の菌との戦いを行っているはず。籾殻で保水性を高め、降雨で土の締め付けを回避して空気が入りやすい状態になっていて窒素分少なめ、グルコース多めで優位に立てている

 

大きなキノコを見て思い出す師の言葉

以前、私にとっての農業とSOY Shopという記事で下記のような内容を記載した。/**********************************************************/ある日、堆肥のまき方で師に注意を受けます。指示したことをしていないではないか!と。普通に考えたら私は正しい施用を行っていたのですが、師はそれが違うというのです。試しにその場所をそのままにしてくれたのですが、確かに師が施用した箇所と私が施用した箇所では結果に雲梯の差が出たの

 

白色腐朽菌とトリコデルマの戦い2

前回の白色腐朽菌とトリコデルマの戦いで白色腐朽菌とトリコデルマは培地上で陣取り合戦をしていて、培地に硫酸アンモニウム(硫安)を添加するとトリコデルマが活性化するという内容を記載した。この内容は先日紹介した共立出版のるキノコとカビの生態学という本に記載されていた。この白色腐朽菌とトリコデルマの関係だけれども、もう一点興味深い結果の実験があるので紹介すると、白色腐朽菌が活性化した培地にトリコデルマの菌を投入する時、培地上に添加した糖の種

 

白色腐朽菌とトリコデルマの戦い

先日紹介した共立出版のるキノコとカビの生態学という本で、倒木が土に還る際の後半で白色腐朽菌とトリコデルマという菌が競合を始めるという内容が記載されていた。この話を紹介する前にトリコデルマについて触れておくと、/***********************************************************/トリコデルマ属は、子嚢菌門ボタンタケ科に属する菌類で、森林土壌中や落葉、枯れ木に生息するごく普通の菌類である。落ち葉や枯れ木を分解する腐生的な面も

 

リグニンの分解に関与する白色腐朽菌

木質系の資材で堆肥を作りたければキノコ栽培から学べ前回の記事でおがくずを主成分とした堆肥を作りたければ、キノコ栽培から学ぶと良いだろうということで、共立出版から出版されているキノコとカビの生態学という本を購入した。ということを記載した。取り急ぎ、枯れ木(倒木)がどのようなステップを経て分解されるのか?をまとめてみると、最初に倒木の表面にあるちょっとした分解しやすい有機物が土壌の様々な微生物によって分解される。ある程度分解されると残るのが

 

木質系の資材で堆肥を作りたければキノコ栽培から学べ

銅を中心にして、リグニンを廻る植物とキノコたちの活動おがくず堆肥を上手に作りたければ、普段から作っている農家に聞くのではなく、キノコ栽培をしている方に学べ。こういうことを聞いたことがある人がいるはずだ。各有私も師がキノコの廃培地が凄いと聞いた時、師の勧めで廃培地をくださったキノコ農家の方にいろいろと伺ったものだ。なぜならば、おがくず堆肥のパフォーマンスが最大になるのは、キノコ(木材腐朽菌)がおがくずの上で活躍仕切ってからになるわけで、活躍のノウハウを知っているのは

 

菌床の主成分で使用されるコーンコブとは何だろう?

銅を中心にして、リグニンを廻る植物とキノコたちの活動当ブログでちょくちょく話題として挙がる廃菌床堆肥だけれども、成分を事細かく見る必要が出てきたので、よく使用している廃菌床堆肥の肥料袋を改めて確認することになった。キノコの堆肥 エコマッシュ - 株式会社京都農販その肥料袋には菌床としておがくずではなく、コーンコブが主成分となっていた。コーンコブとはトウモロコシの芯を粉砕したものだ。一昔前は未利用農業廃棄物として扱われていた代物で、今

 

イネ科緑肥の効果、再考

マルチムギが劣化土壌に果敢に挑む昨日の記事で、ネギの周年栽培において、土地不足で畑を休ませられるタイミングがないので、ネギの畝の間に緑肥のマルチムギを育ててみたら、予想以上の結果となったという報告があったと記載した。この記事からなぜマルチムギがこんなにもハマったのか?という話題になったのでまとめてみることにした。はじめに緑肥を使用する前の背景だけれども、局所的ひび割れ、植物にとって過酷な領域もともとは露地で上の写真のようにひび割

 

マルチムギが劣化土壌に果敢に挑む

京都農販が関与している畑で、スギナが覆い尽くして栽培の難易度が上がりすぎていたところがある。諸事上によりその畑は休ませる事ができないため、通路にマルチムギを育てて土をクリーニングすることを目的とした栽培をして頂いたところ、目に見える成果が出始めた。この話の詳細を記載すると、年間の収穫目標が高いことにより畑を休ませることができず、局所的ひび割れ、植物にとって過酷な領域速効性の肥料で無理やり栽培を余儀なくされていた土壌で、連作 + 速効性の肥料の無茶な栽培によ

 

銅を中心にして、リグニンを廻る植物とキノコたちの活動

廃菌床という資材のこと最近、廃菌床の話題がちょくちょく挙がり、廃菌床のことをまとめる機会が増えた。廃菌床というのはキノコ栽培で使用された培地のことで、キノコがある一定以上生えて収穫された後に廃棄されたもの。キノコというのは、作物栽培の堆肥として非常に有用な木質系の成分の終盤の分解者にあたり、キノコがしっかりと生えきったものであれば、堆肥として利用すれば土に障害なく有効な形で作用してくれる代物だ。成分をまとめたりといろいろしていたらふと頭に浮かんだことがある。今

 

宮城県の肥料関係者向けに施肥設計の話をしました

京都農販のアドバイザーとして、宮城県の肥料関係者向けの施肥設計の話をしました。普段お話をさせていただいています基肥設計の背景にある考え方の話をしました。施肥設計の見直しで農薬防除の回数は確実に減らせるお互いに向上できればと思います。

 

川に落ちている石を頼りに肥料の鉱山を探す

株式会社誠文堂新光社 / 日本の石ころ標本箱日本の各川で何の石があるか?が記載された本がある。最近ちょくちょく行くようになった仙台にはどんな土があるのだろう?と宮城県のページをめくってみたら、仙台市の名取川というところで、株式会社誠文堂新光社 / 日本の石ころ標本箱 44ページモルデン沸石ことゼオライトが採石できるらしい。ゼオライトといえば土壌改良の効果が高いとされる粘土鉱物の一種で、ホームセンターの肥料売り場でも売られていることがあるらし

 

菜園ナビさんのオフ会で肥料の話を続きをしました

昨月末に菜園ナビさんの公式イベントで基肥の話をしましたが、30分では足りないということで有志で再びセミナーを開催していただきました。菜園ナビ公式イベント『楽しく学ぼう!第2弾 in 関東』で基肥の話をしました内容は水溶性とく溶性の肥料の違いから、基肥と追肥はどのように考えるべきか?く溶性苦土の水溶性化もし追肥に向いていない水溶性の肥料で基肥を構成したら、作物はどのような生育をして、その生育から秀品率にどのように影響するだろうか?という構成にしま

 

水親和性セルロースとは何だろう?

/** Geminiが自動生成した概要 **/
水親和性セルロースは、植物の細胞壁を構成するセルロースを細かく分解した肥料です。通常のセルロースは水と馴染みにくいですが、水親和性セルロースは分解によって増えたOH基(ヒドロキシ基)が水分子と結びつくため、保水性が高まります。土壌にこれを施すことで、水分の保持を助け、植物の成長を促進する効果が期待できます。

 

亜鉛を含む農薬の作用をI-W系列から考えてみる

先日、マンゼブという農薬の成分の話題になった。マンゼブというのは、マンゼブ Ⅰ.評価対象農薬の概要 - 環境省より引用分子式が(C4H6MnN2S4)xZnyで表されるマンガン(Mn)、硫黄(S)と亜鉛(Zn)を含んだ化合物である。分子式をざっくりと見たところ、亜鉛(Zn)が遊離してイオン化しやすいだろうと予想している。作用機構を見ると、ジチオカーバメート系の殺菌剤であり、SH酵素や金属酵素を阻害することにより殺菌活性を有すると考えられている。金属

 

植物はどのようにしてシリカを吸収するか?

前回、植物、特にイネが利用できるケイ酸はどこにある?ということで、一つのヒントになるかもしれない各種ケイ酸塩についてを記載した。植物が利用できるシリカはどこにある?ここからわかることは、ケイ酸を含む鉱物といえ、一律して同じようにケイ酸として扱ってはいけないということで、とある肥料にケイ酸が入っていると記載されていても、それが植物のケイ酸吸収の面で期待した通りに働かない可能性があるということだ。これを見ていくためには、・ケイ酸がどのように吸収されるか?・それは土

 

植物が利用できるシリカはどこにある?

前回の台風でも倒伏しないイネで玄武岩質的な地質の地域での赤色粘土の客土を行っている水田では台風時の暴風での倒伏がなかったという話を聞いた。何故、倒伏に耐えられる程の茎の強度を得られたのか?その候補として、豊富なシリカが土壌にあるという話題が挙がっている。シリカといえば、玄武岩質的な地質ではシリカ濃度は低くなるので、単純に土壌にシリカが豊富にあるからという話題は通用しないはず。夜久野高原の宝山の火口付近で赤い土を見たこの話題で必要になってくるのが、土壌中に含

 

台風でも倒伏しないイネ

長野の栄村小滝集落の米づくり前編で昨年の夏に長野県と新潟県の県境にある栄村に行った。この村のとある集落では、集落で農法が統一されていて、超高品質な米が収穫されている。先日、小滝で出荷関連の合同会社を経営されている方が京都に来られたので、私が訪れた後、つまりは大型台風の季節の話を聞いた。台風と言えば、台風一過の後のイネの倒伏が深刻な問題となる。興味深いことに、小滝集落ではごく一部の畑を除き、イネが倒伏することがなかったらしい。倒伏したところは一部では秋落ち、

 

葉物野菜は寒さに触れて甘くなる

先日の降雪で珍しく、今住んでいるところでも雪が積もった。雪が積もったと言えば、寒さにあたった葉物野菜は甘くなるという話がある。寒さに当たると葉内の水分が凍結しないように糖を溜め込んで葉内水分の濃度を高め、凍結しないようにする。この話を聞くと、小学校の時の水を凍らす実験を思い出す。うちの班は何かの不手際で水に食塩を入れてしまったらしく、その後、水を0度にするけれども一向に固まらずに困ったという話がある。水が0度で凍るのは水がピュアの時であって、水に何らか

 

味覚とアミノ酸

最近はアミノ酸の事をより深く知ることをテーマとして、関連しそうなものであればとにかく読むということをしているわけで、アミノ酸、タンパク質と生命活動の化学その根本にあるのが、結局のところ、アミノ酸肥料は施肥後の費用対効果は大きいの?ということがある。アミノ酸肥料は株を丈夫にしたり、光合成能力の向上を期待する他、食味の向上も当然のことながら狙っているはず。ということで、人体において各アミノ酸の食味はどうなのか?をアミノ酸 タンパク質と生命活動の化学 - 東京電

 

亜リン酸肥料、再考

亜リン酸カリという肥料の話題が再び挙がった。今回は、亜リン酸カリはベト病や疫病に効くというけど、その仕組みを知って他のリン酸肥料との使い分けをしたい。というもの。亜リン酸 - Wikipedia以前は肥料的な見方に還元剤の要素まで見たけれども、細胞膜由来のリン酸肥料の使いどころはどこだ?病気に効くということなので、サリチル酸のプラントアクティベータのような予防的な作用のものもあることだし、再び検索してみることにした。防御の植物ホルモン、サリチル酸


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