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カテゴリー : 化学全般/page-5

 

サンショウの辛味成分はトウガラシのものとはちょっと違う

サンショウの味は辛味があるが、トウガラシのカプサイシンとは違って痺れが強いように感じる。吉田宗弘著 日本特産䛾香辛料である山椒 - 関西大学化学生命工学部食品化学・栄養化学(旧食品工学)研究室によると、※吉田宗弘著 日本特産䛾香辛料である山椒 - 関西大学化学生命工学部食品化学・栄養化学(旧食品工学)研究室 2ページ 図2山椒の辛味・香気成分と唐辛子の辛味成分より一部抜粋サンショオールという成分が関与している。By Arrowsmaster - 投稿者自身によ...

 

木の芽を叩くと放出される香りの続き

前回の木の芽を叩くと放出される香りの記事で木の芽の香り化合物のリナロールを見た。Calvero - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンクによるリナロールはビタミンAやビタミンEの合成中間体で、植物にとっては重要な物質であることがわかる。ここで一つ疑問になるのが、人は何故リナロールの香りを良い香りと感じるのだろうか?リナロールに惹き付けられて、リナロールを摂取しても、人体ではそこからビタミンを合成できないはず。木の芽から離れるけれども、果実から...

 

木の芽を叩くと放出される香り

サンショウの実の香りの記事に引き続き、サンショウの香りについてを追ってみる。今回は木の芽(サンショウの若い葉)について見ていくことにしよう。木の芽は香料として汁物に添えたりするけれども、添える前に葉を叩くことで香りが増すと言われている。葉内に蓄積した香り化合物が、叩くことで何処かに穴が空き、香りが外に出るようになったのだろう。これは痛みは青葉の香りにのせて隣株に伝えるの記事で記載した食害性昆虫からの被害を軽減するための防衛の手段と同じであるはず。ただ、サン...

 

サンショウの実の香り

前回の葉が発する香りを整理してみるの記事を踏まえた上で、改めて、サンショウの香りについてを見ることにする。最初に果実の香りについて検索をしてみたところ、地域の香りを持つ特産物-飛騨のサンショウ- 岐阜県森林研究所のPDFにサンショウの実の香りの主な成分は、あら金 - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, リンクによるd-リモネン(上の図の左)とEdgar181 - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンク...

 

葉が発する香りを整理してみる

先駆植物のサンショウについて学ぶの記事の続きをする前に、植物の葉を損傷した時に発せられる香りの仕組みというものを見ておきたい。香り化合物の合成経路から見えてくること例えば、Calvero. - Selfmade with ChemDraw., パブリック・ドメイン, リンクによる青葉アルコール - Wikipedia植物の香り化合物の一種である青葉アルコールを持ち出してみる。en:User:Edgar181 - en:Image:A...

 

稲作で殺虫剤の代わりはあるか?

無効分げつの発生を抑える為の中干しは必要なのか?の続きまでの記事で、慣行的に行われている中干しが今後の稲作で足を引っ張る可能性が非常に高い事を記載した。※写真はヒメトビウンカイネの栽培で最も苦戦するウンカを含むカメムシ目の昆虫の食害被害に対して殺虫剤は効かない可能性が高く、天敵に頼らなければならない状態は年々重要度を増していく。カメムシが殺虫剤の抵抗性を得る仕組みトビイロウンカは大陸から季節風にのってやってくるカメムシやウンカは殺虫剤の抵抗性をいとも簡単に獲得...

 

肥料としてのヤシャブシの葉は養分以上の肥効があるかもしれない

ヤシャブシは水田の肥料として利用されていたらしいや落葉による土作り再びの記事を作成していた時にとある過去記事を思い出した。その過去記事というのが、水田土壌で新たに発見された窒素固定を行う細菌についてで、水田のような水を張る環境において、とある細菌が土壌中の還元された鉄を利用して、空気中の窒素ガスを反応させてアンモニアを合成するというもの。上記の内容の詳細は妹尾啓史 鉄で土を肥やす!低窒素農業がわかりやすい。上記のPDFだと田植え前の田に入水前に鉄資材を...

 

トマトが緑の香りを吸った時に体内では何が起こってる?

植物における脂肪酸の役割の記事で、施設栽培でのトマトの株に緑の香りを与えたところ、高温ストレスが緩和され、花落ちが軽減されたという画期的な研究報告を紹介した。紹介の際に高温ストレスの緩和についての詳細が記載されていないと記載したが、日本バイオスティミュラント協議会 第3回講演会「温暖化による農作物への影響とその対策」 レポート (後編) | カルチべ取材班 現場参上 | カルチベ – 農耕と園藝ONLINEのページで、高温ストレスの緩和についての詳細が記載されていた。トマトの株が緑の...

 

トウモロコシの根から強力な温室効果ガスの発生を抑える物質が発見された

稲作でカリウムの施肥を減らして、二酸化炭素の排出量の削減に貢献の記事に引き続き、興味深い研究報告を紹介する。紹介の前に研究報告の前提となる知識を整理しておく。強力な温室効果ガスの一酸化二窒素の記事で記載したが、家畜糞等の硝酸態窒素が多い成分を土に投入すると、土壌の微生物によって二酸化炭素よりも遥かに強力な温室効果のあるガスが大気に放出される。この作用を硝化というのだけれども、家畜糞施肥の硝酸態窒素の3割近くが硝化でロスしていたような気がする。この内容を踏まえた...

 

トマトの整枝作業中に服に付く緑のシミは何だ?

トマトの芽かきや葉かきの作業を白い服を着て行うと、洗濯ではほぼ落ちない緑のシミが付く。合わせて作業中にトマト特有の匂いもある。このシミは他の植物では服に付くのはあまりないので、葉緑素が含まれた汁ではなく他のものだろう。栽培のヒントがありそうだから調べてみることにした。検索してみたらトマトはなぜ青臭い? -「青臭い」香り成分を「甘い緑の香り」にする酵素を特定- | Research at Kobeのページに辿り着いた。どうやら、植物における脂肪酸の役割の記事...

 

グローバック栽培

写真:京都北部の舞鶴全般の土壌の考察の記事より水耕栽培で時々見かけるグローバック栽培というものがある。通路に置いている細長いものの中に、写真:椰子の実の脂肪酸と菌根菌の記事よりヤシガラが詰められている。水耕栽培といえば、By D-Kuru - 投稿者自身による作品, CC BY-SA 3.0 at, Linkロックウール - Wikipediaロックウールをよく聞くけれども、ロックウールよりも栽培しやすいという話をよく聞く。...

 

水耕栽培のアップ剤とダウン剤

トマトに限らず、水耕栽培で重要になるのが、養液のpHだったりする。養液には様々なものが含まれていて、pHによって各々の成分が反応して、吸収できない成分があったりする。養液のECが適切だったのに、徐々に栽培が不調になってきた時にpHを測定してみたら、pH8を超えていて、微量要素の鉄あたりが吸収できずに光合成がへたっていたということもあるそうだ。※pHが低くなりすぎて、根が酸性の障害になっていることもある施設栽培で軽微な鉄欠乏の症状を見逃すなそこで登場するのがアップ剤とダ...

 

植物における脂肪酸の役割

トマトの栄養価から施肥を考えるの続き。前回の記事でトマトの果実の成分を整理し、その中のグルタミン酸について注目した。グルタミン酸の他に不飽和脂肪酸のリノール酸があったけれども、今回は脂肪酸について見てみる事にする。果実ではなく株全体で脂肪酸はどのように使われているのだろうか?すぐに思いつくものがリン脂質の細胞膜で、おそらくこれは一旦細胞ができてしまったら、果実には転流しないだろうから膜の脂質は見ないことにする。ということで、細胞内に遊離している脂肪酸について調...

 

トマトの栄養価から施肥を考える

たまたまトマトの栄養価について記載されているプリントが目に付いたから読んでみたら、糖や色素のリコペン以外に不飽和脂肪酸のリノール酸やアミノ酸のグルタミン酸が記載されていた。今回の内容からいきなり脱線するけれども、英語版ウィキペディアのEdgar181さん - en.wikipedia からコモンズに移動されました。, パブリック・ドメイン, リンクによるリノール酸に関して、トマトから中性脂肪の燃焼を助ける物質を発見 - 京都大学 - Science Portalという記事...

 

トマトにケイ素を施用した時の効果を考えてみる

有機栽培で使える可溶性ケイ酸は何処にある?までの記事でトマト栽培とケイ素の話題を記載してきた。キュウリでの話であったが、ケイ素を吸収することで、葉内のマンガンの分布が均一化する事がトマトでも同様の事が言えるならば、これは相当凄いことになる。葉でマンガンが均一化していないということは、葉で局所的にマンガンが過剰になっている細胞と、逆の欠乏になっている細胞がある事になる。順は逆になるが、マンガンが欠乏している細胞では光合成の最初の反応である水から電子を取り出す事がうまくいかずに光...

 

有機栽培で使える可溶性ケイ酸は何処にある?

前回のトマトにどうやってケイ素肥料を効かせるか?の記事で、トマトはケイ素の非集積型の植物に分類されるが、それは根から葉にケイ素を運搬する輸送体の一部に欠損があったためで、本当はケイ素を欲しがっているのではないか?という話題から、葉面散布剤でケイ素(ケイ酸)肥料はないか?という内容を記載した。今回は上記の内容の続きで、実際に葉面散布で使えそうなケイ酸肥料を探してみる。タイトルでは有機栽培で使えるとしているが、有機で使えるものを把握しておけば、それはどんな栽培でも使用できる万能肥料になる...

 

トマトにどうやってケイ素肥料を効かせるか?

前回のトマトとケイ素の記事で、トマトはケイ素が非集積型の植物に分類され、ケイ素(ケイ酸)肥料を寝に与えても、根の周辺に集まったままであるらしいが、それはトマトの根のケイ素の輸送体の一部が欠損していたという理由だった。輸送体が欠損してから相当の時間が経過したので、葉や茎でのケイ素の要求はいくらか変化してしまったかもしれないが、ケイ素がないと奇形になるので、地上部はケイ素を求めているはず。そんなトマトに対して、どのようにケイ素を与えれば良いのだろうか?根からの吸収が期待できないと...

 

トマトとケイ素

農文協から出版されているオランダ最新研究 環境制御のための植物生理という本で、ケイ素の話題がある。未解明の部分は多いが、ケイ素がもたらす良い効果が紹介されている。例えば、レタスがケイ素を吸収し体内で利用することで、マンガンの毒性を緩和するというもの。マンガンは光合成にとって重要だけれども、活性酸素に関与する要素でもあるわけで、葉に局所的に蓄積されると毒性を生じる。牛糞で土作りをした時の弊害をまとめてみるとレタスがケイ素を吸収する事によって、葉内のマンガ...

 

石灰過剰の土壌で鉄剤を効かすの続き

石灰過剰の土壌で鉄剤を効かすまでの記事で、塩の溜まりやすいハウス内では鉄欠乏に陥りやすく、クエン酸による定期的な除塩は必要では?という内容を記載した。ただし、クエン酸は弱酸といえど、酸であるわけで、土壌の鉱物に何らかの影響を与える。であれば、除塩しつつ、鉱物の劣化を軽くする対策も合わせてしておきたい。なんて事を考えた時に頭に浮かんだ事が、2:1:1型の粘土鉱物である緑泥石だ。※左が一般的な2:1型の粘土鉱物で右がMg緑泥石緑泥石は上の図の右側の...

 

石灰過剰の土壌で鉄剤を効かす

前回の施設栽培で軽微な鉄欠乏の症状を見逃すなの記事で、タイトルにある通り、施設栽培での鉄欠乏の話題に触れた。明確な欠乏症があれば楽なのだけれども、鉄に限らず軽微な欠乏症というのは何かと厄介だ。特に微量要素と呼ばれるのは電子の運搬に関わっているので、軽微な欠乏であってもかなり厄介。施設は慢性的に鉄の欠乏症が発生するということで、この問題にどのように対処しているのか?を整理してみると、キレート鉄の施肥という技術で回避しているそうだ。キレート鉄の使いどころ水に溶解した鉄...

 

施設栽培で軽微な鉄欠乏の症状を見逃すな

トマトに限らず、施設内での栽培では鉄欠乏に陥りやすい。鉄は土壌中に大量にある成分であるはずなのに、何故鉄欠乏に陥りやすいのか?考えられる点は二点。鉄がいくら多いといえど、土を酷使している場合は、吸収できそうな鉄の絶対量が少なくなっている。もう一点は土壌の化学性の観点になる。施設は降雨が無いため、露地作と比較して、土が大量に水を得る機会が少ない。トマトであれば更に水を控えるという管理があるので、土が得られる水の量は更に少なくなる。降雨というものは偉大...

 

水耕栽培でマイクロバブルの利用は有効か?

果菜類の水耕栽培で、マイクロバブル(ファインバブル)やナノバブル(ウルトラファインバブル)の効果はどうか?という話題になった。先に個人的な意見を言うと、コストが合うならば導入すべきだと思っている。先にマイクロバブルやナノバブルとは何か?について触れておくと、端的に書くと酸素を長い時間水の中に滞在させる技術だと捉えて良いはずだけれどもどうだろう?マイクロバブルとナノバブルの差はその名の通り、気泡の大きさで、マイクロバブルは気泡径が1〜50μmで、ナノバブルは1μm以下。※厳密な...

 

光ストレス軽減の為の紫外線照射は有効か?

前回の光ストレス緩和の為のフラボノイドの記事で、強い光の受光で気孔が閉じるという内容を記載した。強い光を受光することによって考えられることは・光合成の明反応で得られた電子から活性酸素が発生する・紫外線を受光することによって活性酸素が発生するの二つだろうか。前回の記事では紫外線フィルターとして、フラボノイドに触れた。このフラボノイドは種類によっては淡黄等もあるため、紫外線以外でも太陽光の一部の波長を反射しているかもしれなくて、紫外線以外でもフィルターの役割を持ってい...

 

光ストレス緩和の為のフラボノイド

前回のアブシジン酸は根以外でも合成されているか?の記事で、アブシジン酸は根だけでなく、葉でも合成されるという内容を記載した。それに伴い、強い光量による光ストレスによってアブシジン酸が合成され気孔が閉じるということもあり得るわけだ。光量が多くても、土の保水性がしっかりしていて、根からの水の吸収が常に蒸散に追いつくといった状態があるわけで、光ストレスでの生産性のロスも加味する必要があると思った。この課題が挙がった時に頭に浮かんだ事として、植物が有害な紫外線から身を...

 

アブシジン酸は根以外でも合成されているか?

施設栽培におけるECの管理についてまでの記事で、根からの吸水と気孔の開閉を見てきた。今回のは再び気孔の開閉に関して触れる事にする。高温ストレスと気孔の開閉についてを考えるまでの記事で乾燥や高温といった植物にとって辛い環境になると根がアブシジン酸を合成して、それが葉に到達して気孔を閉じるという内容を記載してきた。どちらも葉からの急激な蒸散による脱水症状を避ける為の防御反応のようなものだ。これらの内容以外で、光ストレスにより気孔を閉じるというものを見かけた。 ...

 

施設栽培におけるECの管理について

農文協から出版されているオランダ最新研究 環境制御のための植物生理という本を読んでいる。この本が出版された頃、京都の北部でシシトウの施設栽培をしている方の間で読まれていて、頻繁に話題にも挙がっていたが、その時はまだ時期ではないと判断して読んでいなかった。土壌の物理性や生物性を経て、そろそろ細かいところを見る頃合いかと思い、この本を購入してみた。土壌中に青枯病菌を捕食する生物はいるのか?施設栽培による環境制御から露地栽培にフィードバック出来る内容は多いはずと期待して読んでみ...

 

トマト栽培の最大の課題の青枯病についてを見る

トマト栽培の土作り事情や高温ストレスと気孔の開閉についてを考えるまでの記事を踏まえた上で、トマトの土耕栽培を止め水耕栽培へシフトする最大の要因である青枯病について整理していくことにしよう。※写真はトマトではないが、参考までに載せておく。おそらく、施設栽培をされている方の大半は青枯病に悩まなければ、環境リスクが低く経営を安定させやすい土耕から離れなかっただろうし、新規就農者も施設栽培に憧れる機会が減り、初期投資が低い土耕を選んだはずだ。青枯病菌が厄介なのは、耕土の深い層...

 

高温ストレスと気孔の開閉についてを考える

トマト果実の割れを回避するために気孔の開閉と光合成を考えるの記事の内容を投稿の為に整理している時、植物はいつプロリンを合成するのか?の内容を改めて読んでみた。乾燥時に見られるプロリン等の合成による葉のイオン濃度の上昇は高温時にも見られる事を改めて見た。高温時に何故、葉のイオン濃度を高めるのか?今回はその事について考えてみることにしよう。カルシウム過剰によるカルシウム欠乏葉内のイオン濃度を高める最大の利点は根からの水の吸い上げを高める事になる。根から吸い上げ...

 

トマト果実の割れを回避するために気孔の開閉を考える

前回のトマト果実の割れを回避するために葉のシンク強度を考えるの記事に引き続き、今回は葉の方の挙動である気孔の開閉について見ていくことにする。トマトの葉の裏側を顕微鏡でみると、Photohound - http://remf.dartmouth.edu/images/botanicalLeafSEM/source/16.htmlLicense on site: http://remf.dartmouth.edu/imagesindex.html この JPG ...

 

トマト果実の割れを回避するために葉のシンク強度を考える

前回のトマトの果実のヒビ割れ問題に触れてみるの記事に引き続き、トマト果実の割れについて触れてみる。果実の割れの要因を整理すると・果皮が柔らかい状態・果実に急激に水が移行してきたであり、果皮を硬くすると、極力果実に水を移行させないという二つの切り口で問題を回避出来る。果皮の硬さについては、カルシウムの適切な吸収になるので、要因の後者の果実への水の移行とリンクする。水の移行についてわかっている事を整理すると、カルシウム過剰によるカルシウム欠乏当たり...

 

トマト栽培の栄養成長と生殖成長を意識する

トマト栽培の土作り事情の続きで、トマト栽培が他の作物よりも栽培が難しいとされる要因を整理すると、・果実を収穫すること・果実形成時の水分量で品質が変わってしまうこと・木本植物を草本植物と捉えて栽培していること・木が暴れやすいことの上記三点になるかと。トマトと同じナス科の作物でナスがあるけれども、トマト程難しいイメージがないのは、トマトの条件のうち最後の要素の木が暴れやすいことがあまりなく、物理性の改善で秀品率が向上するからだろうか。物理性の改善ができれば、細...

 

トマトの花落ちを理解するために微量要素の観点を持ち出す

前回のトマトの花落ちを器官離脱と捉えれば見えてくるものがあるかもしれないの記事で、トマトの施設栽培について見始める事にするという旨を記載した。施設栽培で最初に目を付ける箇所として、花落ちの現象を選んだ。花落ちは茎から発生した花の器官の根元で、上の写真のような離層が形成して、安全に花の器官を落とす現象を指す。離層は興味深くて、最初に葉や花の器官から養分を転流し、維管束を封じ、茎と葉や花の器官の付け根にカルスのような堅い細胞を形成し、菌が株内に侵入できるような...

 

トマトの花落ちを器官離脱と捉えれば見えてくるものがあるかもしれない

知人から久しぶりに連絡があって、トマトの施設栽培の話題になった。施設栽培と聞いてイメージするのが、上の写真のように、環境を制御して、安定的にトマトを収穫することなのだけれども、私はこの手の栽培はまったく経験がない。生化学が分かれば、見えてくるものがあるのでは?という話題になったので、せっかく話題として挙がったし、施設栽培について調べてみようかなと。トマトの施設栽培で思い浮かべるのが、青枯病で土耕を諦めたという事が一番最初に挙がる。青枯病は全く効...

 

牛糞で土作りをした時の弊害をまとめてみると

今までも何度も記載してきたが、牛糞を堆肥として捉え土作りをするのは止めた方が良い。理由はいくつかあるのだけれども、それらの理由を感と経験だけで栽培している方にとって、どれもイメージがし難いらしい。ここ数年、栽培が難しくなったと相談を受けた時に、ほぼ全員が牛糞で土作りをしていちえ、牛糞の施肥を止めて、植物性の有機物へ切り替えただけで安定している。牛糞は有機質肥料として優れているかもしれないが、堆肥、つまりは大量に投入するものとしては向いていない。牛糞は有機質肥料としてイメー...

 

樟脳を抽出するためにクスノキは植えられた?

前回のクスノキの花は良い香りの記事で、クスノキの花は良い香りだけれども、花は小さくて目立たないという内容を記載した。せっかくの機会なので、クスノキの香りについて調べてみる。花の香りであるかわからないが、クスノキは香り成分の抽出の為に海外から持ち込まれた木であるらしい。その香り成分というものが、Edgar181 - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンクによる樟脳(しょうのう)かカンファーと呼ばれる香料で葉や枝から得られるらしい。血行促進作用...

 

水田の鉄還元細菌が行っている詳細を知りたい

前回の水田土壌で新たに発見された窒素固定を行う細菌についての記事で、水田で新たに発見された窒素固定を行う細菌で鉄還元細菌がいることを記載した。上記の記事の途中でも記載したが、Fe2O3 + 2e- → 2FeO + O2N2 + 6H- + 6e- → 2NH3上記のような単純な式ではないはずと記載した。一番目の式で鉄の還元時に本当に酸素が放出されるのか?という疑問があったため、鉄の酸化還元についての詳細が記載されているものはないか?を検索をしてみたら、加藤真悟 中性pH付近...

 

水田土壌で新たに発見された窒素固定を行う細菌について

土作りのステップアップとしてのエッセンシャル土壌微生物学を薦めるで紹介したエッセンシャル土壌微生物学 作物生産のための基礎 - 講談社を読んでいたら、気になる箇所がいくつかあって、記載されている論文を追っかけた。そのうちの一つが水田土壌における増田曜子等 鉄還元菌窒素固定の発見と応用―マイクロバイオーム解析から低窒素農業へ― - 土と微生物(Soil Microorganisms) Vol. 74 No. 1, pp. 2–7(2020)でタイトルにある通り、水田土壌において、鉄還元細菌...

 

菌耕はキノコの菌糸に注目するべきではないだろうか?

土壌中で発生する酸素の発生源を探るまでの記事で、菌耕という技術で物理性が改善されるという報告はミミズに因るものではないか?という話題を投稿してきた。土壌微生物の生態系の観点で流石に素人が培養した少量の菌の液体が土壌に大きな影響を与えるはずがない。それでも菌耕が広まっているということは、何らかの目に見える現象があるわけで、それは無碍にできない。なので今まで得てきた知見を元に菌耕というものを見てきた。改めて又聞きではあるが、実践している方から聞いた話を整理してみる。 ...

 

土壌中で発生する酸素の発生源を探る

前回のミミズと植物の根は互いに影響を与えながら深いところを目指すの記事で、ミミズと植物の根の関係を記載した。ただ、この内容では菌は耕盤層を破壊して、物理性の改善に関与するのか?の記事の内容はフォローしていない。今回は別の視点を加えてみることにする。先日、土壌で菌等の微生物が死んだ時、酸素を放出するという内容を聞いた。上記の内容がストレートに記載されている文献はまだ見つける事はできていないが、この話を教えてくれた方は博士号を取得しているので、何らか根拠があって、この...

 

ミミズと植物の根は互いに影響を与えながら深いところを目指す

ミミズは耕盤層に移動し、層でミミズ孔を形成するか?の記事の続き。畑をトラクタで耕すことで形成される耕盤層をミミズが壊すことが出来るのか?という問に対して、ミミズは地表から1メートル深くまで移動するという報告があったため、耕盤層付近まで誘導出来る術があれば可能では?ということになった。※耕盤層は表土から30〜50cmあたりのところに出来る今回はミミズがどれ程深くまで移動することが出来るのか?を調べていた時に得た内容を紹介する。中村好男著 根の生育環境...

 

菌は耕盤層を破壊して、物理性の改善に関与するのか?

先日、菌耕の話題になった。この話の出処を聞いたら、またあそこか…になった。師匠の関係で、師匠の横で何度かお会いしたが、いつも超科学的な理論をぶっ飛ばしているなと。あそこの商売は聞く人の専門家が思考するような高度な理解の欲求といった心理的な満足度を常に高め、フリーミアム戦略に似た商売をうまく展開していて、学ぶ所は多いのだろうなと思いつつ、あの商売は無いわと思ったりもする。フリーミアム - Wikipedia菌耕について聞いた話は下記の通り。実践者からの又聞きなので、本質...

 

紫外線降り注ぐ川の堆積地にて

川に石が積まれてメッシュで固定されている所でセイヨウアブラナ?が花を咲かせていた。今までもこの手の内容は投稿していて、根の方が浸水しているので大丈夫か?というニュアンスで書き続けたけれども、林縁の風媒花の木々までの記事の知識が付いてから、葉周辺の乾燥と降り注ぐ紫外線は大丈夫か?という方も気になるようになった。開花したナバナが初春の冷水に耐える森の木々、特にそれらの花と比較して、花粉には大量の紫外線が降り注ぐ。紫外線は花粉で超大事なDNAに影響を与えるわけで、何...

 

ヤマブキの花弁の色素は何だ?

八重咲きのヤマブキを見かけた。数ある花のうち、いくつかは花弁の先が白くなっている。ヤマブキの花弁の色素は合成が難しいのかな?なんて事が頭に浮かんだ。気になったら調べてみるのが探求における鉄則!ということで早速検索してみた。最初にバラの魅力 - 岐阜大学の講義資料が引っかかったので読んでみると、ヤマブキの色素はカロテノイドと記載されていた。野菜の美味しさとは何だろう?カロテノイド健康的に生きる上でカロテノイドが大事だから蓄積するのだろうこ...

 

赤紫蘇の色が気になった

前回の地獄の窯の蓋の記事でキランソウという草についてを調べた。この草は薬草として非常に優れていて、前回の記事では触れなかったが医者殺しという異名がある程の薬効があるらしい。薬効の主な物質は一種のフラボノイドと二種のステロイドでだった。この内容を見てふと頭に浮かんだのが、赤紫蘇(シソ)の色素は何だろう?ということ。講義の意味でのフラボノイド(アントシアニン)だよな?黄色い色素のフラボノイドpHによるアントシアニンの色の変わり方を見るということで検...

 

地獄の釜の蓋

倒木の下で発芽するドングリの記事に引き続き、里山のような環境での話。カエデの木だったか?木の根元あたりで、とあるロゼットの草が目に付いた。花の上に葉が展開しているように見えるので、珍しい形だなと思った。受粉かタネの散布はアリが関わっているのかな?帰宅してから調べられるように写真を撮影しておくことにした。成美堂出版の里山さんぽ植物図鑑を開いてみたところ、自信はないがおそらくシソ科のキランソウ(金瘡小草)ではないか?と判断している。...

 

イチゴの栽培は受光の質を意識することからなのかもしれない

今回はイチゴの栽培は難しいの続きの記事の続き。イチゴの栽培を難しくしている要因のうどんこ病等の病気は紫外線照射により抵抗性が増すことで予防できる事がわかった。今回は他の要因であるハダニについて見ていくことにしよう。ハダニの被害といえば、葉の表面を食害され、葉が白っぽくなる症状になる。(写真なし)ハダニの対策をざっくりと挙げると・ハダニの個体数を増やさない環境作り・ハダニの天敵を増やす・イチゴの方でハダニに対する抵抗性を強化するの三点だろ...

 

イチゴの栽培は難しいの続き

イチゴの栽培は難しいの話の続きイチゴは栽培の旬とニーズがズレているため、生育上得意としていない環境での栽培になり、病気になりやすく、虫の被害を受けやすい。更に栽培を難しくする要因として、ミツバチによる花粉の媒介がある以上、むやみに殺虫剤を使用することができないということもある。そんなイチゴの栽培だけれども、よく見聞きする内容として下記がある・うどんこ病・炭疽病・ハダニ※各々写真はなしイチゴのハウス栽培とうどんこ病で気になった事があるので、今回の記事...

 

フキノトウの天ぷらを食べた

先日、フキノトウの天ぷらを食べた。フキノトウは苦味が強いが、何故か美味いと感じる不思議な味がする。動物において苦味は中毒死を回避する防衛本能のようなものだけれども、フキノトウの天ぷらはもう少し食べたいと思った。ネズミがドングリを食すこの苦味は一体何なのだろう?フキはキク科フキ属に属する多年草の草本植物になる。フキ - Wikipediaフキノトウはトウ(新芽のよなもの)であるため、ビタミンやミネラルが豊富に含まれている。他におそらく自身...

 

アルカリ性不良土壌向けの肥料について調べてみた

今月中旬に肥料関係で大きなニュースがあった。そのニュースというのがアルカリ性不良土壌向けの肥料を安価且つ環境負荷が少ない形で開発できたというものだ。Development of a mugineic acid family phytosiderophore analog as an iron fertilizer | Nature Communications日本国内ではあまり使用する機会はないだろうけれども、開発に要した先行調査や実際の開発で得られた知見というものは、自身の栽培...

 

ヘアリーベッチの可能性を探る

グラム陰性桿菌に作用する抗生物質までの記事で、菌(糸状菌、カビ)が生成する抗生物質で、作物に悪影響を与えるカビ毒(マイコトキシン)を生成する菌や軟腐病菌(細菌)の個体数を減らせるのだろうか?という疑問を解消すべく調べている。河川敷でクサフジらしき草を見かけたそういえば、ヘアリーベッチが根からシアナミドを分泌するけれども、シアナミドは菌に影響を与えるのだろうか?と疑問になった。これに関しては以前投稿していたので、リンクのみ記載しておく。酵母でのアセトアルデヒドの...


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