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京都環境フェスティバル2020「冬でも楽しめる自然探究」のワークショップで話をしました。

カテゴリー : 土壌環境

電子書籍の販売をはじめました
 

穂いもちの発生に対して殺菌剤を使用して良いものか?

今年の長雨により低温障害や、稲いもちの被害が深刻化しつつある。低温障害は深水で根元を一定の温度に保つことで問題を緩和するとして、稲いもちの方は何かと厄介となる。いもちは以前、いもち病の抵抗性を色素の観点から見てみるの記事で、フラボノイドの一種であるサクラチネンの蓄積によって稲の株内への侵入を抑制できるという内容を記載した。ただ、フラボノイドであれば合成にはおそらく紫外線の照射が関係している可能性が高く、長雨による日射量不足でいもちの回避を困難にする。※他にケイ素で葉を頑丈にす...

 

中干しなしの田の水が澄んでいる

前回のカエルの変態は中干し有りの田では間に合うのか?の記事の続き。田植え前に土作り + レンゲ後の稲作で中干しせずに夏を経過した田では、水がとても澄んでいて、イネ以外の草がほとんど生えていないことに気が付く。中干しをしたところでは緑色の藻が生えていたり、草が生えていたりする。緑色の藻がないと、水の底まで光が届き、水温が上がりやすいという事を以前記載した。※以前は藻ではなくウキクサだけれどもウキクサは稲作においてどのような影響を与えるのか?...

 

土壌分析のECを丁寧に見てみる

土壌診断のECの値が話題に挙がったので、改めてECについて見ることにしよう。ECというのは、電気伝導率(electrical conductivity)のことで、溶液中で電気を通しやすいものがどれ程溶けているか?を測定したものになる。土壌のEC値に関与しているものが塩類という水に溶けやすいもので、塩類には食塩(塩化ナトリウム)の他に、硝酸態窒素である硝石(硝酸カリウム)、硝安(硝酸アンモニウム)や硫安(硫酸アンモニウム)等がある。栽培の指導ではECは土壌中にどれ程の窒素肥料が...

 

秀品率の低い田では、イネの根元にイモムシがたくさん

中干ししていない田にはたくさんの生き物が集まるらしいの記事を踏まえた上で、改めて、私が知る限り昨年二番目に悪かった田の様子を記載する。稲作の冷害を緩和させるには土作りの続きイネの根元を見ていたら、イモムシがたくさんうねっていた。イネを食害するイモムシといえば、ニカメイガとイネヨトウを思い浮かべる。※両方ともガの幼虫昨年、ここの田の被害がひどかったのはウンカだと思っていたけれども、もしかしたらヨトウの可能性もあったのでは?...

 

中干ししていない田にはたくさんの生き物が集まるらしい

レンゲ米を栽培している田で、中干しをしなかったところで、イネの根元を見てみると、たくさんのオタマジャクシがいた。実際に田に入って丁寧に見たわけではないので、なんとも言えないレベルではあるが、ここと同じように土壌改良材 + レンゲで土作りをした田で中干しをしたところでは、オタマジャクシを見つけるのが難しい状態となっていた。レンゲの播種は稲作収穫後のすぐ後オタマジャクシはいずれはカエルになり、稲作に甚大な被害を与えるウンカを捕食するので、オタマジャクシがたくさん居るの...

 

稲作で窒素肥料の過多で冷害が増える

稲作の冷害は窒素肥料の過多が発生を助長させると言われている。何故だろう?と考えてみた。窒素肥料が過多になることでどんな事が起こるのは?を思い浮かべてみたところ、植物ホルモンから再び牛糞堆肥による土作りの価値を問うの記事に記載したように、発根が停止して、地上部の葉が茂るようになる。地上部の茂り具合に対して、相対的な発根量の少なさはマンガン、亜鉛や銅の吸収量が減ることに繋がるわけで、諸々の生理障害を誘発する。牛糞で土作りをした時の弊害をまとめてみると亜鉛の吸収量が減る...

 

稲わらの腐熟の為に石灰窒素の施用という謎

稲作は地力に依存する度合いが高い作物として有名で、収穫後の稲わらを積極的に土に還すと良いとされる。ここで不思議に思うのが、稲わらを腐熟させる時に石灰窒素を施用した方が良いという内容があることだ。石灰窒素はカルシウムシアナミドという農薬的な作用があり、後々窒素肥料として効きを示す資材だ。シアナミド(CN2H2)の作用機構は様々な生物の代謝に関与する酵素活性を阻害することで、土壌の微生物にも何らかの影響を与えるものだ。シアナミドは土壌の細菌にも効果があるのか?...

 

稲作の冷害を緩和させるには土作りの続き

ここは私が知る限り、近所で二番目に悪かった田のイネ。遠くから見たらわからないが、近くで見たら、籾の形がおかしいものが多い。籾の中が空洞になっている。これが所謂受粉、受精時期に障害を受けたということなのか?この田は冬の荒起こしの直後にヒビ割れするような田で、土の物理性は極端に低いことが明らかだった。秋の荒起こしから秀品率の向上のポイントを探る稲作の冷害を緩和させるには土作り物理性を改善した田では、籾の変色程度だ...

 

リン溶解菌を増やした時に溶脱するアルミニウムイオンを気にするべきか?

木炭の施用と合わせて何の緑肥のタネを蒔けばいい?の記事で、リン酸アルミニウムからリン酸を切り離すリン溶解菌の話題に触れた。緑肥のソルガムやヒマワリを育てると、リン溶解菌が増殖しやすい傾向があるらしい。この話でふと頭に浮かんだこととして、リン酸アルミニウムからリン酸を溶脱させると、アルミニウムイオンも出来、それが根に障害を与えるのではないか?と。この疑問に対して、以前、鉄の吸収とアルミニウムの無毒化という記事を投稿したことを思い出した。ソルガムの根では土壌粒子から溶脱したア...

 

木炭の施用と合わせて何の緑肥のタネを蒔けばいい?

菌根菌は木炭の施用で活性化するまでの記事で、サツマイモの大産地で大流行している基腐病に対して、基肥で牛糞を使わず、土壌消毒にも頼らない方が良いのでは?という傾向が見えてきた。土壌消毒の代わりに木炭を利用して、病原性の菌を減らし、共生菌を増やして耐性を強める。土壌消毒ができない以上、畑全体を緑肥にするか?作物が植わっているところの一部、例えば通路を広めにとって通路に背丈の低い緑肥を育てるといった事が必要になってくる。であれば、何の緑肥が良いのだろうか?サツマイモ...

 

菌根菌は木炭の施用で活性化する

木炭によるVA菌根菌の感染の促進機構 - 草地試験場 生態部 - 農研機構という読み物を見かけた。※図:晝間敬等 リン栄養枯渇条件下での根圏糸状菌による植物生長促進 - Jpn. J. Phytopathol. 84: 78–84 (2018) 80ページ 図1より引用※菌根菌は上の図の右側土壌中の糸状菌が植物に対して病原菌となるか共生菌となるか?は施肥次第グロムス門の菌根菌とは何か?牧草のオーチャードグラス(イネ科)とアルファルファ(マメ科)での話題だけれども、...

 

一枚の田だけやたらとイヌビエらしき草が生えている

田がたくさんあるところで、一枚の田でやたらと草が生えているところがあった。稲作では時々草抜きを行う事があるけれども、イネの根から強力なアレロパシー物質を分泌し、周辺の草の成長を阻害するので、他の草が目立つようにはならないとされているという事を思い出した。モミラクトンの分泌量の増加を追う確か、ここらの田はどこも同じ栽培方法で栽培していると聞いているので、大きな差が出たのは何故だろう?除草剤の種類や使用回数の問題なのか?※除草剤の使...

 

土壌中の糸状菌が植物に対して病原菌となるか共生菌となるか?は施肥次第

先に触れておきたい内容があったので、前回のサンショウの続きではなく、とある研究報告の話題を記載する。晝間敬等 リン栄養枯渇条件下での根圏糸状菌による植物生長促進 - Jpn. J. Phytopathol. 84: 78–84 (2018)タイトルを見てなんとなく推測できるような内容の研究報告を見かけた。植物の根の根圏にいる糸状菌と植物が共生した時に、土壌中のリン酸が不足している場合は植物の成長促進が見られたといった内容だと連想するだろう。連想の内容とは異なる研究報告だっ...

 

無効分げつの発生を抑える為の中干しは必要なのか?の続き

無効分げつの発生を抑える為の中干しは必要なのか?の続き。今まで持っている知見を合わせて、稲作の前のレンゲ栽培で土作りの効果が最大になるようにレンゲを育てたところ、レンゲ鋤込み後のイネの生育で、例年と同じ施肥量にも関わらず、肥料がよく効いているように見えるようになった。おそらく、レンゲが生合成した有機物量が例年よりも多い状態になったことが要因だろう。成長が旺盛になったことで、田の茂り方で懸念が生じ、成長を抑える為の中干しが必要なのでは?という質問が挙がった。...

 

無効分げつの発生を抑える為の中干しは必要なのか?

前回の稲作の害虫の天敵が集まってくる田の記事の続き。上の写真の田はレンゲの栽培後に田植えをし、中干しをせずに連日の猛暑日を過ごした。昨年のレンゲのタネの播種前に土壌改良材と稲わらの腐熟を目的とした黒糖肥料の施肥を行い、レンゲの花が咲いた例年よりもレンゲの有機物量が増えた状態で鋤き込んでいる。レンゲの鋤込みの時は有機物が土壌に定着して土を形成するように粘土鉱物を施肥してから鋤き込んだ。ヤシャブシは水田の肥料として利用されていたらしい地上部の葉...

 

稲作の害虫の天敵が集まってくる田

上の写真の田は観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうです等で何度も投稿しているレンゲ栽培で収量が増した田の最近の様子で、周辺の田と比較して相当順調に育っているように見える。レンゲの花が咲いたの記事でも記載した通り、田植えの前のレンゲ栽培で土壌改良材を活用して、レンゲの有機物量を増やし、それを更に粘土鉱物で繋げて物理性を改善しているので、上の田では今年は中干しを行っていない。猛暑日が多い中で中干しの意義を再検討する連日の36℃近くの猛暑で中干しという暴挙を行ってい...

 

肥料としてのヤシャブシの葉は養分以上の肥効があるかもしれない

ヤシャブシは水田の肥料として利用されていたらしいや落葉による土作り再びの記事を作成していた時にとある過去記事を思い出した。その過去記事というのが、水田土壌で新たに発見された窒素固定を行う細菌についてで、水田のような水を張る環境において、とある細菌が土壌中の還元された鉄を利用して、空気中の窒素ガスを反応させてアンモニアを合成するというもの。上記の内容の詳細は妹尾啓史 鉄で土を肥やす!低窒素農業がわかりやすい。上記のPDFだと田植え前の田に入水前に鉄資材を...

 

落葉による土作り再び

ヤシャブシの実も肥料として利用までの記事を踏まえて改めて思った事がある。ヤシャブシの実に含まれるタンニンが栽培の秀品率の向上に役立つのであれば、葉にも多く含まれるタンニンも役立つ可能性が高い。ヤシャブシに限らず、アルミニウムの結合力とポリフェノールの吸着性落葉が腐熟して黒くなるのは、タンニンのような分解が難しいもの(リグニン含む)が分解の過程で濃縮されているはずで、遷移とタンニン以外のほとんどの成分は既に失っている可能性が高い。土作りの一環で落葉をそのまま...

 

ヤシャブシの実も肥料として利用

ヤシャブシは水田の肥料として利用されていたらしいの記事に引き続き、今回もヤシャブシと栽培の話にする。前回の話でヤシャブシの実にはタンニンが豊富に含まれていると記載した。これは、動物に実というか、タネを食べられないようにするためだろう。ヤシャブシの実には動物が食べるような果肉はないはずで、タネに翼があって風にのって広く散布する仕組みであるらしい。ヤシャブシの実がどんな構造なのか?はマジマジと見たことがないので、実を拾ったらしっかりと見てみることにしよう。話は...

 

ヤシャブシは水田の肥料として利用されていたらしい

前回話題に挙げたヤシャブシだけれども、調べている時に葉を水田の肥料として利用しているという内容を見かけた。ヤシャブシ - 国立研究開発法人 森林総合研究所 九州支所ヤシャブシは先駆植物として、激しく撹乱された場所にいち早く自生する木として有名。一昔前の各地で里山が維持されていた頃で撹乱が多い場所といえば、大雨で土砂崩れした、所謂、山が老化している場所に多く生えている可能性が高く、そういう場所はたくさんあったのでは?と想像できる。山の老化という表現が適切かはわからないけれど...

 

トウモロコシの根から強力な温室効果ガスの発生を抑える物質が発見された

稲作でカリウムの施肥を減らして、二酸化炭素の排出量の削減に貢献の記事に引き続き、興味深い研究報告を紹介する。紹介の前に研究報告の前提となる知識を整理しておく。強力な温室効果ガスの一酸化二窒素の記事で記載したが、家畜糞等の硝酸態窒素が多い成分を土に投入すると、土壌の微生物によって二酸化炭素よりも遥かに強力な温室効果のあるガスが大気に放出される。この作用を硝化というのだけれども、家畜糞施肥の硝酸態窒素の3割近くが硝化でロスしていたような気がする。この内容を踏まえた...

 

稲作でカリウムの施肥を減らして、二酸化炭素の排出量の削減に貢献

稲作に関して、農研機構から興味深い報告があったので紹介する。(研究成果) カリウムの施肥量を抑えた水稲の栽培方法により土壌中に難分解性炭素が蓄積することを発見 | プレスリリース・広報リンクのタイトル通りで、稲作でカリウムの施肥量を抑えると、土壌中に有機物が蓄積されやすくなるというものだ。有機物が土の材料となるため、土の物理性や化学性が改善されて、翌年以降の秀品率は向上する。仕組みの考察ははカリウムの施肥量を減らすと、土壌中のカリウムの量は当然少なくなるわけで、イネはカリ...

 

トマトの栽培では土壌鉱物の劣化に細心の注意を払うべき

トマトの一本仕立てで発根量を抑えることでの懸念の記事で、トマトの一本仕立てにより発根量を抑える事でカリウム欠乏が発生しやすいのでは?という内容を記載した。下葉の葉の先端が萎れる現象と同じぐらい、上葉が内側に丸まるという現象もよく見かける。上の写真の葉の丸まり方は大した事はないけれども、土耕のハウス栽培では葉巻のように丸まっているものをよく見かける。これは肥料過多や病気の可能性が高いと言われている。ここでいう肥料過多というのは窒素系の肥料で、相対的に金属系の要素...

 

トマト栽培において最適な根域温度は何℃であるか?

前回のトマトの水耕栽培で水温を意識すべきか?の記事の続き。前回の記事ではトマトに与える養液の水温の違いで成長の違いを見ていた研究報告を紹介した。12℃という低温の養液を与えることで、成長は抑えられるが、果実の品質が向上するという内容であった。前回の内容から更に知りたい事として、最適な水温は何℃であるか?になるかと思う。この疑問の対して、河崎靖 トマトの周年安定生産を目的とした局所温度制御システムの開発に関する研究 - 農研機構研究報告 野菜花き研究部門 第 1 号:35~72...

 

石灰過剰の土壌で鉄剤を効かすの続き

石灰過剰の土壌で鉄剤を効かすまでの記事で、塩の溜まりやすいハウス内では鉄欠乏に陥りやすく、クエン酸による定期的な除塩は必要では?という内容を記載した。ただし、クエン酸は弱酸といえど、酸であるわけで、土壌の鉱物に何らかの影響を与える。であれば、除塩しつつ、鉱物の劣化を軽くする対策も合わせてしておきたい。なんて事を考えた時に頭に浮かんだ事が、2:1:1型の粘土鉱物である緑泥石だ。※左が一般的な2:1型の粘土鉱物で右がMg緑泥石緑泥石は上の図の右側の...

 

石灰過剰の土壌で鉄剤を効かす

前回の施設栽培で軽微な鉄欠乏の症状を見逃すなの記事で、タイトルにある通り、施設栽培での鉄欠乏の話題に触れた。明確な欠乏症があれば楽なのだけれども、鉄に限らず軽微な欠乏症というのは何かと厄介だ。特に微量要素と呼ばれるのは電子の運搬に関わっているので、軽微な欠乏であってもかなり厄介。施設は慢性的に鉄の欠乏症が発生するということで、この問題にどのように対処しているのか?を整理してみると、キレート鉄の施肥という技術で回避しているそうだ。キレート鉄の使いどころ水に溶解した鉄...

 

施設栽培で軽微な鉄欠乏の症状を見逃すな

トマトに限らず、施設内での栽培では鉄欠乏に陥りやすい。鉄は土壌中に大量にある成分であるはずなのに、何故鉄欠乏に陥りやすいのか?考えられる点は二点。鉄がいくら多いといえど、土を酷使している場合は、吸収できそうな鉄の絶対量が少なくなっている。もう一点は土壌の化学性の観点になる。施設は降雨が無いため、露地作と比較して、土が大量に水を得る機会が少ない。トマトであれば更に水を控えるという管理があるので、土が得られる水の量は更に少なくなる。降雨というものは偉大...

 

施設栽培におけるECの管理について

農文協から出版されているオランダ最新研究 環境制御のための植物生理という本を読んでいる。この本が出版された頃、京都の北部でシシトウの施設栽培をしている方の間で読まれていて、頻繁に話題にも挙がっていたが、その時はまだ時期ではないと判断して読んでいなかった。土壌の物理性や生物性を経て、そろそろ細かいところを見る頃合いかと思い、この本を購入してみた。土壌中に青枯病菌を捕食する生物はいるのか?施設栽培による環境制御から露地栽培にフィードバック出来る内容は多いはずと期待して読んでみ...

 

土壌中に青枯病菌を捕食する生物はいるのか?

前回のトマト栽培の最大の課題の青枯病についてを見るの記事で、トマトで最も苦戦すると言われている青枯病(立枯れ病)に対して土壌消毒をしても意味がない可能性が高いと記載した。この内容を投稿した時に、ふと思った疑問として、青枯病菌を捕食する天敵のような生物はいるのだろうか?ということ。真菌(カビ)であれば、トリコデルマと聞いて思い出す師の言葉の記事で見たトリコデルマやミミズは耕盤層に移動し、層でミミズ孔を形成するか?の記事で見たトビムシあたりがある。他には葉のうどんこ病菌を捕食するキイ...

 

トマト栽培の土作り事情

トマト栽培で老化苗を定植したら微量要素の課題が付き纏うの記事で、トマト栽培で木を暴れさせずに収穫する工夫の一つに老化苗を定植するという内容を記載した。老化苗の定植が背景にあるのか?施設栽培に限らず、トマトの栽培では厄介な内容が付き纏う。その内容とは、トマト栽培の土耕において、土作りをほぼせずに株に負荷をかける栽培をするということ。確かに土の物理性を改善しなければ、発根量は減るわけで、発根量が減れば木が暴れるリスクは軽減される。ただ、物理性を改善しな...

 

低木の根元の倒木にキノコ

里山っぽい管理がされている場所のとある傾斜にて、細い木の根元に倒木があった。その倒木には小さなキノコが生えていた。この倒木がキノコを介して土に還っていくことを思うと、森林の循環というものが良く出来ている事を改めて実感する。この話の先にトリコデルマと聞いて思い出す師の言葉の記事で触れたような展開があるとすると、小さな木の倒木一本からでも学べる事が多いなと。

 

水田の鉄還元細菌が行っている詳細を知りたい

前回の水田土壌で新たに発見された窒素固定を行う細菌についての記事で、水田で新たに発見された窒素固定を行う細菌で鉄還元細菌がいることを記載した。上記の記事の途中でも記載したが、Fe2O3 + 2e- → 2FeO + O2N2 + 6H- + 6e- → 2NH3上記のような単純な式ではないはずと記載した。一番目の式で鉄の還元時に本当に酸素が放出されるのか?という疑問があったため、鉄の酸化還元についての詳細が記載されているものはないか?を検索をしてみたら、加藤真悟 中性pH付近...

 

水田土壌で新たに発見された窒素固定を行う細菌について

土作りのステップアップとしてのエッセンシャル土壌微生物学を薦めるで紹介したエッセンシャル土壌微生物学 作物生産のための基礎 - 講談社を読んでいたら、気になる箇所がいくつかあって、記載されている論文を追っかけた。そのうちの一つが水田土壌における増田曜子等 鉄還元菌窒素固定の発見と応用―マイクロバイオーム解析から低窒素農業へ― - 土と微生物(Soil Microorganisms) Vol. 74 No. 1, pp. 2–7(2020)でタイトルにある通り、水田土壌において、鉄還元細菌...

 

土作りを意識したレンゲ米栽培の田の田起こし

昨年、周辺の田がウンカの被害で収量が激減している中、無農薬で最後まで収量が減らなかった田を管理している方から、田起こししたという連絡があったので早速行ってみた。観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうです連絡があった方はレンゲ米栽培をされている方で、レンゲが咲き乱れている中急いで耕起したそうだ。この田で昨年と異なることは、・レンゲの種まき前に土壌改良材のベントナイトや黒糖肥料を施肥した・レンゲの鋤込み時期を前倒しした※できれば、開花前に鋤き込め...

 

土作りのステップアップとしてのエッセンシャル土壌微生物学を薦める

講談社からエッセンシャル土壌微生物学 作物生産のための基礎という本が出版されたので早速読んでみた。土作りを意識した栽培をしたいと考えている方はオススメの内容だった。土壌微生物学というタイトルの通り、菌と細菌といった現場では理解が曖昧な箇所が丁寧に記載している。それ以上にオススメなのが、土壌微生物の住処としての団粒が粘土鉱物の視点から丁寧に記載されているし、酸化還元電位という切り口で肥料の効きや老朽化水田の説明も記載していて、一つ上の思考になれることは間違いない。緑泥石から土の...

 

スギナの間にスイバらしき草

道路沿いの畑で気になった箇所があったので撮影した。その畑はスギナだらけで、この土で栽培できなくなるまで秒読み段階に入っているのは明確なのだけれども、気になったのは他の事。土壌が酸性でないところでもスギナが繁茂したこのスギナの群生をよくよく見てみると、スイバらしき草がスギナを押しのけて成長している。しかも、このスギナはあまり障害を受けていないように見える。スイバの根といえば、土とタデ科の根とタンニンの記事で、タンニンが豊富に含まれてい...

 

土とキノコ

世界で最も大きな生物は何か?という問に対して、森を学ぶ為にブナ科の木々を学ぶキノコだという返答を時々見かける。一見小さく見えるキノコでも、クローバの根の周りで何か起こってる※上の写真はこれから展開する話のイメージ森の植物の根と共に伸長した菌糸が、山の端から逆側の端まで張り巡らせれていて、予想される総重量は膨大なものであるそうだ。菌糸は有機酸を放出して土を柔らかくしながら伸長を続けているはず。吉田博 ハナビラタケ菌糸体の栄養生長にとも...

 

菌耕はキノコの菌糸に注目するべきではないだろうか?

土壌中で発生する酸素の発生源を探るまでの記事で、菌耕という技術で物理性が改善されるという報告はミミズに因るものではないか?という話題を投稿してきた。土壌微生物の生態系の観点で流石に素人が培養した少量の菌の液体が土壌に大きな影響を与えるはずがない。それでも菌耕が広まっているということは、何らかの目に見える現象があるわけで、それは無碍にできない。なので今まで得てきた知見を元に菌耕というものを見てきた。改めて又聞きではあるが、実践している方から聞いた話を整理してみる。 ...

 

土壌中で発生する酸素の発生源を探る

前回のミミズと植物の根は互いに影響を与えながら深いところを目指すの記事で、ミミズと植物の根の関係を記載した。ただ、この内容では菌は耕盤層を破壊して、物理性の改善に関与するのか?の記事の内容はフォローしていない。今回は別の視点を加えてみることにする。先日、土壌で菌等の微生物が死んだ時、酸素を放出するという内容を聞いた。上記の内容がストレートに記載されている文献はまだ見つける事はできていないが、この話を教えてくれた方は博士号を取得しているので、何らか根拠があって、この...

 

ミミズと植物の根は互いに影響を与えながら深いところを目指す

ミミズは耕盤層に移動し、層でミミズ孔を形成するか?の記事の続き。畑をトラクタで耕すことで形成される耕盤層をミミズが壊すことが出来るのか?という問に対して、ミミズは地表から1メートル深くまで移動するという報告があったため、耕盤層付近まで誘導出来る術があれば可能では?ということになった。※耕盤層は表土から30〜50cmあたりのところに出来る今回はミミズがどれ程深くまで移動することが出来るのか?を調べていた時に得た内容を紹介する。中村好男著 根の生育環境...

 

ミミズは耕盤層に移動し、層でミミズ孔を形成するか?

前回の菌は耕盤層を破壊して、物理性の改善に関与するのか?の記事で、某所で提唱されている菌耕について見ることにした。又聞きではあるが、提唱されている内容に無理があるなと思いつつ、実践者がいる以上、何らかの変化があるわけで無碍にはできないと判断し、菌耕から得られる知見はないかと模索してみた。菌根で狙っている効果は団粒構造の形成、あわよくば耕盤層の破壊による排水性の向上だ。※耕盤層は一般的に地表から30〜50cmくらいにある上から圧をかけられて固くなった層を指す。トラクタで頻繁に耕起さ...

 

菌は耕盤層を破壊して、物理性の改善に関与するのか?

先日、菌耕の話題になった。この話の出処を聞いたら、またあそこか…になった。師匠の関係で、師匠の横で何度かお会いしたが、いつも超科学的な理論をぶっ飛ばしているなと。あそこの商売は聞く人の専門家が思考するような高度な理解の欲求といった心理的な満足度を常に高め、フリーミアム戦略に似た商売をうまく展開していて、学ぶ所は多いのだろうなと思いつつ、あの商売は無いわと思ったりもする。フリーミアム - Wikipedia菌耕について聞いた話は下記の通り。実践者からの又聞きなので、本質...

 

レンゲの花が咲いた

昨年から引き続き様子を見ている某所のレンゲ米栽培の田だけれども、今年はレンゲのタネを播種する前に土壌改良剤を使用している。土壌改良材は粘土鉱物と黒糖肥料なんだけれども、この田を管理している方曰く、昨年よりもレンゲの背丈が高くなっているらしい。レンゲの播種は稲作収穫後のすぐ後人にとっての旨味成分が植物の発根を促進するか?これから先の話は個人的なメモの内容になるが、田の隅でレンゲの花を咲かせた。端といえば、田の端の草がこんもりしているところを見ての記事...

 

アルカリ性不良土壌向けの肥料について調べてみた

今月中旬に肥料関係で大きなニュースがあった。そのニュースというのがアルカリ性不良土壌向けの肥料を安価且つ環境負荷が少ない形で開発できたというものだ。Development of a mugineic acid family phytosiderophore analog as an iron fertilizer | Nature Communications日本国内ではあまり使用する機会はないだろうけれども、開発に要した先行調査や実際の開発で得られた知見というものは、自身の栽培...

 

ヘアリーベッチ米栽培という取り組みで思うこと

前回のヘアリーベッチの可能性を探るの記事を書いている時に、ヘアリーベッチのことを検索していたら、兵庫県の東播磨での取り組みで、ヘアリーベッチ米という栽培方法を見かけた。兵庫県/知ってください・食べてください。東播磨の農畜水産物!!ヘアリーベッチをレンゲ米栽培のように田植えの前に緑肥として利用する栽培で、化学肥料の削減を目的として素晴らしい取り組みだと思う反面、農薬の使用量が増えるだろうなという不安もある。何故、そのような不安があるかというと、ヘアリーベッチ米と合わせて...

 

兵庫の某進学校に通う高校生に肥料の話をした時のこと

何年前だったかな?兵庫県の某進学校の高校生から肥料の話で質問があるので行っても良いですか?と連絡があり、遠路はるばる京都にきて話をした時の話をしよう。こちらにやってきた高校生は二人で、ニ人共高校三年だった。一人はたしか某国立大学の理科三類に現役合格をしていたはず。そんな彼らがわざわざ京都に来て、何の話をしたいのかな?と思っていたところ、肥料について本やネットでは分からない事を聞きたいとのことだった。先に彼らとの肥料の話に入る前に雑談になるが、彼らが高校の生物の授業のプ...

 

グロムス門の菌根菌とは何か?

Mike Guether - 投稿者自身による作品, CC 表示 3.0, リンクによる前回のグロムス門の菌根菌を理解する為に古い分類法についてを学ぶの記事に引き続き、作物栽培で頻繁に話題が挙がるグロムス門の菌根菌について触れる。グロムス門の菌根菌はアーバスキュラ菌根菌やAM菌根菌と呼ばれる事が多い。※以後、AM菌と略す前回の記事では、AM菌は以前は接合菌として扱われていて、この写真のような大きな子実体(キノコ)は形成しないと記載した。森を学ぶ為にブナ...

 

グロムス門の菌根菌を理解する為に古い分類法についてを学ぶ

コウジカビが人の町にやってきたを含め、最近の課題は学術の面で菌について解明されている事を知る事で、直近では菌類のふしぎ 第2版 形とはたらきの驚異の多様性 - 東海大学出版部の本を足がかりにしている。そろそろ見ていきたい菌の一つにMike Guether - 投稿者自身による作品, CC 表示 3.0, リンクによる栽培で超重要だとされる菌根菌がある。菌根菌というのはその名の通り、植物の根と共生して、菌根というものを形成する。上の写真を見ての通り、植物の根と比...

 

菌の生活環と不完全菌

トリコデルマを理解する為に古い分類法についてを学ぶの記事に引き続き、一つの菌に二つの名前がある事について触れていこう。今回の内容は菌類のふしぎ 第2版 形とはたらきの驚異の多様性 - 東海大学出版部を参考にして進める。前提の知識として、菌(カビ)の生活環には二つのステージがある。This image was created by user Brian Seitzman at Mushroom Observer, a source for mycological image...

 

トリコデルマを理解する為に古い分類法についてを学ぶ

いずれどこかで詳細を記載する事になるだろうけれども、最近、カビについて細部まで理解する必要が出てきた。とっかかりとして、当ブログでもカビに関する本をいくつか紹介しているけれども、それらを読んでもしっくりこなかったものがある。US Department of Agriculture, Agricultural Research Service, Systematic Botany and Mycology Laboratory, [1], パブリック・ドメイン, リンクによる...


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