先日の京都北部の舞鶴での勉強会で話題に挙がったグローバック栽培で、気になる点があったのでメモとして残す。

舞鶴の万願寺唐辛子等の栽培者向けに土壌分析と施肥設計の話をしました


グローバック栽培は土から離れ、土耕ではないので、水耕栽培として扱われる。


水耕栽培といえば、


水耕栽培の培地は露地栽培の堆肥として再利用できるか?


ベットを用意して、その上に培地と栽培開始前に資材の調達で費用がかかるが、



グローバック栽培は袋詰された培地を地面に置く形式なので、初期コストは水耕栽培の中では安い部類に入る。


土から離しているため、潜在的な土着菌による病気の感染は少なくなる。

ポリフェノール鉄錯体と酸素供給剤で青枯病の発生を抑制


水耕栽培であるということは、水に肥料分を溶かして、培地内に流し込んで作物に養分を供給する。


肥料内の養分はイオンという形状により供給されるわけで培地に流す水にpHによって、結晶化して作物に供給できないという問題が発生する。

原水(施設周辺で流れる川の水や地下水等)のpHというものが大事になり、pHが高い場合は硫酸等でpHを下げてから培地に養分を流し込む。

水耕栽培時のpH調整は溶けやすい塩(えん)で


培地に供給する溶液のpHは6.5付近が良いとされる。


これらの話を踏まえた上で本題に移る。




舞鶴といえば、以前、蛇紋岩の影響でpHが非常に高い地域があるという話題を挙げた。

超苦鉄質の大江山の麓の土壌


蛇紋の地域ではないが、勉強会中の質問でこれから水耕栽培を始める施設の原水のpHが7.5という話題が挙がった。

これは今後に役に立つ何らかの知見を秘めている可能性があるので、この話題が挙がった直後に地質を確認してみた。


20万分の1日本シームレス地質図


ハウスの背にある山の地質が、約2億9900万年前~2億5100万年前の付加体中の斑れい岩類となっていた。


(株式会社誠文堂新光社 日本の石ころ標本箱 201ページの図を参考にして作成)


斑れい岩は深成岩で玄武岩と同じ塩基性に分類されている。

塩基性といってもpHのことではなく、二酸化ケイ素の含有量が低いものを塩基性としている。

玄武岩を磨くと中は黒でした


pHは関係ないと言えども、プロトン(H+)に触れると二次鉱物になりつつpHを高める鉱物の含有量が多く、地質が塩基性の火成岩のところの水質は高いpHになるのでは?と考えている。

高アルカリ性の温泉から土を考える


補足

輝石や角閃石についての記事

ブルカノ式火山の火山灰の土としてのポテンシャル


かんらん石についての記事

栽培にとっての苦土の基のかんらん石


長石についての記事

粘土鉱物を理解する旅2




水耕栽培から話は変わるが、塩基性の火成岩の特徴として、カリウムを含む鉱物が少ないというものがある。


事前に受け取った土壌分析の結果で、


※一番反収が高い土壌の結果を抜粋


どの畑でもカリが少ない傾向にあり、誰もが栽培前にカリ肥料を意識的に多く入れている傾向があった。

栽培ではカリは根からの吸水に関わる要素であるため、他地域で得た栽培の知識を元にしていたら、根からの吸収で苦戦するはずだと予想出来る。

あそこの畑がカリ不足


補足

栽培していると収穫時の土壌からの養分の持ち出しがあるから、地質から得られた予想の養分は年々なくなるのではないか?というものがあるけれども、今見ているのは、畑の周辺にある山の地質を見ているので、意識しているのは畑ではなく、散水時に利用する川の水にどれくらいミネラルが溶けているか?の方だ。


栽培系の本だとカリウムは欠乏しないという話があるけれども、川の水からの供給に視点を当てて、カリは欠乏しないと判断している。


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