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京都環境フェスティバル2020「冬でも楽しめる自然探究」のワークショップで話をしました。

カテゴリー : 農薬/

電子書籍の販売をはじめました
 

中干しなしの田の水が澄んでいる

前回のカエルの変態は中干し有りの田では間に合うのか?の記事の続き。田植え前に土作り + レンゲ後の稲作で中干しせずに夏を経過した田では、水がとても澄んでいて、イネ以外の草がほとんど生えていないことに気が付く。中干しをしたところでは緑色の藻が生えていたり、草が生えていたりする。緑色の藻がないと、水の底まで光が届き、水温が上がりやすいという事を以前記載した。※以前は藻ではなくウキクサだけれどもウキクサは稲作においてどのような影響を与えるのか?...

 

秀品率の低い田では、イネの根元にイモムシがたくさん

中干ししていない田にはたくさんの生き物が集まるらしいの記事を踏まえた上で、改めて、私が知る限り昨年二番目に悪かった田の様子を記載する。稲作の冷害を緩和させるには土作りの続きイネの根元を見ていたら、イモムシがたくさんうねっていた。イネを食害するイモムシといえば、ニカメイガとイネヨトウを思い浮かべる。※両方ともガの幼虫昨年、ここの田の被害がひどかったのはウンカだと思っていたけれども、もしかしたらヨトウの可能性もあったのでは?...

 

木炭の施用と合わせて何の緑肥のタネを蒔けばいい?

菌根菌は木炭の施用で活性化するまでの記事で、サツマイモの大産地で大流行している基腐病に対して、基肥で牛糞を使わず、土壌消毒にも頼らない方が良いのでは?という傾向が見えてきた。土壌消毒の代わりに木炭を利用して、病原性の菌を減らし、共生菌を増やして耐性を強める。土壌消毒ができない以上、畑全体を緑肥にするか?作物が植わっているところの一部、例えば通路を広めにとって通路に背丈の低い緑肥を育てるといった事が必要になってくる。であれば、何の緑肥が良いのだろうか?サツマイモ...

 

菌根菌は木炭の施用で活性化する

木炭によるVA菌根菌の感染の促進機構 - 草地試験場 生態部 - 農研機構という読み物を見かけた。※図:晝間敬等 リン栄養枯渇条件下での根圏糸状菌による植物生長促進 - Jpn. J. Phytopathol. 84: 78–84 (2018) 80ページ 図1より引用※菌根菌は上の図の右側土壌中の糸状菌が植物に対して病原菌となるか共生菌となるか?は施肥次第グロムス門の菌根菌とは何か?牧草のオーチャードグラス(イネ科)とアルファルファ(マメ科)での話題だけれども、...

 

サツマイモの大産地で基腐病が蔓延しているらしい

サツマイモの大産地で基腐病というものが流行っているらしい。基腐病の大流行により、サツマイモの産地全体で大幅な収入減となっているそうだ。基腐病の写真が手元にないので、文字で説明をすると、サツマイモの可食部のイモの箇所が腐る病気で、Plenodomus destruens Harterという糸状菌に感染すると発症する。寄主植物はヒルガオ科のみ。サツマイモ基腐病の発生生態と防除対策 - 農研機構生研支援センター上記の条件であれば、ほぼ連作障害だと見て間違いな...

 

稲作で殺虫剤の代わりはあるか?

無効分げつの発生を抑える為の中干しは必要なのか?の続きまでの記事で、慣行的に行われている中干しが今後の稲作で足を引っ張る可能性が非常に高い事を記載した。※写真はヒメトビウンカイネの栽培で最も苦戦するウンカを含むカメムシ目の昆虫の食害被害に対して殺虫剤は効かない可能性が高く、天敵に頼らなければならない状態は年々重要度を増していく。カメムシが殺虫剤の抵抗性を得る仕組みトビイロウンカは大陸から季節風にのってやってくるカメムシやウンカは殺虫剤の抵抗性をいとも簡単に獲得...

 

無効分げつの発生を抑える為の中干しは必要なのか?の続き

無効分げつの発生を抑える為の中干しは必要なのか?の続き。今まで持っている知見を合わせて、稲作の前のレンゲ栽培で土作りの効果が最大になるようにレンゲを育てたところ、レンゲ鋤込み後のイネの生育で、例年と同じ施肥量にも関わらず、肥料がよく効いているように見えるようになった。おそらく、レンゲが生合成した有機物量が例年よりも多い状態になったことが要因だろう。成長が旺盛になったことで、田の茂り方で懸念が生じ、成長を抑える為の中干しが必要なのでは?という質問が挙がった。...

 

稲作の害虫の天敵が集まってくる田

上の写真の田は観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうです等で何度も投稿しているレンゲ栽培で収量が増した田の最近の様子で、周辺の田と比較して相当順調に育っているように見える。レンゲの花が咲いたの記事でも記載した通り、田植えの前のレンゲ栽培で土壌改良材を活用して、レンゲの有機物量を増やし、それを更に粘土鉱物で繋げて物理性を改善しているので、上の田では今年は中干しを行っていない。猛暑日が多い中で中干しの意義を再検討する連日の36℃近くの猛暑で中干しという暴挙を行ってい...

 

メタリジウム属糸状菌は植物と共生する

メタリジウム属の糸状菌が話題になったので、検索をしてみたら興味深い内容のページに辿り着いた。清水 進 Metarhizium属糸状菌の最近の研究動向─分類と新機能を中心として─ 蚕糸・昆虫バイオテック 83 (2): 153-158(2014)古くから昆虫を対象とした生物農薬として注目され、一次は合成農薬にその座を奪われながらも、再び注目されるようになった糸状菌がいる。害虫獣実写フリー素材 | MiraiSメタリジウム属の糸状菌の中には当サイトで何度も話題に挙がっ...

 

トマトの栄養価から施肥を考える

たまたまトマトの栄養価について記載されているプリントが目に付いたから読んでみたら、糖や色素のリコペン以外に不飽和脂肪酸のリノール酸やアミノ酸のグルタミン酸が記載されていた。今回の内容からいきなり脱線するけれども、英語版ウィキペディアのEdgar181さん - en.wikipedia からコモンズに移動されました。, パブリック・ドメイン, リンクによるリノール酸に関して、トマトから中性脂肪の燃焼を助ける物質を発見 - 京都大学 - Science Portalという記事...

 

土壌中に青枯病菌を捕食する生物はいるのか?

前回のトマト栽培の最大の課題の青枯病についてを見るの記事で、トマトで最も苦戦すると言われている青枯病(立枯れ病)に対して土壌消毒をしても意味がない可能性が高いと記載した。この内容を投稿した時に、ふと思った疑問として、青枯病菌を捕食する天敵のような生物はいるのだろうか?ということ。真菌(カビ)であれば、トリコデルマと聞いて思い出す師の言葉の記事で見たトリコデルマやミミズは耕盤層に移動し、層でミミズ孔を形成するか?の記事で見たトビムシあたりがある。他には葉のうどんこ病菌を捕食するキイ...

 

トマト栽培の最大の課題の青枯病についてを見る

トマト栽培の土作り事情や高温ストレスと気孔の開閉についてを考えるまでの記事を踏まえた上で、トマトの土耕栽培を止め水耕栽培へシフトする最大の要因である青枯病について整理していくことにしよう。※写真はトマトではないが、参考までに載せておく。おそらく、施設栽培をされている方の大半は青枯病に悩まなければ、環境リスクが低く経営を安定させやすい土耕から離れなかっただろうし、新規就農者も施設栽培に憧れる機会が減り、初期投資が低い土耕を選んだはずだ。青枯病菌が厄介なのは、耕土の深い層...

 

牛糞で土作りをした時の弊害をまとめてみると

今までも何度も記載してきたが、牛糞を堆肥として捉え土作りをするのは止めた方が良い。理由はいくつかあるのだけれども、それらの理由を感と経験だけで栽培している方にとって、どれもイメージがし難いらしい。ここ数年、栽培が難しくなったと相談を受けた時に、ほぼ全員が牛糞で土作りをしていちえ、牛糞の施肥を止めて、植物性の有機物へ切り替えただけで安定している。牛糞は有機質肥料として優れているかもしれないが、堆肥、つまりは大量に投入するものとしては向いていない。牛糞は有機質肥料としてイメー...

 

イチゴの栽培は受光の質を意識することからなのかもしれない

今回はイチゴの栽培は難しいの続きの記事の続き。イチゴの栽培を難しくしている要因のうどんこ病等の病気は紫外線照射により抵抗性が増すことで予防できる事がわかった。今回は他の要因であるハダニについて見ていくことにしよう。ハダニの被害といえば、葉の表面を食害され、葉が白っぽくなる症状になる。(写真なし)ハダニの対策をざっくりと挙げると・ハダニの個体数を増やさない環境作り・ハダニの天敵を増やす・イチゴの方でハダニに対する抵抗性を強化するの三点だろ...

 

ヘアリーベッチの可能性を探る

グラム陰性桿菌に作用する抗生物質までの記事で、菌(糸状菌、カビ)が生成する抗生物質で、作物に悪影響を与えるカビ毒(マイコトキシン)を生成する菌や軟腐病菌(細菌)の個体数を減らせるのだろうか?という疑問を解消すべく調べている。河川敷でクサフジらしき草を見かけたそういえば、ヘアリーベッチが根からシアナミドを分泌するけれども、シアナミドは菌に影響を与えるのだろうか?と疑問になった。これに関しては以前投稿していたので、リンクのみ記載しておく。酵母でのアセトアルデヒドの...

 

葉緑素の分解産物が根の抵抗性を高めるらしい

フィードリーダーで農研機構のRSSを登録していたら、新着に(研究成果) 葉緑体成分フィトールがネコブセンチュウ防除に有効であることを確認 - 農研機構が現れた。フィードリーダーというのは、ブログ機能を持つWebサイトで発行している新着情報の発信(RSS等)を登録して、定期的に収拾する仕組みで、お気に入りのブログを見つけた時に登録しておくと良い。フィードリーダー - WikipediaRSS - Wikipediaちなみに私はFeedlyというフィードリーダーのサービス...

 

ヒメトビウンカの越冬からウンカの防除を考える

高槻某所の水田で坪枯れを見た今年の稲作は全国的にウンカによる被害がひどかったそうだ。ひどいところでは面積の9割がやられた田もあるそうだ。観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうですウンカには色々な種類がいて、話題に挙がりやすいのはトビイロウンカだけれども、トビイロウンカは大陸から季節風にのってやってくる。今の所、トビイロウンカは日本では越冬できないとされる。トビイロウンカの他にヒメトビウンカという昆虫もいて、このウンカもトビイロウン...

 

ジャンボタニシの対策の前に生態を知ろう

ジャンボタニシ対策が話題になった。高槻の水田でジャンボタニシを見かけた石灰窒素が良いと聞いたので試してみるとか、椿油のサポニンが効くと聞いたが、魚毒性が強く取扱が注意だとか。ジャンボタニシ対策として「椿油かす」を使用しないでください:徳島市公式ウェブサイト話をしていた方のジャンボタニシの問題は主に作中に大雨で川からの水が入り込んできた際にジャンボタニシも一緒にやってきたので、ジャンボタニシがこれからの時期に越冬できなければ、藁の鋤込み時の農薬防除はあまり意味がないのかもし...

 

ウィルス感染症予防の一手としてのアスコルビン酸誘導体

農薬の研究開発をされていた方から、お役に立つのではということで、アスコルビン酸(ビタミン C)誘導体の抗ウイルス剤としての利用 - 植物防疫 第 70 巻 第 7 号(2016 年)をご教示頂いた。概要はタイトル通りで、一例としてトマトに対してアスコルビン酸(ビタミンC)誘導体を散布するとウィルス由来の感染症が軽減もしくは遅延されると記載されていた。試験条件によっては80%近い効果を得られたが、多くは50%付近の効果であった。作用機構を見るにはRNA干渉(RNAi)を把握している...

 

ウンカは水生生物の生態系にとって重要であるらしい

子供が小さな小さな虫図鑑 | 偕成社 | 児童書出版社を読んでいた。小さな虫という言葉で、ヒメトビウンンカやトビイロウンカが頭に浮かんだので、これらの昆虫はどのように記載されているのだろう?と読んでみたら、稲作にとっては害虫だけれども、生態系においては重要な位置を占めている昆虫であると記載されていた。高槻某所の水田で坪枯れを見たnobeziさんによる写真ACからの写真さいこんたんさんによる写真ACからの写真ウンカはカエルや水生昆虫の重要...

 

高槻某所の水田で坪枯れを見た

大阪府高槻市の某所の水田で坪枯れを見かけた。坪枯れの原因を見たわけではないけれども、一般的にトビイロウンカによる被害だと言われている。トビイロウンカ - 愛知県近所の公園の草むらを漁っていたら、こんな感じの昆虫がぴょんぴょんしていたので、大阪にもおそらくウンカはいるのだろうなと。トビイロウンカは大陸から季節風にのってやってくるこの坪枯れを起こしている所の周辺にも田があるのだけれども、今の所、ここまで目立った坪枯れは見当たらない。ウンカは殺虫剤が効き...

 

高槻の水田でジャンボタニシを見かけた

稲作の事を知る為に、様々な水田の様子を見ているのだけれども、田の底を動く大きな巻き貝?を見かけた。もしかしてこれは俗に言う世間を騒がすジャンボタニシスクミリンゴガイか?スクミリンゴガイ - Wikipediaジャンボタニシであれば食欲旺盛でイネの茎を食べて枯らしたりする厄介者で、この巻き貝が広まるのはなんとか阻止したいところ。卵には毒があって、貝に直接触っても何らかの感染症の恐れがあるため、駆除が難しいらしい。ジャンボタニシの駆除でとられている方法を調...

 

トビイロウンカは大陸から季節風にのってやってくる

稲作に深刻な被害をもたらす昆虫にカメムシ目の小型の昆虫のヨコバイやウンカがいる。トビイロウンカという名前をよく聞くはず。※上の写真はヒメトビウンカ?ウンカ - Wikipediaカメムシ目ということで、ヨコバイ等は植物の液汁を吸い、株が弱体化する。液汁を吸う際に、ウィルスや細菌を媒介して株が病気で弱るということもある。このヨコバイやウンカだけれども、特にトビイロウンカで非常に厄介な事があるので、今回の記事はその紹介をする。トビイロウンカは日本の...

 

カメムシが殺虫剤の抵抗性を得る仕組み

レンゲ栽培の田のイネの出穂数を見てみるの記事までで、運良く得られたレンゲ米栽培と、レンゲ栽培以外はすべて栽培を真似しているという比較区の水田という2つの環境の比較によって、イネの生育について触れてきた。おそらくこの2つの栽培環境がなければ、稲作について調べるということはなかっただろう。いろいろと稲作について見てきたので、そろそろ斑点米について見ることにしよう。稲作の主要害虫の一つとして、登熟時にKI-TSUさんによる写真ACからの写真Kekoさ...

 

稲作の虫害防除の今後を考える

※上の写真は過去のイネの写真植物の毛水田ではそろそろ稲穂を形成する時期になる。稲穂の時期といえば、カメムシによる被害(斑点米)の低減の為の殺虫剤の散布がある。使用されている殺虫剤を見ると、ネオニコチノイドが頻繁に目に付く。ネオニコチノイドは植物体で浸透移行性があり、少量で長く効きつつ、人体には比較的影響が少ないとされる殺虫剤で重宝されているが、※人体の脳発達に影響を与える可能性があるという報告もある農薬ネオニコチノイドの曝露による哺乳類の脳発達への影響—自閉症...

 

葉の色が濃いイネはいもち病に罹りやすい

前回のレンゲ米の水田からイネの生長を考えるの続きレンゲを育てて鋤き込んだ後に田植えをした水田では、レンゲ鋤き込み以外の条件が似たような水田と比較して、葉色が薄く葉の茂りが少ない傾向(あくまで主観)があることを記載した。この状態が良いのか悪いのかを判断するのは難しいけれども、欠乏症が出ているというわけではないので良い事であると予想している。前回の記事では植物の反応として、水溶性の窒素化合物と発根についてを見た。イネのサクラネチンはいもち病菌に対して抗菌作用を持つ...

 

カロテノイド生合成阻害の除草剤を見る

南房総族よりビワが届いた2020Shohei_Mar2091さんによる写真ACからの写真風邪の予防にミカンというけれどまでの記事でカロテノイドに注目している旨を記載した。昨今の免疫を向上する食材の情報を見ていると、カロテノイドを抑えておいて損はないと判断してのこと。カロテノイドの生合成の記事でカロテノイドはどういう経路で合成されるか?を見てきたけれども、もう一つ見ておくべきこととして、カロテノイドが合成されなかったらどうなるのか?も重要だろう。カロテノイド...

 

健康的に生きる上でカロテノイドが大事だから蓄積するのだろう

農薬を使う必要がない野菜こそが健康に繋がるはずの記事までで香りに関することを見てきたけれども、黄色い色素のケルセチンに戻って再び色に戻る。最近注目しているものにカロテノイドとフラボノイドがある。きっかけは色々あるけれども、コトブキ園さんから恵壽卵を頂きましたの記事で、卵の黄身の鮮やかな色はカロテノイドに因るものということが再び気になったのが大きい。自然派の方々で卵の黄身の鮮やかさが人工的で嫌だという意見を時々見聞きするけれども、鮮やかさは餌の種類に因るもので、平飼い卵でも...

 

香り化合物の合成経路から見えてくること

ふぉと忍者さんによる写真ACからの写真前回の青葉アルコールが葉から揮発するまでの記事で、青葉アルコールではないが、葉の中で香り化合物は配糖体として蓄積されていて、損傷を受けたときに糖が外れて揮発するという研究報告があることを紹介した。これらを踏まえた上で、次に気になるのが、香り化合物がどのような経路で合成されるか?だろう。香り化合物はどの植物にも一律あるはずなのに、栽培者の腕によって食害されなかったり、食害が止められなかったりといった差があるわけで、栽培環境によって合成に差が...

 

ミツバチ問題と稲作

アザミのタネを撒いて、キレイなチョウを集めたいの記事でも記載したミツバチ問題を引き続き調べていたら、夏季に北日本水田地帯で発生が見られる巣箱周辺でのミツバチへい死の原因について | 農研機構という研究報告にたどり着いた。この研究報告に触れる前にいくつか整理しておくと、ミツバチがなぜ花蜜のないイネがたくさん植わっている水田に訪れるの?という疑問が生じてくる。ミツバチは花から花蜜を集めるけれども、花蜜を作らないイネのような花からは花粉を...

 

植物は痛みを感じた時にグルタミン酸を用いて全身に伝えている

Glutamate triggers long-distance, calcium-based plant defense signaling - Science 14 Sep 2018:Vol. 361, 1112-1115という研究報告を見かけた。うま味が痛みを伝えている!?-植物が傷つけられたことを感じ、全身へ伝える仕組みを解明-(大学院理工学研究科 豊田 正嗣准教授) - 埼玉大学が冒頭の報告の日本語の解説となる。要約すると、葉が幼虫に食害されたり、ハサミで一部を切る...

 

牛糞堆肥による土作りを勧めてくる方の腕は確かか?

11月頃になると毎年栽培について話す機会が多くなってくる。その中でかなりの頻度で質問される内容について書いておくことにする。牛糞等の家畜糞堆肥に依る土作りのことだ。家畜糞は成分的には有機質肥料に近いものがあって、土作り用の堆肥ではない。堆肥という名前で読んでいるのが諸悪の根源で、牛糞堆肥で土作りを行うことは望ましくない。※牛糞を有機質肥料と捉えて超高品質の米を収穫している方がいる。家畜糞堆肥による土作りを止める勇気をこの手の話をすると、そんなはずはない...

 

ブルーチーズで得られる知見から農薬の使用量削減を探る

ペニシリウム・ロックフォルティとラウリン酸と菌根菌の記事で、各チーズ内の脂肪酸(ラウリン酸)の含有量に触れ、ブルーチーズが最も多いことを紹介した。ブルーチーズはアオカビ胞子の添加→熟成によって出来たチーズで、アオカビことペニシリウム・ロックフォルティは土壌中に普遍的にいるカビであるようだ。Penicillium roqueforti - WikipediaAM菌といえば、以前に椰子の実の脂肪酸と菌根菌の記事で脂肪酸のラウリン酸によって成長が活発になったという研究報告を紹介...

 

殺菌剤を使用すると虫による食害被害が増加する

前回の氷核活性細菌によって昆虫の耐寒性が減るという記事で、昆虫が葉を食す際、葉の表面にいる細菌を一緒に摂取すると、体液の凍る温度が上昇して耐寒性が減るという現象があることを記載した。この内容を見て頭に浮かぶこととして、作物の栽培において、APUPUさんによる写真ACからの写真殺菌剤を使用することで虫による食害が増えることに繋がるのではないかと。この内容に関して興味深い話があったので紹介する。西田 貴明 特集2 ミクロな世界からの新展開 アーバスキュラー菌根...

 

氷核活性細菌によって昆虫の耐寒性が減る

東海大学出版 耐性の昆虫学で昆虫の耐寒性ということで、氷核活性細菌という話題があった。水の特性として、不純物が全く入っていない水であれば、-20℃であっても凍らないが、不純物が少しでもあると融点が上昇する。昆虫の冬眠では、胃の内容物を出し切って、体液の不純物を極力なくした状態で融点を下げて厳しい冬を越すらしい。ここで一つ興味深い話題があって、葉の表面に氷核活性細菌というものがいて、その菌を摂食してしまった昆虫は体液が凍結しやすくなることで耐寒性が減る。※氷核活性細菌を...

 

人の神経と昆虫の神経

フルキサメタミドの作用機構という記事で、昆虫の神経におけるGABAの働きを見て、GABA周辺に作用する殺虫剤の作用機構も合わせてみた。殺虫剤は神経に作用するものが非常に多いみたいだ。となると、今まで見てきたアセチルコリンやGABA以外で利用されている神経伝達物質も見ておくと、今後何らかのヒントになり得るかもしれない。逆相関の交差抵抗性というわけで、朝倉書店 新版農薬の科学を開いてみると、神経伝達物質の例として、アセチルコリン、GABA、グルタミン酸、グリシン、...

 

土壌消毒の前に土壌改良材を使用すべきか?

土壌消毒を行う際、土壌改良材を使用してから消毒を行う方が良いのか?もしくは土壌消毒を行ってから土壌改良材を施用した方が良いのか?そんな質問を受けた。質問をされた方は、土壌改良材を施用したら土壌の微生物相が豊かになるけれども、土壌消毒を行うとせっかく豊かにした微生物相がなくなってしまうのではないか?確かにその不安はあるかもしれない。だけれども、現時点での知見であれば、断然前者の土壌改良材を使用してから土壌消毒を行うことを薦める。ちなみにここで言う土壌改良...

 

フルキサメタミドの作用機構

今年はいろんなところで、ヨトウ対策として有効成分がフルキサメタミドの農薬の話題があった。/**********************************************************************/フルキサメタミドは、節足動物のGABA作動性クロライドイオンチャンネルを選択的に阻害し、神経の興奮抑制機能を惹起する。その結果、過度の興奮が起こされることで殺虫効果を示すと考えられている。/*************************...

 

食害虫防除としての草生栽培の可能性を探る

チョウ目昆虫の幼虫の休眠の記事までで昆虫の事を色々と見てきて思ったことがある。それは前にも触れた草生栽培の食害虫の防除の可能性だ。草生栽培は課題を明確化するかもしれない地域のお年寄り達は畑に草を生やしたら虫が多くなるから畑を綺麗にしておけというけれども、虫に対する防除というのは株を健康に育てた上で抵抗性誘導することだ。周辺の畑が抵抗性誘導をしていたとしたら、腕の無い栽培者の畑が集中砲火を食らうわけで技術力がないことが露呈される。病害虫の予防は御早めに...

 

チョウ目昆虫の幼虫の休眠

寒い冬がある日本において、休眠によって越冬している昆虫が多いらしい。休眠している昆虫を無理やり起こしたら、おそらく死に至るだろう。というわけで休眠について分かっていることを調べてみることにした。昆虫と休眠で検索してみたところ、神村 学 チョウ目昆虫の幼虫休眠機構 蚕糸・昆虫バイオテック84(2)、127-133(2015)という特集に行き着いた。特集に触れる前に事前にホルモンについて復習しておくと、完全変態のチョウ目の幼虫には幼若ホルモン(JH)と脱皮ホルモン(エ...

 

植物エクジソンを求めて

ハイハイさんによる写真ACからの写真前回の脱皮ホルモン由来の殺虫剤の記事で、幼虫の成長には幼若ホルモン(JH)と脱皮ホルモン(エグジソン)が関与していて、これらのホルモンの相対的な濃度によって脱皮をするか蛹になるかが決まるらしい。この仕組みを上手く活用して異常脱皮を誘導して死に至らしめる殺虫剤がある。By コンピュータが読み取れる情報は提供されていませんが、Ayacopだと推定されます(著作権の主張に基づく) - コンピュータが読み取れる情報は提供されていませ...

 

脱皮ホルモン由来の殺虫剤

※農薬評価書 テブフェノジド - 厚生労働省 6ページより引用テブフェノジドというヨトウを含むチョウ目の幼虫に強力な活性を示す殺虫剤がある。作用機構はチョウ目の脱皮を促し、異常脱皮をさせることによって殺虫するというもの。何故脱皮を繰り返すことによって殺虫することが出来るのか?この農薬の作用を深く理解する為には、どうやら幼虫の成長について把握する必要がありそうだ。ハイハイさんによる写真ACからの写真知識不足で何の幼虫だかわからないが、おそらく...

 

逆相関の交差抵抗性

前回の有機リン系殺虫剤の作用機構の記事で、よく使用されている有機リン系殺虫剤の作用機構について触れた。農薬を使用していて頻繁に挙がる話題として、農薬の効きが年々悪くなってきたというものがある。同じ農薬を使用し続けると、対象となる昆虫等が耐性を持って効かなくなるというものだ。何故効かなくなるのか?酵素と基質の鍵と鍵穴の関係程厳密ではないけれども、酵素と農薬の間にもゆるい鍵と鍵穴の関係がある。ビタミンを理解する為に補酵素を知る上の図の右...

 

有機リン系殺虫剤の作用機構

前回の成虫で休眠する甲虫は土壌で何をしているのか?の記事で、コガタルリハムシという成虫で休眠をする甲虫に触れた。コガタルリハムシは土壌で休眠中に抗菌性のペプチドを合成するが、不思議なことに自身に影響を与える菌ではなく、ジャガイモの乾腐病菌の菌糸の伸長を抑制する物質であった。もしかしたら畑において天敵以外でも作物に良い影響を与える昆虫は沢山要るのではないか?ここで気になるのは、普段よく使用されている殺虫剤が天敵や作物にとって無害(もしかすると有益?)の昆虫も一緒に殺虫し...

 

成虫で休眠する甲虫は土壌で何をしているのか?

昆虫の更なる理解を求め、東海大学出版から販売されている耐性の昆虫学という本を読んでいる。この本を読んでいると、昆虫はとても強く、そしてわからないだらけだということを痛感する。耐性獲得の速さから栽培で殺虫剤を使用するという選択は実はとんでもない負債を背負うのではないか?と思えてくる。この手の話は後日にしておいて、コガタルリハムシという甲虫で興味深い話があったので紹介する。この昆虫はタデ科の草の活躍タデ科のギシギシ(スイバの仲間)を...

 

アミノ酸で青枯病を予防する

青枯病対策としてのDIMBOAまでの記事で、厄介な青枯病やヨトウの防除のことを整理した。病気と食害を交互に見ることで、どちらの被害軽減に対して同じ事を見ているように感じてくる。そんな中で興味深い読み物を発見した。瀬尾茂美等 今日の話題 ありふれたアミノ酸が植物病害を抑える アミノ酸による植物のパワーアップ - 化学と生物 Vol.56. No.6. 2018上記の記事では、トマトの青枯病に有効な農薬の開発というテーマで、酵母抽出液から発病を抑える効...

 

青枯病対策としてのDIMBOA

昨日、某SNSに環境に優しい土壌消毒ダゾメットの記事をシェアしたら、下記のコメントがあった。/*********************************************************/アブラナ科ベビーリーフ残渣をすきこみ続けると果菜類のあとのひどい土壌も徐々に復活するのは、今回の内容と関係あるのだろうか、とか考えました。/*********************************************************/このコメントを見て、ふ...

 

虫にかじられやすい株とそうでない株の違いは何だ?

前回のダゾメットによる土壌消毒はチョウ目の幼虫に有効であるか?の記事で、アブラナ科植物の防御反応であるイソチオシアネートがチョウ目に効かないというのは、イソチオシアネートに対して耐性があるわけではなく、イソチオシアネートを合成させないということだった。つまりはまだチョウ目の幼虫にイソチオシアネートが効く可能性があるということだ。イソチオシアネートはアブラナ科植物が虫による食害(傷害)を受けた時に合成される。ここで疑問が生じる。コマツナ等のアブラナ科植物で、葉脈...

 

ダゾメットによる土壌消毒はチョウ目の幼虫に有効であるか?

前回の環境に優しい土壌消毒のダゾメットで、よく使用されるダゾメットがアブラナ科植物の防御反応の一つであるイソチオシアネートを活用していることがわかった。ここで一つ疑問が生じるのが、※写真は私にとっての農業とSOY Shopよりアブラナ科とチョウ目(旧:鱗翅目)の関係ではないだろうか。アブラナ科植物というのは特有の辛味成分のおかげで虫に食われにくいと言われるが、チョウやガの幼虫にはよく食害される。辛味成分は今まで話題に挙がったイソチオシアネートのことで、チョウやガの幼虫はイ...

 

環境に優しい土壌消毒のダゾメット

土壌消毒について見直す時期ではないだろうか?の記事で、タイトル通り土壌消毒について見直すべきだと思っている旨を記載した。土壌消毒という名前により、土壌中の病原性の微生物等を消毒できるという思い込みが発生するが、実は消毒できない個所があって、そこに病原性の微生物等が潜伏する。普段行われている土壌消毒のことをより深く知ることで、どこまで土壌消毒に依存するか?の判断が出来るようになるので、今回は土壌消毒について触れてみる。薬剤による土壌消毒で頻繁に見聞きする...


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