カテゴリー : 土壌環境

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除草され尽くした(草にとって)の荒野で

とある家庭菜園の畑にて、 きれいに除草されたところに一本の株があった。 これはヤブガラシだ。 ヤブガラシは栽培者に何を伝えるのか? おそらく先日の除草中に抜かれたけれども、 土の上に放置されて、 不定根が生えて根付いてしまったものだろう。 オーキシンと脇芽と不定根 周りに他の草が生えていないこともあって、 不定根という不安定状態であっても余裕で居続けることができるのだろう。 こんなにも強い植物が栽培しやすい土になるに従って居なくなるのはなん...

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スギナの生き様

早朝、とある草むらでスギナを見かけた。 スギナといえばアルミニウム耐性が強い植物で、 酸性指標の植物として扱われている草である。 この草むらではスギナが優勢というわけではないので、 草むら全体のpHは酸性では無いはずだ。 アルミニウム耐性というものは、 おそらく根から分泌される有機酸がアルミニウムをキレートするため、 アルミニウムの害が根に届かない というものだろう。 酸性土壌で生きる植物たち この根からの有機酸を別方向から見てみると、 比較的強い有機酸であれば...

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ヤブガラシは栽培者に何を伝えるのか?

日陰にいる草たち 前回の記事の続き とある草むらでヤブガラシを見かけたんだけど、 ヤブガラシはなぜか端っこの日陰でひっそりと 日向では ホトケノザが繁茂していた。 今回の話を始める前にWikipediaに記載されているヤブガラシの説明から一部抜粋してみると、 /*********************************************/ 和名は藪を覆って枯らしてしまうほどの生育の旺盛さを示している。別名ビンボウカズラ(貧乏葛)とも呼ばれ、そ...

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栽培環境は草達が教えてくれる

栽培環境の改善において、 自身の行っている土壌改良が良い方向に向かっているか?の指標が欲しい という話題は時々ある。 この話題に対して良い指標があるので、 有機、慣行問わず下記の表を紹介している。 ※有機農業参入促進協議会 有機農業をはじめよう!土作り編 12ページより抜粋 以前紹介した 施肥設計の見直しで農薬防除の回数は確実に減らせるで徹底的に基肥設計を見直して、 秀品率を向上させつつ、農薬の散布量を通常の8割近くを削減した時、 顕著に見られた違い...

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苔は自然とこんもりしていく

煉瓦敷きの道で、 煉瓦の隙間を埋め尽くすように苔が生えているのを良く見かける。 この苔だけれども、 隙間から取り除かずに放っておくと、 こんな感じでこんもりとなっていくけれども、 このこんもりさを実現するためには、 隙間に土が堆積しなければならない。 土の堆積といえば腐植。 腐植といえば蓄積するための鉱物質が必要。 鉱物の風化と植物の死が石を土へと変える ふと思ったんだけど、 苔は自然にこんもりしていくけれども、 それはつまるところ、 煉瓦の...

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木の根が山の土の流出を止めている…、ように見える

森の中で一本の木と出会う。 その木というのは、 これ。 見ての通り、 根元の土がごっそりと削れていても、 まだなお根付き続けている。 深く根付いていたからこそ、 この程度の土の削れ方で済んだのかもしれない。 深く根付いていたからこそ、 今なおここに根付き続けているけれども、 もう少し土が削れたら、 流石に細い根で地上部を支え続けることは出来ないだろう。 森の木というのは、 こうやって山の麓に土砂が流れ落ちないようにしているのだ...

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蛇紋岩とニッケル

最近、再び蛇紋岩の話題が挙がる。 (玄武洞ミュージアムで撮影) 蛇紋岩で出来た山が近くにある田んぼ 蛇紋岩があるところといえば超苦鉄質岩に区分され、 読んで字のごとく苦土(マグネシウム)と鉄を多く含んでいる。 蛇紋岩地植物群 葉緑素の合成で苦土と同じぐらい大事なものは? 苦土と鉄を多く含んでいるということは、 栽培で大事な要素をふんだんに含んでいるのでとても良いじゃないか! ということになるけれども、 土壌の専門家は蛇紋岩の地質を良くは思わないらしい。 ...

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大多数を占める日和見菌の振る舞い

数年前、モーニングという漫画雑誌で 『もやしもん(13)<完>』(石川 雅之)|講談社コミックプラス 農学部を舞台とした農学漫画があった。 農学部といっても酒造関係なので厳密にいうと農芸化学科だろう。 主人公は地味ではあるけれども、 菌を表紙のような形状で見ることが出来、コミュニケーションすることも出来るため、 当然、こんなスキルを教授陣はほっとかないだろうと、 入学早々、酒造系の研究室の教授にスカウトされ研究室に入り浸る という異例の展開を繰り広げる。 こ...

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遺伝子の水平伝播

最近の話題が病害虫の特に微生物由来の病気が多くなってきた。 ※昆虫は保留ということで触れずにいるけれども、いずれは触れなければいけない 微生物についても院生の時や仕事を始めたときあたりの知識で止まっているので、 細胞学を含め、再び微生物学も勉強しようかなと手に取った本として いつも紹介しているけれども、 星屑から生まれた世界 - 株式会社 化学同人 亜鉛を含む農薬の作用をI-W系列から考えてみる とあともう一冊として 青土社から出版されている微生物...

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リグニン合成と関与する多くの金属たち

最近、植物にとっての病気とは何なのだろう?と 微生物や酵素の事が記載されているものを再び読むようになった。 そのキッカケとなったのが、下記の記事であるわけで、 I-W系列と各微量要素 生物の誕生は地球にある物質を元であるならば、 生物の基盤は石(鉱物)である。 生物が獲得した便利な機能も当然鉱物由来であって、 病原菌(感染して発病の要因となる菌)の攻撃も鉱物由来であって、 感染された生物の防御も鉱物由来である。 植物の細胞壁には病原菌が体内に侵入してきた際に菌の...

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崩れてもなお硬い小石たち

開聞岳から降ってきた恵みまでの記事で 九州南部にある開聞岳の麓に近づけば近づく程、 畑の土壌には小石が増えていく という内容を記載した。 開聞岳周辺の土質は未熟黒ボク土という分類になっている。 小石が多くて、トラクタの刃がすぐに消耗してしまうので、栽培は非常に厄介らしい。 それを踏まえた上で今回の話に入る。 開聞岳周辺の土壌の小石は開聞岳の火砕物であると判断しても良いはずで、 開聞岳自体がおそらく安山岩質であるはずだから、 火砕物も安山岩質であると見て良いはず。 ...

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開聞岳から降ってきた恵み

開聞岳付近の未熟黒ボク土で開聞岳付近の畑の土を見た。 見ての通り、小石が非常に多い土質となっていて、 分類的には未熟黒ボク土という括りになっている。 山に近ければ近いほど小石の量が多くなるので、 これはおそらく火山の噴火の際に大きめの火砕物程近くに落ちたという解釈で良いだろう。 火山砕屑物 - Wikipedia これらの話を踏まえ、 一番知りたいことと言えば、開聞岳の火山の粘性だろう。 玄武岩を磨くと中は黒でした というわけで調べてみた。 /**...

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開聞岳付近の未熟黒ボク土

鹿児島県の南にある開聞岳付近の畑に訪れる機会があった。 開聞岳付近の土壌は石がゴロゴロしてトラクタで耕すと、すぐに摩耗するという。 土を見てみると、 確かに小石が非常に多い土だった。 いつもの通り、土質と地質を確認してみると、 日本土壌インベントリー 日本土壌インベントリー 訪れた地域は未熟黒ボクか未熟土とどちらも未熟という文字が目立つ。 地質を見てみると、 20万分の1日本シームレス地質図 噴火の際に堆積したもので形成され...

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抗生物質ストレプトマイシン

放線菌と協働して軟腐病を減らすまでの記事で放線菌が放出する抗生物質の話題には触れてきたけれども、抗生物質そのものには触れていない。 というわけでそろそろ放線菌から初めて発見、抽出されたストレプトマイシンという抗生物質を見ることにする。 By NEUROtiker ⇌ - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link ストレプトマイシンをWikipediaから抜粋すると、 /********************************************...

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放線菌と協働して軟腐病を減らす

菌と細菌についてまでの話題を経て触れたかった問題として、 軟腐病の蔓延を阻止したいというものだった。 軟腐病菌はグラム陰性の通性嫌気性の細胞で、 増殖が速く?、有効な殺菌剤がないとされている。 通性嫌気性とは? 今までの記事で軟腐病の被害を減らすために 植物本来備えている免疫作用を刺激して、感染時に備えることで被害を減らす という手が有効らしいということがあった。 軟腐病菌の侵攻を止めるには? 防御を強化してから、感染時に殺菌剤で対応する。 そうすれば、確度は相当...

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菌と細菌について

良い土の匂いは放線菌によるもの?で放線菌の話に触れた。 有機農業では放線菌の活発な土壌は良い土壌という認識があって、 確かに放線菌は、 ・好気性環境(酸素多め)で活発になりやすい ・カビ(菌)の外殻であるキチン質を積極的に分解する酵素を分泌する ・細菌に効く抗生物質を合成するものがいる といった特徴があり、 作物にとって栽培しやすい条件で増殖しつつ、 一部の土壌微生物が過剰に増殖することを防ぐ役割を果たすように見える。 それを踏まえた上で、再び放線菌の説明を読むと、...

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良い土の匂いは放線菌によるもの?

師のところで栽培を学んでいる時、 事務所を開放して栽培者向けの勉強会を開催したことがある。 紅土と黒ボクを見て思い出す師の言葉 招いた先生から下記のような事を教えていただいた。 良い土の土の匂いは放線菌によるもので…(以下略) この話は後にも時々見聞きするものだった。 更に農薬の話でもちょくちょく放線菌は登場する。 というわけで、 今ここで放線菌について見ておくことにする。 まずはWikipediaから放線菌の文章を抜粋してみると、 /************...

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南あわじの白っぽい粘土質の水田

淡路島のアイ・エス・フーズさん主催の勉強会に呼ばれ肥料の話をしましたで兵庫県の淡路島の南側に位置する南あわじ市に訪れた。 せっかくの機会なので、土の写真を撮影して、土質図、地質図と照らし合わせてみる。 この写真はどちらかというと粘土時の箇所。 粒子が細かくて白い。 撮影した箇所の土質を確認すると、 日本土壌インベントリー 典型漂白化低地水田土、もしくは中粒質普通低地水田土あたりの低地水田土という名前が表示された。 低地水田土を確認してみると、 ...

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黒ボク土の活性アルミナ対策としてのリン酸施肥

南九州の黒ボク土 アロフェン質黒ボク土の地域関連の方から下記のような連絡があった。 黒ボク土にはリン酸を入れて、活性アルミナとリン酸を全て結合しなければダメだ。 だから、施肥には必ずリン酸をたくさん入れなさいと専門家に指導された。 まずは用語の整理で アロフェン質黒ボク土は火山灰由来の火山ガラスのアロフェンが主体となって、 長い年月をかけて腐植と結合して黒くなった土を指す。 アロフェンは非常に高い保肥力を持ち、 アロフェン主体の土質はふかふかして排水性と保水性も高いと...

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植物由来のケイ酸塩鉱物、プラント・オパール

イネがシリカを吸収するとまでの記事で、 台風時の暴風で倒伏しなかったイネがあったという話題から、 そのイネから実ったコメは超高品質であって、 その要因の一つとしてシリカの話題があった。 ※シリカの効果については未検討。あくまで話題に挙がっただけ 台風でも倒伏しないイネ シリカの話題から、 シリカは土壌中のどこにあって、 どのような形状になったら植物に吸収されるか?の話題を経て、 植物はどのようにしてシリカを吸収するか? 最終的には現時点でシリカを吸収したシリカはどのよ...

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