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カテゴリー : 土壌環境

電子書籍の販売をはじめました
 

草たちが協力し合って成長しているのか?

いつも見ている田の様子なのだけれども、レンゲの播種に播きむらがあって、上の写真のように草が繁茂している箇所とそうでない箇所が明確になっている。この状態は後の栽培に悪い影響を与えると思いがちだけれども、後々に使える良い知見が得られるので、評価というものは難しいもの。写真中央右側をピックアップしてみると、レンゲが中心のイネ科の草を取り囲むように生えていて、興味深いことにレンゲに囲まれた箇所の草は青々としていて、おそらく同一種の草だろうけれど...

 

アカマツはアンモニア態窒素を好む

アカマツと刀の記事まででアカマツについて色々と調べていたわけだけれども、その時に興味深い報告を見かけたので今回はその内容について触れる。その内容というのがアカマツと栄養としての窒素だ。赤間亮夫等 アカマツの窒素利用特性と生育適地の関係 -林木の栄養生理における一考察- 森林総合研究所研究報告 第19巻3号 2020で高所で生息するアカマツとアカマツよりは低所に生息するスギの窒素利用特性についてが記載されていた。スギは窒素を主に硝酸態窒素という形で吸収して、一旦体内で蓄積させた...

 

松原の維持と松明

マツの外生菌根菌と海水の記事で他の植物が生息できない塩分が高い環境において、クロマツは塩分が高いところで活発になる外生菌根菌と共生していることによって適応している事を知った。この手の耐性を持つ菌は、有機物が蓄積して様々な化学的要因に対して緩衝性を得た土壌では劣勢になり、宿主のクロマツの環境に対するアドバンテージを失い生息域の縮小につながる。であるはずなのに、三保松原といった歴史のある松原が日本各地に残っているのは何らかの理由があるはずで、その理由が記載されているページがあったので紹介...

 

マツの外生菌根菌と海水

砂浜にマツにとっての栄養はあるのか?の記事で海岸の砂浜で生育するマツは何処から養分を得ているのだろう?という疑問を記載した。養分がありそうなのは、砂に含まれる泥岩と海水だろうか?上記の内容に関して興味深い研究があったので、今回はその内容を引用する。松田陽介等 塩化ナトリウムがクロマツと外生菌根菌の生育に及ぼす影響 - 重大学 生物資源学部・大学院生物資源学研究科でクロマツの外生菌根菌であるショウロやコツブダケに塩化ナトリウムを与えたら、真水と比較して菌体重量が増えたそうだ。※...

 

砂浜にマツにとっての栄養はあるのか?

古事記に記載された尾津岬の一本松を想像するまでの記事で日本人がマツを特別な木のように扱っている内容について調べていることについて記載した。特別視(神格化)している内容としては、上の写真のように他の木が生息できないような砂浜のような養分の少なく、潮の影響を受けやすい場所でも成長出来る事があった。ある程度植物学を学ぶと、これは森の中心や河原といった植物にとっての激戦地から追いやられたというイメージが強いが、それは一旦置いておく。若山神社のシイ林強さの象徴である海岸でマツが成長...

 

水田からメタン発生を気にして乾田にすることは良い手なのだろうか?

先日のニュースで水田から発生するメタンについての話題があった。メタンといえば強力な温室効果ガスとして扱われていて、農業では水田と畜産(牛)が挙がっている。※水田でのメタンの発生については田の酸化還元電位に記載がある水田でのメタンの発生を抑えるには、中干しを行うか、腐植の蓄積が有効であるとされている。ここで興味深い話題があって、今までの知見を振り絞って腐植の蓄積を徹底的に行ってみたら、保水性が良くなりすぎて、田から水を抜いても土にヒビが生えなくなったどころか...

 

稲の収穫後のレンゲの直接播種の田

稲作の収穫後に耕さずにそのままレンゲを播種したであろう田を見た。今年も観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうです2023等で話題に挙げている田で秀品率と利益率が格段に上がったからか、レンゲを播種する田が増えて良かったとしみじみ思う。そんなことより、わらを漉き込まずにレンゲを直接播種したところだけれども、収穫機が入って土が固くなっているにも関わらず、旺盛に葉が展開している。ひこばえが良い感じにレンゲの葉が寄り掛かれるようになっているので、お...

 

八女のミカンは美味しい

妻が食料品店で八女産のミカンを購入してきて、八女はどこらへんにあって、八女で穫れるミカンは美味しいの?という話題が挙がった。先に個人的な見解を挙げると、日本のミカン栽培で上位三位以内に入る適地だと予想している。何故そう思うのか?を丁寧に見ていこう。八女は九州の福岡県南部で久留米の右側あたりにある地域で、航空写真で見ると山が多い地域となっている。八女はシトラスベルトと呼ばれる緯度で見た気候の視点でのカンキツ栽培の適地に含まれている。こ...

 

シイタケ栽培の排水由来の土壌改良材

渋柿の渋さはどうやって消える?の記事で柿(カキ)の渋さが消える仕組みについて見てきた。カキの渋さは消えるのではなく、渋さの要因のタンニンが更に重合して水に溶けにくくなり、カキを食べたときに舌でタンニンを感じなくなることだった。この内容はタンニンについて - 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 天然物化学研究室のページに詳しい記載があったのだけれども、クリの方のタンニンで興味深い記載があった。※クリのタンニンは化学式を見る限り、カキのタンニンとは構造が大幅に異なるので...

 

植物は見えない程の干ばつでリン酸を大量に使用しているかもしれない

核酸の肥効について考えてみたの記事で、シロイヌナズナにビタミンB3ことナイアシンを与えたら、乾燥耐性を得たという研究報告に触れた。この研究報告にたどり着くまでにもう一つ興味深い研究報告を見たので、今回はそれについて触れておく。植物の新たな干ばつストレス応答機構を発見―「見えない干ばつ」を克服し、作物の大幅増収への道を切り拓く― | 国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター | JIRCASにでダイズとシロイヌナズナにおいて、葉がしおれない程度の初期の干ばつ(見えな...

 

有機質肥料の施肥では種類と作物の相性に注意すべきの続き

有機質肥料の施肥では種類と作物の相性に注意すべきの記事で有機質肥料に含まれるアミノ酸の構成によって、作物に与える肥効はどのようになるか?を2つの研究報告を基に考えてみた。2つの研究報告を読んでいて、絶対に触れておくべきだと感じたものがあるので、今回はその内容に触れておく。その内容というのが、ダイズと各窒素肥料の施肥との関係だ。二瓶直登著 植物のアミノ酸吸収・代謝に関する研究 - 福島農総セ研報 2: 21-97 (2010)の11ページにダイズと各窒素肥料の施肥の...

 

硫酸リグニンは施設栽培の慢性的な鉄欠乏を解決できるか?

土壌中でタウリンを資化する微生物は存在するか?までの記事でタウリンについてを調べていたのだけれども、その時に興味深い研究報告を見かけた。それは〔2023年8月24日リリース〕樹木の主要成分であるリグニンから植物の成長促進剤の開発に成功~鉄欠乏土壌を救う環境に優しい金属キレート剤~ | 2023年度 プレスリリース一覧 | プレスリリース | 広報・社会連携 | 大学案内 | 国立大学法人 東京農工大学だ。内容はバイオマスエネルギーの産業廃棄物である硫酸リグニンを水溶化処理したものを植...

 

土壌中でタウリンを資化する微生物は存在するか?

土壌中でタウリンを利用する微生物はいるのだろうか?という疑問が生じたので検索をしてみたが古い論文しかヒットせず。ChatGPTにタウリンを好む細菌はいるのか?と質問をしてみたら、タウリンを好む細菌は存在すると返答があった。例として、硫黄還元細菌を挙げ、主に水中の環境や土壌中に存在し、硫化水素の生成に関与していると言う。硫黄還元細菌とタウリンで検索をしてみたが、タウリンを利用する際の細かい反応についての記述は見つからず。再び、ChatGPTにタウリンの分解について質問してみ...

 

果物王国の山形県天童市はグリーンタフ帯に位置する

先日の山形北部からの帰りにラ・フランス等の果実やネギで有名な農家がいる山形県天童市に寄ってみた。山形の北部の盆地の更に北で緑泥石と出会った天童市は山形県中部の山形盆地に位置し、東北のグリーンタフ帯(緑色凝灰岩)に位置している。東北のグリーンタフ帯時間の都合上、天童市にある畑作の土をまじまじと見れなかったが、こんな感じで青い石や緑の石が多く感じられた。※上の写真を俯瞰して見ると赤い土になっている島根県出雲市のグリーンタフこれら...

 

植物は地力窒素をどのように活用するか?

タンニンのタンパク質凝集モデルは地力窒素の理解に繋がるか?の記事で、地力窒素とは、タンニンのタンパク分解酵素を抑制しつつタンパクを凝集させる作用に拠るものなのか?という内容を記載した。上記の話題が正しいとして、次に気になるのはタンニンによって凝集したタンパクの肥効についてだ。肥効の順番はタンパクの分散 → タンパクを切断 → ペプチド → アミノ酸 → 無機化になるが、最初のタンパクの分散はどのような反応になるのか?検索をしても求めている情報にたどり着かなかったので、タンニン...

 

タンニンのタンパク質凝集モデルは地力窒素の理解に繋がるか?

窒素肥料の複雑さの続きまでの記事で各種窒素肥料と地力窒素について触れた。有機態窒素のことを見ることで、地力窒素のことがなんとなく見え始めてきたけれども、まだ実態はつかめず。タンニンとタンパクについて、どれほどの解明が進んでいるのか?と気になったので検索をしてみたら、興味深い内容にたどり着いたので、今回はその内容を紹介する。その内容というのが、タンニンのタンパク質凝集モデルの作成に成功 ―ポリフェノールの渋みや生物活性メカニズムの解明に期待― - 岐阜大学になる。上記の研究報告...

 

稲作の地力窒素を考えるの続き

今回は稲作の地力窒素を考えるの続き。前回の記事で窒素肥料についてを分類して、有機態の窒素のタンパクが地力窒素に該当するのでは?と記載したが、タンパクの分解の早さを考えると難しいという内容を記載した。稲作には乾土効果という地力窒素の肥効を前倒しする手法があり、そこから地力窒素は土壌粒子に吸着している有機物であることが予想出来る。であれば、地力窒素の形状はある程度絞られることになる。地力窒素に関して検索をしてみたら、古い内容であるが、地力窒素の分子実体は何か ...

 

稲作の地力窒素を考える

米の粒を大きくしたいという相談があったの続きまでの記事で、稲作と米の加工を行っている方から米の粒を大きくするにはどうすれば良いのか?について整理してきた。これに対して、実の形成時の養分転流を意識することが大切だと触れ、植物ホルモンの観点から養分転流が最大になるようにすることを考えた。養分転流を最大にする件に関する一点目は、初期生育時の発根を活発にする事で、栽培後期の養分転流を活発化する。二店目に必要になるのが、おそらく地力窒素なので、今回は地力窒素に触れていくことにする。...

 

米の粒を大きくしたいという相談があったの続き

今回は米の粒を大きくしたいという相談があったの内容の続き。前回の記事では近隣にある田で同じ施肥設計で栽培方法も同じにも関わらず、米の粒の大きさが違うという話題で、違う点を整理したら田植え前のレンゲの栽培履歴に差があった。であれば、田の有機物の量とレンゲ由来の地力窒素に差がある可能性が高いという当たりを付けることが出来た。この話題が挙がった時に、レンゲ栽培の期間が短い方に即効性の窒素成分の追肥をした方が良いですか?という追加の質問が挙がったがおそらくそれは違うと思うと返答した。...

 

米の粒を大きくしたいという相談があった

今年も観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうです2023の記事で紹介している田の方から興味深い質問があったので返答の整理を兼ねて記載していく。施肥設計、田植えや収穫時期が同じの二枚の田があって、片方(上の写真左)は例年通りの粒の大きさだが、もう一方(上の写真右)は粒が大きかったそうだ。加工では粒が大きい方が多いので、粒が大きくなった要因を知りたいとのこと。2つの田は隣接しておらず、間には小さな道路と6枚分の田がある。水源は同じだが、粒の小さな田の方が...

 

今年も観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうです2023

中干し無しの稲作から米の品質向上のヒントを得た等の記事で話題に挙げている物理性の改善 + レンゲ + 中干し無しの稲作で今年も無事に収穫を迎えることになった。今年の栽培では基肥の一発肥料を周辺の田の半分(一発肥料一袋)にして栽培をしたところ、倒伏しかかったが何とか持ちこたえる形となった。※物理性の改善時に粘土鉱物肥料を2袋/反程用いている。稲作で深植えの方が倒伏しなかったのは何故か?今年は猛暑日がきつくて長く、全国的に小粒の傾向があるらしいが、中干し無...

 

お茶の品質日本一を輩出するところは緑泥石帯

今回は八女本格和紅茶を頂きましたの記事の続き。福岡の八女で穫れるお茶といえば、品質日本一を輩出することで有名だけれども、現地で八女茶の美味しさの秘密を聞くと真先に土質が良いという返答があるらしい。最近は土質よりも地質を調べた方が精度が高いので地質を調べてみたら、緑泥石帯であった。福岡県八女市 - 20万分の1シームレス地質図V2愛媛のミカンが盛んなところは緑泥石帯の記事で触れた愛媛のミカンに引き続き、茶葉でも緑泥石が関連していたか。栽培は母岩が超重要であるとい...

 

くらべてわかる岩石という良書と出会った

国内で栽培技術が最上位にいるであろう人たちのやりとりを見ると、自身の田畑や園地で母岩レベルで話をしていて、青い石が出る園地は良いミカンが出来るの記事関連のやりとりを見ていたら、結晶片岩という名称がよく挙がる事が目に付いた。母岩が風化したら、どのような色の土になるとか、その土はどのような癖を持つのか?といった話題が続いていた。岩石を見分けられると何かと役に立つのは直感としてわかってきたが、栽培指導書の母岩の記載から地質に興味を持った身で、地質学を専門的に学んだわけではない身として、似た...

 

栽培者の求める最高の肥料は地下深くで形成される

青い石を理解するために鉱物の緑泥石化作用を見るの記事で栽培者にとって重要な青い石のうち、青い要素である緑泥石化について見た。長野の栄村小滝集落の米づくり玄武岩に含まれる黒雲母が熱水という弱い変成作用によって、枕状溶岩の空隙にはゼオライトが充填されている緑泥石となり、岩全体が緑色になることがわかった。緑泥石を中心にしてただ、これでは冒頭で触れた青い石こと、緑色片岩ではない。緑泥石化した玄武岩は海底火山に因るものだという話題に戻り、...

 

青い石が出る園地は良いミカンが出来るという言い伝え

ハウスミカンを栽培している方から下記のような連絡があった。※写真は下津のミカンの記事から/****************************************/4年前に行った和歌山のみかん園地で山頂に近い園地では緑色片岩のような石が多く、品質の良い温州みかんが作られ、山の下の園地では、黒黒とした土で水分ストレスをあまり必要としない中晩柑が作られていましたがこれもいい品質でした。昔から和歌山では青い石が出る園地は良いみかんが出来ると伝えられているそうです。 ...

 

毎日の日課の土に生ごみを埋める事から感じる将来の不安

上の写真の場所は穴を掘って生ごみを入れ続けている場所なのだけれども、(写真ではわかりにくいが)連日の猛暑で土に水気がなくパサパサしている。土に生ゴミを埋めるという日課上の写真(上の写真は時期が異なる)のように生ごみを入れる時にベントナイトを一緒に入れて土に弾力が増したにも関わらず、猛暑が勝っているのか?フカフカ感がなくなっている。もしこのパサパサ感を放置する事で土の弾力の要素が壊れていってしまうということであれば、年々猛暑日が増えていく日本の将来が不安...

 

これからの稲作は如何に土の保水性を向上するかになるはず

水稲の生育状況と今後の管理対策(高温対策臨時号 第2号)「異常高温に対応するため飽水管理を徹底してください」 - 新潟県農林水産部というニュースが目に付いた。今年の連日の猛暑が稲作の出穂以降の栽培に大きな影響を与えるので、水管理を徹底しましょう。ただし、用水路の水不足の心配もあるので節水も意識しましょう。という内容だった。上記の内容は近所の稲作を冬期も含め毎日観測していたので予想は出来ていて、中干し無しの稲作を見て、水資源の管理の重要性を感じる等の記事で用水路の水量の増加...

 

久しぶりに関東ローム層の地域に行ってきた

久しぶりに関東ローム層の土質の地域に行った。神奈川県の新横浜付近にある畑の色近くで詳しく見てみると、パウダーのような土でトラクター等の刃が磨耗しにくく栽培しやすい土に見える。関東ローム層の土質といえば、活性アルミナ問題があるが、それは腐植質肥料があれば問題を軽減できるので気にする必要がない。リン酸値の改善の為のラッカセイ栽培で気をつけるべきところそんな関東ローム層の地域だけれども、近隣の畑の土を見たら、色が脱色しているところがちらほらと見えて、土を酷使して...

 

稲作でカドミウムの吸収を抑制する栽培方法

カドミウム除去という観点の緑肥の記事から引き続き、カドミウム関連の話題を記載する。文中で記載した長谷川功 植物とカドミウムに関する研究の変遷と課題 - 肥料科学,第42号,35~79(2020)を読み進めていたら、水稲でカドミウムの吸収を抑制する栽培方法についての記載があった。出穂前後3週間にわたり水田を湛水状態に保ち還元状態にすることで、カドミウムを溶解を抑制しイネの根からの吸収量を減らすといった記載があった。他にpHを中性に近づけておいたり、強度の中干しを行わないという記載も...

 

下津のミカン

和歌山県海南市の下津付近でミカンを栽培している方にお会いしてきた。上の写真はミカンの園地になるが、傾斜にミカンの木を植えている。ミカンは日射量が重要なので、たくさんの木を植えつつ、品質を確保するとなると写真の箇所のような急な傾斜に木を植える事になる。他に水はけが良いが、乾燥機には保水性が高い必要があるため、小石と粘土鉱物が絶妙なバランスである方が味が安定するようだ。畑作であれば、排水性と保水性を同時に確保するには土作りが有効であるが、冒頭の写真のような箇所では堆肥は重...

 

生ごみを埋めているところで濃い黒い層ができていた

土に生ゴミを埋めるという日課等の記事で触れているが、庭の土で穴を掘って生ごみを入れて埋めている。今の時期であれば大体1週間程で大半の生ごみは消える。土が黒くフカフカになったところ程、生ごみが消えるまでの時間が短くなっている。こんな感じで生ごみを入れて続けているわけなのだけれども、先日、新たな生ごみを埋める為に穴を掘ってみたら、※上の写真は右側が土表面側で左側が土の深いところ有機物が蓄積している層(写真右)と蓄積していない層(写真左)が明確であっ...

 

古代の港から土質を考える

吉川弘文館から出版されているよみがえる古代の港という本が面白い。よみがえる古代の港 - 株式会社 吉川弘文館 安政4年(1857)創業、歴史学中心の人文書出版社上記の本は弥生時代から古墳時代を経て奈良時代へと変化していく事を港と航海を切り口にして考察している本になっている。この本で真っ先に目に付いた内容として、地名に津とついた場所は古代史において港であった可能性が高いという事だ。例えば、岡山には吉備津神社という古くからある神社がある。地図で見る...

 

意外なところからマンガン過剰

栽培中のマンガン欠乏症を見かけたら、興味深い内容の記事を見かけたので紹介する。どうやって見分けるの? 植物の生理障害7 ~生理障害の診断・マンガンによる障害~ 2010. タキイ最前線 夏号で殺菌剤を使用したマンガン過剰になる事があると記載があった。この背景を理解する為に、植物のマンガンの利用について記載したい。マンガンは 2 〜 7 価までの原子価を取り得る。栽培では主に、マンガン(Ⅱ)からマンガン(Ⅳ)が話題に挙がるので、今回はこの範囲に留めておく。...

 

一見、養分がないように見える土でも

公園のベンチに座っているときに遊具の柵の支柱周りで群生化しているアレチヌスビトハギが気になった。この草が気になったら、次はベンチの下にいるアレチヌスビトハギの群生が気になった。欠乏症らしきものが見られないが、どう見ても養分なさそうな土だぞ。窒素は窒素固定でどうにかなるとして、他の養分はどうにもならないぞ。一枚目の写真の奥の土質が、のような赤茶色の粘土で、地質的にも大阪層群の海成粘土に位置していた。粘土鉱物が出来る場所、海底風...

 

使用前の脱酸素材の鉄粉は肥料として使えるか?

Dr. Stoneという漫画で砂鉄から発電機や刀を作るシーンから我が家では磁鉄鉱が流行っている。脱酸素材の中の鉄脱酸素材から鉄粉を取り出して遊んでる。磁鉄鉱は鉄器造り以外で何に使えるのか?という質問があったので、使い終わった脱酸素剤や使い捨てカイロだったら肥料として使えるはずだと伝えた。稲作で使い捨てカイロ由来の鉄剤の肥料があれば良い使い終わった鉄粉というのは酸化して褐色化したものだ。これは水稲で鉄還元細菌によって窒素固定される事でイネの肥...

 

レンゲ米の田の土表面の褐色化が目立つ

いつも確認しているレンゲ米(土の物理性の改善を行い続けている田)の様子。今年も観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうです2022写真ではわかりにくいが、全体的に土表面が褐色化していた。これほど目立った褐色化は昨年までは見られなかった。※実際には褐色化しているのが気になることがなかったので目立っていなかったのだろう。この田の施肥している肥料は把握していて、肥料で褐色化する要素は思い浮かばない。これは田の土壌の土の金属が酸化し...

 

五斗長垣内遺跡と鉄器

天沼矛のモデルとなった上立神岩の記事で日本の神話の国生みの最初の場所である淡路島について見てきた。この場所は古事記の製作に関わった者たちにとって超重要な何かがあるということらしいが、この内容について気になることがある。淡路島全体でこれといって栽培しやすい土壌がないんだよな。タマネギ栽培で酷使していて劣化が激しいので尚更なのだけれども、古墳時代前後でも地質的に土質が良いと言えないだろうから、ここで食料生産が活発になり富や権力が増したというのは想像しにくい。南あわじの白っ...

 

リン酸過剰な土壌で腐植酸の施肥は有効か?

土壌分析でリン酸の数値が高い結果が返ってきたら次作は気を引き締めた方が良いの話を伝えた方から、リン酸過剰問題に対して腐植酸の施肥が有効ではないか?と仮設を立て栽培に腐植酸を取り入れてから栽培しやすくなったような気がするという話を聞いた。この話は実際に栽培が楽になっているのか?それとも気の所為であるのか?他の方が懐疑的であったので丁寧に考えていきたい。まずは腐植酸肥料について触れていきたい。代表的なものとしてはピートモスだろうか。ピートモスというのは湿地...

 

バガスは土作り後に役立つ資源なのでは?

OKINAWA CACAOの記事で、沖縄土壌らしき土での土壌改良の話題に触れた。土壌改良で実現したいことはストレスなく発根ができることと、地温の上昇。どちらも同じことをすれば到達する事なので、とにかく土の粘土鉱物に有機物が結合すれば良い。この話に触れていて思った事がある。もし、物理性の改善が出来たとして、土がフカフカになってガス交換が頻繁にできるようになったら、沖縄で大量に余っているサトウキビの絞り粕であるバガスこそ、地温上昇の燃料みたいに使えるよなと。燃...

 

OKINAWA CACAO

国頭マージという土とウマゴヤシまでの記事で沖縄の事についてを触れてきたので、そろそろ沖縄に行った目的を書いていく事にする。今回、沖縄に訪れた理由は、沖縄のヤンバルでカカオの木の栽培に挑戦している方がいて、栽培している畑の土を見に行く事だった。OKINAWA CACAO | Bean to Bar OKINAWA CHOCOLATEカカオの栽培は下記ページによると、平均気温が27℃以上の地域で、一年を通して寒暖の差が小さいところでならないそうで、沖縄のヤ...

 

国頭マージという土とウマゴヤシ

沖縄の名護市の北部付近にある典型的な国頭マージに分類される畑の土を見せてもらった。この土を赤黄色土だと判断して間違いないだろう。ここで栽培をしている方はサトウキビの残渣であるバガスを投入しているらしいが、一向に栽培は楽にならずで困っていた。作物はうまく育たたないけれども、草刈りは頻繁に発生して大変だと。そんな国頭マージというものが何なのか?を整理してみると、堆積岩(砂岩、泥岩)や火成岩(緑色片岩)を母岩とする土壌を指し、pHは酸性側に傾く。一般的に粘土質で保水...

 

ヤンバルでシマアザミと出会う

ヤンバルで緑色片岩と出会うの続きで、川で緑色片岩を探している時に、花が白い色をしたアザミと出会った。帰宅をしてから検索をしてみたら、在来種のシマアザミと名付けられているらしい。シマアザミ - 日本のアザミ:検索結果 標本・資料データベース :: 国立科学博物館 National Museum of Nature and Science,Tokyoこのアザミは面白くて、葉の色が薄く肉厚で光沢がある。アザミのロゼットは美し...

 

ヤンバルで緑色片岩と出会う

沖縄の山原(ヤンバル)の大宣味村(くにがみ)の山の少し入ったところに行ってきた。目的は緑色片岩を探し、その下の土の色を確認すること。く溶性苦土と緑泥石以前、沖縄の土を考えるの記事で亜熱帯に位置する沖縄では土に有機物を施してもすぐに消費され、有機物の保護がない粘土鉱物は風化で有機物の蓄積能力が低下して、土に有機物が蓄積しにくいという内容を記載した。これは緑色片岩を母岩とする土でも同様のことが言えるのか?その疑問を解消するために地域の方と川の少し上流を目指した。ジャー...

 

琉球石灰岩が風化したら何になるのか?

沖縄に行ったので、本島の南側に分布する土質の島尻ファージに行くことにした。島尻マージは石灰岩を母岩とした土という説がある。島尻マージは上の写真のように赤土で今までの話に合致していた。サトウキビ畑の赤土流出を考える現地で島尻マージを見て、すべてが文献のようではなく、島尻マージだけでも書くことがたくさんあったが、今回は一旦置いといて、他の話を進める。島尻マージのことをイメージしやすくするために、同行者に事前に伝えておいた琉球石灰岩がよく...

 

サトウキビ畑の赤土流出を考える

沖縄のサトウキビ畑では畑から海へ赤土の流出が深刻であるらしい。俗に言う赤土汚染というものだ。亜熱帯という有機物が蓄積しにくく、降雨量も多い沖縄で、大雨により露出した土が海へと流れていく。サトウキビ畑の方では土の流出により貴重な資源が流出し、海の方は大量の土砂により生態系に影響を与える。1.赤土汚染がおきるしくみ/沖縄県赤土流出を軽減させるには土の物理性・化学性を向上する必要があり、向上させるには土粒子に有機物が強く結合している必要がある。しかし、亜熱帯気候という条...

 

国頭マージの土壌改良を考える

石灰過剰の土で生育できる作物はあるか?までの記事で沖縄の土と栽培についてを俯瞰してきた。今までの内容を踏まえて、これから本題に入る。沖縄の土の土壌改良の話題は国頭マージという土で栽培をしている方からの話題だった。※国頭でくにがみと読むその方から頂いた土の写真がになる。内閣府 沖縄総合事務局 - 沖縄の自然環境のページによると、沖縄本島で最も多く分布している土が国頭マージであるらしく、土は強酸性でイライトやカオリナイトを豊富に含むそうだ。土の色は赤色...

 

石灰過剰の土で生育できる作物はあるか?

石灰過剰問題に対して海水を活用できるか?までの記事で沖縄の土の土壌改良について考えてきた。沖縄は気候条件から有機物が定着しにくく、地質的に石灰過剰の地域が多いと予想される。石灰過剰は他の要素の吸収を阻害したり、土が硬くなる傾向があるので発根そのものが難しくなる。他に考えられることとして、植物が土から鉄を吸収する事が難しくなるといったこともある。施設栽培で軽微な鉄欠乏の症状を見逃すな土壌改良で石灰過剰問題を解決することを考えると、客土といった事が必要となり、現実的ではな...

 

石灰過剰問題に対して海水を活用できるか?

沖縄本島で入手できる有機物を考えるまでの記事で、沖縄本島における土作りについてを考えてみた。土に有機物を定着させる為の粘土鉱物は(可能かどうかの有無は無しにして)北部の地質の玄武岩地帯と南部の土質のジャーガル周辺にあることがわかった。有機物に関してはサトウキビの絞り粕が産業廃棄物としてたくさん出るけれども、成分的には望むものは少ないので、他の有機物を探す必要がある。まぁ、沖縄なので植物の生育も早そうなので調達はなんとかなるでしょう。次に気になることとして、...

 

沖縄本島で入手できる有機物を考える

ジャーガルとサトウキビまでの記事で、実現可能の有無はなしにして沖縄本島で有機物と結合する粘土鉱物を得られることはわかった。次に必要となることは粘土鉱物と結合するための有機物の調達だろう。沖縄 + 有機物のワードで真っ先に思いつくのが、Ji-Elle - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, リンクによるバガスではないだろうか。農学の栽培系を学んだことがあればバガスという言葉は一度は聞いたことがあるはず。工芸作物学の糖の栽培の話題...

 

ジャーガルとサトウキビ

沖縄の土を地質と合わせて確認してみるの記事で、沖縄の地質と合わせて土質を見てきた。沖縄の地質を俯瞰して見ていた時に本島北部に20万分の1日本シームレス地質図岩相が玄武岩の地帯があることに気がついた。今までの内容で沖縄の土は気候条件的に有機物の分解がはやく、更に土壌粒子と有機物の結合が弱く有機物が溜まりにくいという特性があり、その要因として有機物と相性が良い2:1型粘土鉱物がないからではないかと記載してきたが、玄武岩のところから有用資源が手に入るかもしれないという期...


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